うしろ影 – 中条きよし

時計を左手に 帰りの仕度
朝までいれない あなたが悲しい
待つ身の女で かまわないけれど
せめて心は せめて心は 置いていってね

窓の外は つめたい雨が
捨ててもいいからこの傘を
帰したくないあなた 眠れやしないあなた
靴音淋しい うしろ影

身体にぬけない ぬくもりだけで
三日や四日は 安心できるわ
わがままいえたら 朝の窓辺で
そっと見送る そっと見送る ことができたら

窓の灯り 消さずにいるわ
あなたがどこかで 眠るまで
帰したくないあなた 眠れやしないあなた
雨音恋しい うしろ影

窓の外は つめたい雨が
捨ててもいいからこの傘を
帰したくないあなた 眠れやしないあなた
靴音淋しい うしろ影