なんて…あんたの背中はさ淋しい分だけ 温かい女が広げた 情けの傘は夢見る男にゃ 狭すぎる行って行って しまうのね路地に転がる おんな傘なんて…あんたのその瞳(め)はさ悲しみ抱いても 綺麗なの世間に隠れた 小さな傘でお酒と一緒に 雨やどり酔って酔って しまいましょ夜に濡れてく おんな傘なんて…あんたの言葉はさ不器用まじりで 優しいの女が隠した こころの傘に帰ってくる場所 空けておく行って行って しま
濡れて尋ねて 来てくれそうな雨はみれんの 落とし水あなたの噂…お酒がついて 廻るけどいまでは許せる ことばかりおんな露地裏 忍ぶ草尽くし足りない 私がわるいそこへ最後は 辿(たど)りつく盃ふたつ…並べてそっと 注(そそ)ぐ夜は誰にも入れる 隙もないあなただけです 忍ぶ草泣いて拭きとる 口紅みたい雨の残り灯 こぼれ灯よあなたの帰り…私はここで 待つおんな咲かせて下さい ひっそりとおんな露地裏 忍ぶ草
夜の波止場に 砕ける波は海の吐息か 燧灘(ひうちなだ)出船送って 一年二年胸に時化(しけ)抱く 私です港しぐれは 片瀬雨旅のおんなに 笑顔が戻り浜のなまりに 馴れるころあなた返した 仇波(あだなみ)いくつ嘘も恋しい 腕まくら港夜寒(よさむ)の ひとり酒越えて瀬戸内 その先までも海は流れる 燧灘噂拾って 岬の町で迎え化粧の 春を待つ港いつごろ 帰り船
変わる季節を すすきが揺らし風が生まれる 遠野駅はぐれて添えない 恋を抱き明日をさがしに 来た旅路遠野しぐれて 暮れる里忘れてあげれば… 楽ですか酔ってあの人 聞かせてくれた南部語りの なつかしさうつむく心を 酒に染めぬらす枕で 聞く音は遠野しぐれて なみだ宿雨音つづきの… 女です止まる水車を 未練でまわす夜明けまじかの わかれ水ついては行けない 道の先惚れた男の 夢がある遠野しぐれて 走る霧届か
白雪(しらゆき)のこる 戸隠山にどこから来たのと 尋ねられ一日がかりと 答えたわたし死にたいような 切なさをかくす笑顔に 降りしきる雨… 戸隠の雨は恋の痛みを 癒す雨ひとりでわたし 生きられますと誰かにゆずった 好きなひと涙で買ったわ 片道きっぷはじめて遠い 旅に来てお酒温(ぬく)めて のんでみる雨… 戸隠の雨を宿のガラスに 聞きながら春まだ浅く 吹く風さむくそれでも信濃の 空をみる小さな芽をふく
雪の重さを はじいて生きるりんごの技に 母を見る都会暮らしは 辛かろと娘に届けた 小包にあゝ 月日を埋めて 雪が降る母よ 母よ 津軽の母よ仰ぐ岩木山(おやま)に 両手を合わせ子どものために 働いた破れ角巻 守られて育った温もり 恋しくてあゝ じょんがら節の 歌も泣く母よ 母よ 津軽の母よ他人(ひと)の桜に 遅れて咲けどりんごは末に 実をつける夢があるなら がんばれと笑顔で送った その肩のあゝ 苦労
八百八橋(はっぴゃくやばし)も ある街であんたに渡る 橋がない尽くすほど ダメになる笑顔はぐれの 恋やった暖簾たたんで 独り飲む夜のしじまに 堂島しぐれ一期一会(いちごいちえ)の この愛とこころに決めて 夢を見た嘘でいい 最後まで通す強さが あるんなら行き場なくした ひとり川女なみだの 堂島しぐれ十人十色(じゅうにんといろ)の 倖せがあるならいつか 私にも離れても 忘れない命かさねた 人やからにご
別れてきたのと 涙をふけば沖でゆれてる 漁り火よこんな悲しい 連絡船にわたしは のらない はずでした運命(さだめ)うらんで 帰ります北の日暮れの むらさき海峡死ぬほど本気で くちびる噛んで恋を捨てたは 誰のためかもめ おまえにゃ わかりはしない明日(あした)のしあわせ 不しあわせどうか私を 呼ばないであなたさよなら むらさき海峡乱れてまつわる この黒髪よなんで あの男(ひと) 恋しがる抱いてやりま
恋の痛手の 深傷は治せないのね 重ね着してもひざを抱き またあんた思わず呼んだ 夜空のはてにひとつ涙の 流れ星あれは去年の 夜祭りに買ってもらった ガラスの指輪しあわせの 夢かざり許されるなら やり直したいいのち新たに もう一度女ひとりは 肌さむくねむれないから 温めに来て遣(や)る瀬ない この願い届けておくれ あんたの胸に青い矢のよな 流れ星
男が荒野(あれの)の さくらなら女は撫子 かげの花嵐と戦う あなたの側でめだたぬように わたしはつくす男花 女花咲いてなみだの 実を結ぶうまれは何処かと 聞かれたら越後のあたりと 答えます色香でかくした 勝気なこゝろうす紅色が わたしの彩(いろ)よ男花 女花好きなあなたと 恋を舞う男は命の 一重咲き女は情けの かさね咲き一年 三百六十五日あなたのために わたしは生きる男花 女花うき世この道 ふたり
別れはしない 離れない命と決めた 恋なのに涙か重い 荷物をまとめ流れて船に 乗り継げば北の海峡 冬の中この先生きる あてもなくほほ打つ雪に 泣けてくる女の夢を こわしたあなた立てないくらい 愛してた海よ私を 叱ってよ旅路の果てに かすむ灯は見えない明日か 未練火か振り向くたびに あなたは遠くふたたび逢える
命を賭けた 恋ならば別れに愚痴など 言うもんか汽笛よ叫ぶな 未練じゃないよ沖の彼方に 船影消えりゃあなたあばよと 目をつぶる北の桟橋は 風が涙を 拭く港男が夢に 生きる時女はまっ赤な 花になる淋しさ辛さに 泣いたら負けさ今はあなたの 後追うよりも愛を信じて 待っている北の桟橋は 明日に二人を
おけさ踊りに 鬼太鼓(おんでこ)がつらい心に しみとおるあなた あなた恋しや 遠い空せめて夢でも 逢いたいよ風が震える 佐渡海峡黄花かんぞう 咲く頃にきっと帰ると 言った人いつに いつになったら その胸で泣いて甘える 夜が来る海に名を呼ぶ 佐渡海峡紺の絣(かすり)に 菅笠(すげがさ)で送り迎えの たらい舟女 女心も 届かない佐渡は四十九里 波しぶき未練海鳴り 佐渡海峡
恋に命は 賭けられないと言えばさみしい 女よね死ぬほど惚れた ひとがいた死なずに生きた その理由(わけ)は…灯ともして 笑顔ともして波に聴かせる 波止場うた愛に生きたら 幸せだけど背負うしがらみ どうするの流れて逢えぬ ひとがいる流れのカモメ どの辺り…灯おとして 化粧おとして涙そぼ降る 波止場うた陸(おか)で暮らすか 奈落(ならく)の海かここは女の 道の果て忘れたはずの ひとがいる忘れていない 
一つ越えれば も一つ坂がそれを越えても また坂が情け石ころ つまづいて袖をしぼって 泣いた夜だけどよかった あなたに逢えてついて行きます いのち坂いつも見ていた 日暮れの坂に夢の薄陽(うすび)が さしてきた負けはしません 二人なら息が切れたら 立ち止まる二度と後(うしろ)は ふりむかないで強く生きます いのち坂尽くすよろこび 分け合う涙これが女の たからもの冬の木枯し 耐えしのびいつか根付いた 花
泣いて乱れる 恋よりも惚れた弱みで 別れた辛さあんたなんかにゃ わかるまいあんただけには 見せたくないの笑顔支えた 頬づえに苦い雨降る おんな酒追って背中に 甘えたい惚れていりゃこそ 解いたこの手あんたなんかにゃ わかるまいあんたひとりに 命をあげて夜の重さに 耐え切れず胸は火の川 おんな酒こころ二つを 持つひとはどちら向いても 淋しいはずよわたしほんとは わかってた迷う男の 優しさ深さ夢と氷を 
汽笛ばかりで 沖行く船の影も見えない 平舘(たいらだて)いさりび海峡 男は懲(こ)りた懲りて覚えた 酒なのに隣りに誰かが いてくれりゃそんな弱音が ついほろり潮(しお)のつぶてに 霙(みぞれ)がはしる窓をきしませ 風が哭(な)くおもかげ海峡 昨日も今日も冬のさきぶれ 荒れ模様故郷に残した 妹がやけに恋しい こんな夜(よ)は男らしさも ひと皮むけばしょせん気儘(きまま)な 海つばめおんなの海峡 こぼ
ふたつに割れた 手鏡に感じたあの日の 胸騒(むなさわ)ぎ別れて欲しいと あなたから突然言われた 私です泣いて今夜も また泣いて胸に涙の こぬか雨うなじに揺れる 後れ毛がやさしい手櫛(てぐし)を 恋しがる鏡の欠片(かけら)で 傷ついた心がチリチリ 痛みます泣いて今夜も また泣いてそっと面影 抱きしめる終わった恋に すがっても元には戻れぬ 割れ鏡別れたあなたの 幸せを願えるはずない 今はまだ泣いて今夜
この世の中の 哀しみを拾って来たよな 細い指涙の川を 女は何度何度渡れば いいのでしょうか…人の心に つまずいて胸に沁みます 雨の音好きだと口に 出せぬまま水面(みなも)に流した 恋ひとつ涙の川を 越えればいつかいつか灯りが 見えるでしょうか…浮かぶ面影 掬(すく)っても掬(すく)いきれない 流れ水一日ひとつ 良い事があったら明日も 生きられる涙の川を 女はどこへどこへ流れて 行くのでしょうか…せ
あなた なぜなぜ 浮世の風に拗ねて背をむけ 自棄酒(やけざけ)のむのたかゞ たかゞ たかゞ人生かすり傷…涙はわたしが ひろいます待っているのよ あなたの笑顔辛いときこそ おんなの情けふれてください いのちの糸にそうよ そうよ そうよ二人は艶歌恋…わたしがついてる 負けないで曇らないでね あなたの笑顔しょせん男は いっぽんどっこそれがあなたの 持ち唄だから筋を 筋を 筋を通して晴ればれと…世間のまん
あんな奴 どこがいいかと 訊(たず)ねる人にどこが悪いと 聞き返すデモネ あいつどこまで 本気やら遊び心が チラリホラリと 見え隠れ野暮はおよしよ 逢いたくて着物はしょって いそいそとあ‥どうせ恋など お花見気分桜みたいにチョイと 咲かせておくれな エエ恋吹雪「妬(や)きはしません つらいも承知(しょうち)もてるあなたに惚れた罰(ばち) エェつらいよね」罪な人 ぎゅっと抱きしめ 夢中にさせてひやり
灯りきらめく 映画館待ち合わせの 恋人たち昔はいつも あんな風に笑っていたのに…一人ぽっちのロードショー始まりの ベルの音が待つなんて 無駄なことだと耳に冷たく あぁ 突き刺さるいつも映画の ヒロインは愛も夢も 一人占めで私がもしも 綺麗ならば幸せあったの…一人ぽっちのロードショー今はまだ 暗いままで泣くなんて バカと知りつつ字幕(もじ)が涙で あぁ うるみます一人ぽっちのロードショー降り出した 
燃えて身を灼(や)く 恋じゃない焦がれて待つよな 愛じゃない幼馴染みが この都会(まち)で出逢って咲かせた… 夢ひとつあの頃へ 帰りたいあの頃へ 帰ろうか母さんゆずりの 手料理で飲みましょ今夜は あなたと二人早く見つけて 欲しくって夕焼け小焼けの かくれんぼ離れ離れに なった日の指切りげんまん… 忘れないふるさとへ 帰りたいふるさとへ 帰ろうか夢ならたくさん なくていいこれからあなたが 私の宝回り
女は紫陽花 みたいなの涙に打たれ きれいになれると恋を失くして 泣いている私にそっと 言い聞かせて守ってくれた 母さんでしただんだん だんだん無邪気に 戻るあなたを今度は私が 守って生きます母さんが 雨の中 紫陽花に水やりしてるもういいよ 大丈夫差し掛ける ちいさな傘よ自分の心を 捨ててまで女は家を 守るものですか古い時代を つらぬいて涙も見せず ただひたすら育ててくれた 母さんでしただんだん だ
こんなはずでは なかったと泣けばなおさら つらいだけ赤い火の粉を 吹き上げる手筒花火の イキの良さパッと咲きましょう 咲かせましょう東海一の晴れ舞台 みんな揃って 夢の花恋のライバル 多いほど女心は 燃えあがる天に轟く 火柱の手筒花火の あでやかさパッと咲きましょう 咲かせましょう東海一の晴れ舞台 みんな揃って 恋の花つらい時ほど 身に沁みる人の情けの あたたかさ赤い火の粉が 舞い落ちる手筒花火の
箸の袋に 好きだよと書いて私に くれたひと天城十二里 七滝(ななだる)越えて逢いに来たひと もういない愛は涙の 雨の花苦労したねと この肩をそっと優しく 抱いたひと情け濃い目に 灯りを点しあなた今夜も しのび酒夢ははかない 雨の花壁の暦に 逢える日を書いて待ってた 遠い日々伊豆は湯の町 あじさい時雨恋はいつでも 遠まわりわたし涙の 雨の花
夢のひとつが 邪魔をして渡りきれない みれん川抱いて下さい 今夜だけ泣いてあなたを 忘れます私は咲けない 飾り花つくり話しの 倖せにすがりついてた 白い指お酒下さい 今夜だけ泣いてあなたを 恨むより他人の昔に 戻りたい苦いお酒も 酔うほどに涙まじれば 甘くなる夢を下さい 今夜だけ傷がつくほど 愛しても私は咲かない 飾り花
空は晴れても 津軽の里は龍が飛ぶよに 風が舞う荒れる地吹雪 凍(い)てつく夜は女子(おなご)ばかりで 貝になるハァー あんたをナァー 夢で探しても線路の果てはョー 白い冬の海あんた今頃 都会の隅でたった一人の 晩めしか遠く離れりゃ 心配ばかり砕く心の 先に立つハァー 凍(しば)れてナァー 風群に耐えている恋しい胸にョー うなる雪列車煤(すす)け柱の 暦が変わりゃ逢えるその日が 近くなる鉛色した 寒
列車を乗り継ぐ 旅路の駅にこころ迷わす 春の花似合うと貴方に 褒められた口紅色した 紅水仙よ愛していりゃこそ 身を引く恋はなおさら荷物が 重くなる小さな指輪も 外してみれば軽さ寂しい くすり指幸せでしたと 口紅で鏡に残した 走り書き暮らした月日は 短いけれど笑顔でめくった 夢暦急げば間に合う 乗り継ぎなのにわざとひと汽車 遅らせる戻っちゃだめだと 叱るよに小さな首振る 紅水仙よ未練に負けたら 貴方
惚れちゃならない 人を好く女の弱さよ 哀しさよ信じて夢見て また泣かされてうしろ見送る 倖(しあわ)せばかり路地の灯(ひ)揺れてる 裏町川よ言えば誰かを 傷つける言わねば心が 張り裂けるあなたがいけない 訳ではないの忘れられない 私が悪い夜風が身にしむ 裏町川よ人の心と 川の水流れてしまえば 戻らないはかない浮世の 哀しさ抱けばいつか身につく 諦(あきら)めぐせよ三日月浮かべた 裏町川よ