自由落下とピノキオ — 分島花音

言葉は魔法みたいだね
ナイフのように尖っているんだ
嘘つきや臆病が
怪物になって
誰かを食べる

ピノキオ
君は
宇宙の暗い波に呑まれても
明日に気持ちを持てるかい?
ねえ、
まだ 世界は
切り離しちゃくれないさ
泣きたいくらいに眩しい朝だ

言葉は魔法みたいだね
子猫のように温かいんだ
迷子になったこころを
ぎゅっと抱きしめて
愛をくれる

ピノキオ
君は
もがいて空を掻いたその手で
誰かの引力になれそうかい?
ねえ、
もっと遠く投げ出されたとしても
見えない糸でここへお帰り

満足いく完璧な日々を
過ごせるほど器用な体じゃないよ
思い出や記憶に頼ってるんだ
逸れて忘れないように

君は笑って怒って悲しんだ分
色付いていく
(本当はとても楽しそうだよ)
何度も来る今日が特別に感じるときは
そっと教えてね

ピノキオ
君は
宇宙の暗い波に呑まれても
明日に気持ちを持てるかい?
ねえ、
まだ 世界は
切り離しちゃくれないさ
泣きたいくらいに眩しい朝だ
素晴らしい新しい朝だ