想い出がつきない夜 – 伊勢正三

ひとつだけ ちぎれた雲に
もしも心が あるとするなら
どこに魅かれて この街へと 流れ来たのか
そして何処へと 行くのか

想い出がつきぬ この街の空の下
悲しいことばかりあったね
いつも街を見てたね

心には いつか消えてゆく
長い影法師をひいて
こんなにぎやかな街並に まぎれていると
過ぎたあとで知る 季節よ

幸せに わざと背を向ける そんな
淋しい男達の住む街
見慣れた空の街角

想い出も あとで過ぎてしまえば なぜか
悲しいことばかりじゃない
そして街を出てゆく