グラス揺らせば カラカラ カラと胸の虚を 胸の虚ろを 氷が嗤うこのままわたしを 盗んでと縋ったあいつの 一途さが男ごころを 又ゆする北のとまり木 あゝ霧笛酒(むてきざけ) 酔えばあいつが 唄った歌をどこか空似の どこか空似の おんなが唄うあなたがわたしを 忘れても忘れてあげない 忘れない別れ台詞が
なごりの雪の 消え残る山脈(やまなみ)はるか その向う男の夢は 何処にある今日また昏れる 北の涯てひとしお沁みる 茜空 心のままに 野に生きる葦毛の駒に 我を見る後は向かぬ 筈なのに名もなき花に 唇(くち)をあて紅さし指の 君想う 風吹く胸の やすらぎは黍酒(きびざけ)詰めし 革袋汲めどもつきぬ 哀しみは涙の褥(しとね) 草まくら明日またひとり 北へ行く
嵐に野薔薇が 散った夜旅路の果てで 噂を聞いた…何も死ぬこと なかったろうに暗い運命が おまえを棄てたおやすみ 眠んな もう誰も苛めないクラスに 手向ける 黒のララバイ あれは去年の 今頃か形見のように 献してくれた…過ぎた女さ こういう俺にだから黙って 別れて来たがおやすみ 眠んな
薔薇のくちづけ かわしながらおまえを胸に 抱きしめる五月愛した この季節眩いばかりの 時間(とき)を過ごしてた 時間(じかん)は止まり 思い出かぞえてもおまえはもう あの空の彼方へ陽なたの匂い 笑い声 Mm…遠く聞こえて 今はただ懐かしい今度生まれて 来るときはおまえ一人を みつめているよぬぐいきれない この傷(いた)みいまさら呟く 男のララバイ 風に抱かれて おまえが帰る夕空(そら)黄昏どき 銀の雨
あなただけ あなただけ他になんにもいらないと涕かないで 涕かないであゝ麗子昔に戻れる 夜汽車があれば迷わず今すぐ 乗るけれどおそすぎた何もかも 君は遠い女 愛しても 愛しても霧にひそめるかくれ恋涕かないで 涕かないであゝ麗子いまさら出逢っちゃ いけないふたり運命よどうして もて遊ぶおそすぎた何もかも 君は遠い女 もういちど もういちど逢ってくれなきゃ死にますと涕かないで 涕かないであゝ麗子燃えたつ想いの 求めるままに身も世も捨
口笛も凍る みなとハコダテ誰かあいつを 知らないか探さないでと ルージュで書いた左さがりの 文字がかなしい夜霧よ歌うな ブルースは ガス燈もうるむ みなとヨコハマ誰かあいつを 知らないかふたり出逢った 馬車道あたり過去をまさぐる 恋のにがさは夜霧に泣いてる ブルースよ 賛美歌にむせぶ みなとナガサキ誰かあいつを 知らないか夜の円山 見かけたという噂たずねりゃ 他人の空似夜霧よ歌うな ブルースは
からだ壊しちゃいないか 愛に出会えたか尋ねてみたい 客もまばらなこんな夜はブランデー・グラスは おまえの胸さやさしい形で 俺をかなしませる悔んでいるよ雨、雨 東京もどり雨 損なくじだけ引いたね 回り道したねどうして耐えた 所詮浮気な俺などに女の電話も 誰だか尋かず黙っておまえは 外へ送り出した許せぬやつさ雨、雨 東京もどり雨 あれば試していたのか 待ってくれたのか今ならわかる やけに遅めの歩き方おまえに与えた ふとした傷が心で
風が出て来たね 夜も震えてるおまえの肩先 抱き寄せるたとえどんなに 愛していても世間が許さぬ 恋がある…この手に奪えぬ 腑甲斐(ふがい)なさ髪の匂いが せつなく揺れる 星が泣いてるね 月も潤んでる二人のつらさが わかるのか今の生活(くらし)を 捨てろと言えばなおさらおまえが 困るだけ…いつかは別れる 恋なのに影も寄り添う せつない夜よ 頬が冷たいね 指も凍(こご)えてるにじんだ涙の
おとなどうしの 恋だからあまい言葉は いらないさ夜のクラブはふたりの 秘密の世界そっとからんだ 指先がああ ああ 愛をささやく エンゼルキッスが 酔わせたか濡れてうるんだ かわい瞳よ抱いて踊ればくずれて より添うおまえなぜか今夜は この俺もああ ああ 胸がせつない わかれられずに
北の街札幌に 遅い春が来て花が咲くたび あいつを想うあの日別れた 時計台つれて逃げてと 泣いた奴アカシアの アカシアの花に浮かぶよ 面影が 雪よりも白い肌 おれに預けたね夢の一夜を 忘れはしない煙草とりだす 指先に今も残るよ ぬくもりがアカシアの アカシアの花の香りが 身を責める 愛ひとつ奪えずに 背中見送ったおれの弱さを
これで終りに しようねと決めた惜別の 旅なのに他人どうしになるなんて できないと泪におぼれる 愛しいひとよああ ふたり北国 リラ冷えの街 離れないでと すがりつくつめの痛さが いちずさが胸の芯までキリキリと 滲みるけどゆるしておくれよ 愛しいひとよああ 外は黄昏 リラ冷えの街 いっそこのまま ふたりして行方しれずに
泣くのはおよし 涙をふいていつもの笑顔は どうしたの二度と会えない 別れじゃないさ泣けば尚さら つらくなるせめてそこまで 歩こうか心もむせぶ 東京夜霧 離れていても 心はひとつ愛しているのさ 今もなお赤いくちびる 切ない瞳みればこの胸 しめつけるふたり重ねた おもいでをさみしく包む 東京夜霧 忘れはしない おまえのことは心に似顔絵
時計を見るのはしばらくおやめよ柄になく この俺も泣きたくなるから…忘れられない夜になったね甘く脅えるおまえの瞳にも炎はまだ燃えて帰したくないミッドナイト… ミッドナイトしのび街ヨコハマ 愛しちゃならない 言っては聞かすが聞き分けの ないやつさ 心というやつ…つらい秘密を抱いてくれたね悪い女と呼ばせるものかふたりの恋だもの 影もいとしいミッドナイト… ミッドナイトしのび街ヨコハマ 空車は拾わずこのまま歩こう石畳 馬車道
ほろほろと夜にこぼれる匂いやさしい 銀木犀によぎる面影よ愛しながらもさだめゆえはぐれて二秋おまえに逢いたい逢いに行きたい 夢一夜 素肌ゆだねた おもひでだけで生きてゆけると背中でないたやつ北風のたよりじゃ影さえもやつれているとか迎えに行きたい すぐに行きたい 北国へ 続く夜空を ふと見かえればなみだのような 蒼い流れ星命はかない 女だからもしやと気がかりおまえに逢いたい 逢いに行きたい
よせよそんなに 自分を責めて悪い女の ふりなどやめな何にもやれない おれだけど分けておくれよ 胸の傷そっといたわり 支えたいむかし愛した おまえのために そうさおまえに 惚れてたおれさ苦い過ち 悔やんだ別れ遠くで祈った 幸せにいつかはぐれて いたんだねちがう明日を おれがやるむかし泣かせた おまえのために ほかの愛など 捜せなかったいつも心に 住んでたおまえいやしてあげるよ その心痛(いたみ)涙ふきな
今頃あの娘は 故国へ旅立つフェリーの上と馴染みの酒場のおやじがポツリと教えてくれる迷い子みたいな 女の背中がグラスを掠めふいに何かがはじけてつきあげる遥か釜山めざして 渡る夜の海峡不実な男の仕打ちを 怨んでいるだろう失くしてはじめて気付いた幸福 愛しい女よきっと迎えに 迎えに 行ってやる 黄昏 桟橋 あてさえないまま 飛びのるフェリー空似の女のやつれた姿に心がうずくすべてを投げ棄て燃えたつ想いの指のすきまに越える国境 荒
黄昏にうるむ 港灯(ハーバーライト)よ涕(な)いてくれるか わかれの わかれの夜をおとなどうしの 粋なさよなら気どってみても 吐息…なみだいっそこのまま 旅にでようか夜霧にまぎれて ふたりきり 霧笛が揺する 茉莉花(ジャスミン)の花夢のあとさき 飾って 飾っておくれ消すに消せない むねの焔(ほむら)を抱(いだ)き抱(いだ)かれ とけて…ひとついっそこのまま 風になろうか夜霧の彼方へ ふたりきり 残りす
しのび逢う夜の 短かさをうらむその眸が せつないよ少女みたいに わがままをいわないでせめても踊ろう 神戸北クラブ君は人妻… あゝ人の妻 離れたくない 離せない同じ思いの 影と影いっそあなたの 腕の中死にたいとルージュが囁く 神戸北クラブ君は人妻… あゝ人の妻 薄い氷を 踏むような倫にそむいた 恋だから今度逢う日の 約束が見えなくて小指も泣いてる 神戸北クラブ君は人妻… あゝ人の妻
とても綺麗さ 今夜の君は肩よせながら 歩く街角淡い灯りも 囁きかける可愛い この手を離したくない いつまでも…燃えてせつない 夜更けのふたり夢の中まで 君と一緒さ  誰も知らない ちいさな秘密聞かせてくれた 夜のクラブよ旧(ふる)い映画(シネマ)か 恋物語夜霧に かくれてそっとくちづけ 交わしたい…影もよりそう 夜更けのふたり夢の中まで 君と一緒さ 逢えば短い しあわせだからどこかへ遠く 旅に出ようか
(セリフ)「遠回りしたけど おまえのところへ 戻ってきたよ」 逢いたかったと 眸をうるませる頬のやつれに待ちわびた 歳月が滲む男は勝手で 我がままで女をいつでも 留守にする泣いてもいいよ… 泣いてもいいよまわり道させた 俺が悪いのさ (セリフ)「昔なじみのあの店で 少し飲んでいかないか」 責める言葉も 忘れたように辛いことなどなかったと うつむくおまえあの夜の気まぐれ その指環今日まで大事に してたのか帰ってきたよ…
港夜霧に 濡れて交わしたわかれくちづけ 忘れるものか伽羅のかほりの か細いからだ抱いてやりたい もういちど悔やんでみても もう遅い夢はかえらぬ 男の慕情 ひとつコートに 肩をよせあいふたり歩いた アカシアの道独りたどれば 失くした愛の愛の重さに 眸がぬれるいまさら何を うらんでもうしろ姿の 男の慕情 霧笛めがけて 銀の指輪を投げて弔う
明日の夢さえ 見えない俺に尽くすお前の けなげさ・いじらしさ撫子…撫子…一輪咲いた俺のこころの いのち花苦労に痩せた その指にいつかはやりたい 倖せを… 世間を拗ねたら あなたの負けと泣いてお前は 意見をしてくれた撫子…撫子…一輪咲いた俺のこころの 可憐花今夜は酒に 頬染めて甘えておくれよ この胸で… 寄り添うぬくもり あったらいいと照れて微笑む お前が愛しいよ撫子…撫子…一輪咲いた俺のこころの いのち花この先何が