伊奈かっぺい

春まで待てないのですか – 伊奈かっぺい

子供(わらし)が…生まれだんだ。うん…子供(わらし)が…生まれだんだ。
父親ど同じ この雪国で 子供(わらし)が生まれだんだ。父親と同じ頃
そんだ、雪溶げが終て 春のお陽(し)さまがまんぶしい頃 子供(わらし)が
生まれだんだ。この子供(わらし)も も少し大っきぐなれば 吹雪の中
走っけまわって遊ぶんだべなあど思たきゃ 父親になった今になて
改めで雪ど雪国ば想てみだあ―。

雪…なぁ。お前達(めさだち)はどごで生まえで どこば通って この町さ
落ぢで来るんだがさ一回(ひとげり)も教へで呉(け)ねし誰も教(しか)へで
呉(け)ねばたて
季節ば忘えねんで この町さ降ってくるねなぁ。手のひらコで感じる
冷(しゃ)っこい 暖(ぬぐた)みコ おら達(たぢ)の町の人だば誰でも
覚べでる。
初(はし)めで触(さわ)たお前達(めたち)は
少々もちょこちぇくて(くすぐったくて)裸足(はだし)で
歩いてみて思るほどだ。そして誰しかもこの町の子供達(わらしだち)ぁ 白ぐ
キガキガと輝ぐお前達(めだち)ば待ってる。この町の子供達にしてみれば
お前達(めだち)は一番お気に入りの玩具コで友達(けやく)で
その不思議だ輝ぎは
驚きだし、まんずまあはあ夢そのもんだがさも知らね。

雪があったかなんて ただの言葉の遊びだよ
それでもあなた北へ 北へ旅すると言うのですか
春まで待てないのですか

いづの世の中でも キガキガと光るものには
キガキガと光る眼(まなく)が向げ
られるもんだ。お前達(めだち)は見る子供達(わらしだぢ)の眼(まなく)は
何ば見る時しかも
キガキガと光てる。よぐ来たなぁ おら達の町さ。
今年も沢山(いっぺ) この町さ降って呉ろ。おら達の町の人達は誰もが
むがしは子供(わらし)であったズ事(ごと) 忘えでねぇはんでなぁ。
さぁ今年も沢山(いっぺ) 沢山(いっぺ) この町さ 降って降って
積もて呉(け)ろ!――ど
喋べては見るんだばてなぁ…

雪があったかなんて ただの言葉の遊びだよ
それでもあなた北へ 北へ旅すると言うのですか
春まで待てないのですか

雪があったかなんて ただの言葉の遊びだよ
それでもあなた北へ 北へ旅すると言うのですか
春まで待てないのですか

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