雪の渡り鳥 — 三門忠司

合羽からげて 三度笠
どこを塒(ねぐら)の 渡り鳥
愚痴じゃなけれど この俺にゃ
帰る瀬もない
伊豆の下田の 灯が恋し

意地に生きるが 男だと
胸にきかせて 旅ぐらし
三月三年 今もなお
思い切れずに
残る未練が 泣いている

払い除(の)けても 降りかゝる
何を恨みの 雪しぐれ
俺も鯉名の 銀平さ
抜くか長脇差(ながどす)
ぬけば白刃に 血の吹雪