好いた女房に 三行り半を投げて長脇差 永の旅怨むまいぞえ 俺等のことはまたの浮世で 逢うまでは惚れていながら 惚れない素振りそれがやくざの 恋とやら二度と添うまい 街道がらす阿呆阿呆で 旅ぐらし泣いてなるかと 心に誓や誓う矢先に またほろり馬鹿を承知の 俺等の胸を何故に泣かすか 今朝の風
男命を みすじの糸にかけて三七(さんしち) 二十一(さいのめ)くずれ浮世かるたの 浮世かるたの浮沈みどうせ一度は あの世とやらへ落ちて流れて 行く身じゃないか鳴くな夜明けの 鳴くな夜明けの渡り鳥意地は男よ 情は女子ままになるなら 男を捨てて俺も生きたや 俺も生きたや恋のため
堅気育ちも 重なる旅にいつかはずれて 無宿者知らぬ他国の たそがれ時は俺も泣きたい ことばかり染まぬはなしに 故郷をとんで娘ざかりを 茶屋ぐらし茶碗酒なら 負けないけれど人情からめば もろくなるかたちばかりの おしどり姿ならぶ草鞋に 風が吹く浮世あぶれた やくざな旅はどこで散るやら 果てるやら泣くも笑うも ふところ次第資金なくした