だれかのはなし – 中嶋ユキノ

小さなことで傷ついて 人を簡単に信じられずに
「ひとり」でいたいくせに
「ひとりきり」にはなりたくない

大きなことがおこる度 先の生き方が怖くなって
「誰か」に頼りたい時は
「誰か」がいつも見つからない

面倒な自分と闘う日々は
もう やめにしたいんだけどな

ああ 生きてくって 生きてくって 簡単じゃないな
ああ それでも 誰かが生きたかった明日は来るんだろう

歳を重ねていくたび 大人になれない自分に出会う
「みんな」も同じなのかな
「みんな」って誰のことなのかな

脆すぎる自分をかばう日々は
もう やめにしたいんだけどな

ああ 生きてくって 生きてくって 簡単じゃないな
ああ それでも 春になれば 桜はちゃんと咲くんだろう

淹れ立てのコーヒー 差し込む光 誰かの笑い声
愛されたあの夜 果たせなかった約束
開かないドアを 叩くのは やっぱり自分しかいないのだろう

ああ 生きてくって 生きてくって 簡単じゃないけど
ああ それでも それでも…
ああ 生きてるって 生きてるって 素晴らしいんだと
そう 思えた時には 思える日々なら 笑顔で優しくいられるから

おもちゃで無邪気に遊んでた
あの頃は 何になりたかったんだろう
過去の自分に戻っても
結局は 今の人生を 生きていただろう