トーラス – 佐々木李子

赤い雫 頬を伝い
ほのかに香る
差し伸べられた時間(とき)は
無情にも儚く灯火燃え尽きて

荘厳(そうごん)と響く
脈打つ音は世界を揺らして
赤子をあやす
瞼の裏に描いた夢は
終わりを迎えた星の命

足掻き 抗った鳥の
羽根は抜け 舞い散る
地を這い 生き絶えた

循環の定めと

胎児の夢の終わり

荘厳(そうごん)と響く
脈打つ音は世界を揺らして
赤子をあやす

瞼の裏に描いた夢は
終わりを迎えた星の命

廻り巡り行(ゆ)く
命の由縁 血の管で繋ぎ
絶えず廻る

耳鳴り響く 目覚めの音は
命を繋いだ星の声