いま一度 もう一度 ただ一度君に逢いたい そればかり霧に駈け込む 空港のつきぬ怨みを そのままに濡れてかすんだ あゝ 滑走路馬鹿な娘(こ)よ 弱い娘よ 可愛い娘よ抱いて叱って やろうもの君をかくして ひっそりと泣いているやら 窓灯りひとつ揺らいで あゝ 空へ発つ遠くなる 薄くなる 闇になる君の心か あの翼凍りつくよに 立ちつくす僕の思いを 知らぬげに霧が埋(うず)める あゝ 滑走路
ネオンは巷(まち)に まぶしかろうと胸は谷間だ 風も吹く男ならばと 耐(こら)えちゃみたが恋の傷手(いたで)が 命とり涙がじんと にじんで来たよ俺もやっぱり 人の子かたかがひとりの 女のためと向けた背中で ジャズが泣く夜更けの風に 流され押されくぐる酒場の はしご酒いいよ いいんだ 今夜は呑もう呑めば辛さも 晴れようもの
サワーグラスに 落とした露はなんの男の 涙かよ今更どうにも ならない恋を夜が夜が未練に泣いてるだけさダスターコートに ひそんだ指輪それが明日の 夢だったなんにも言わぬが 可愛いい指にせめてせめて一度は捧げたかった霧の夜更けに 拾った恋を霧の夜更けに 棄てる酒あの日がなければ 涙も知らず赤の赤の他人でいられたものを
誰も知るまい 分るまい男ごころの 奥の奥くやし涙を さかなにうけてひとりこっそり 裏町の暗い酒場で 飲むわけはあんな女と 言い乍ら忘れかねてる 意気地なし恋にやつれて ただそれだけで一度飛び出た ふるさとへなんで行けようか 男ならやけで重ねた 冷酒が今じゃ真底 身に泌みる俺をすげなく 見捨てるような女なんかを 恨むより思い切るんだ この酒で
背かれたんだって フンそんな 恋なんて捨てっちまえ 捨てっちゃえたかがひとりの 女だぜ広い世間の 片隅でチョッピリ見てた 甘い夢ばかなばかな お前さあきらめたんだって フンいいぜ 恋なんて捨てっちまえ 捨てっちゃえ男同志で 握る手だ意見がましく 言う俺も死ぬほど辛い 目にあって耐(こら)え 耐え 来たんだ悲しいんだって フンだから 恋なんて捨てっちまえ 捨てっちゃえ若い俺らは 先があるきれいさっぱ
ながながお世話に なりました悲しいけれど 今日限りあなたの側を 離れます後は何んにも 何んにも言えませんさようなら ふるさとさんさようなら涙をみせて ごめんなさい夕焼け雲を 見るにつけどこかに母が いるようで胸のつぶれる つぶれる想いですさようなら ふるさとさんさようならお便りきっと ねがいますはなれて遠く 暮らす日に昔の歌の かずかずをどうかそれでは それではご機嫌ようさようなら ふるさとさんさ
花はひとりで 散るものを風のしわざと 人は言う恋の終わりに 泣くよりも燃えてひとすじ 散ってゆくああ 花のよろこび だれも知らない花が見たのは 春の日の夢かそれとも かげろうか短いけれど しあわせな想(おも)い出だけを 抱いて散るああ 花のよろこび だれも知らない花の涙を 知らないで露のなごりと 人は言うまして汚れず 散ることのうれし涙で あることをああ 花のよろこび だれも知らない
風にさんさら 葦が鳴るともに俺らも 枯れる葦なまじ情に 棹さして泣いて流れるようこれが運命(さだめ)か 川育ち水に写した 角(つの)かくしそれが別れの しるしかよどうせ嫁いで 行くのならなぜに俺らのよう舟に涙を 置いて行く月にしょんぼり 枯れ落ちる葦も俺らも すたれものせめてあの娘の 便りなど棹にたぐってよう舟をささえに 生きるのさ
お休みなさい お母ァさん今日もお蔭で 無事でした軽く車の アクセル踏んでビルの谷間を まっしぐら唄って帰る ところですお休みなさい お母ァさんどうもお手紙 有り難うひとり暮しは 辛いでしょうねそれも夜学の 終るまで暫ししん抱 頼みますお休みなさい お母ァさんいちどこちらに 来ませんか金のかからぬ 東京めぐりバックミラーに そんな夢何時(いつ)もうつして いるのです
暗い灯影に さしうつむいて夜毎やつれる 横顔いとしむくな心を だまして逃げたあんな男があゝ 何故忘られぬ同じふところ 子守の唄を聞いて育った 兄ではないかわけておくれよ お前の悩みじっと黙ってあゝ 見ている辛さ胸に刻んだ 面影ならば消せと責めても そりゃ無理だろな判る判るぜ 何にも言うなせめて一緒にあゝ 泣こうじゃないか
ひとり生きれば 都もさびし暗い露地裏 仮の宿思い出しても かえらぬ夢に更けて涙の 星が散る忘れたいのに まぼろし浮かぶいまは人妻 遠い君思い諦(あきら)め しあわせだけを祈る心が なぜ痛む古い手紙は 読むさえ悲しどうせはかなく 消えた恋思い出すほど せつない胸に吹くな都の 夜の風
うそじゃないんだ 男のこころ花の咲く日を 待ってておくれ命も要らぬと 決めた恋なんでこのまま 忘らりょか夢で呼ぶんだ 逢いたい時は何処へ行こうと 思いは通うこの世に一人の僕の妻いつも祈るよ 幸せを花は咲くんだ 春さえ来れば力落さず 待ってておくれ別れて居たとて 燃える胸抱いたおもかげ 放さりょか
夜の闇ゆくヘッド・ライトにはねありの散る札樽国道君と肩かすかに ふれてあゝ赤い小樽の 灯が見える姿うるわしテイネの山の影迫りくる張碓峠君の手の熱き言葉にあゝ赤い小樽の灯が見える飛ばすこの道80キロの夢のスピード頬をよすれば君なくてなんでこの世があゝ赤い小樽の 灯が見える
君の名を呼び 仰げば悲し谷川岳の 茜雲あーしみじみと うつろの胸に涙を誘う 風が吹く尾根の夕月 侘しく遠く心は傷(いた)む 登山口あーおもかげは 瞼に消えず木隠れ鳥よ 何を啼く叫べど帰らぬ 君故悲し谷川岳の 道標(みちしるべ)あーさむざむと 嘆きをこめて今宵も降るか 山の霧あーさむざむと 嘆きをこめて今宵も降るか 山の霧
酒を浴びたよ あの娘(こ)のために好きなもんかと 悪たれついたどうせ どうせどうせ一緒にゃ 暮せぬ俺のこれがせめての 贈りものすぎた夢だよ 小さな夢も渡り鳥には 倖せすぎたもしも もしももしもこのまま 情に負けりゃ末の涙が ますばかり背(せな)を向けたよ あの娘(こ)のために死んだ気持で 夜道をかけたいいさ いいさいいさいいんだ なかずに独り消えてみせるが おとこ星
夜の都に 降る雨は恋の涙か むせび音か男ごころに しみじみとなぜか昔を 思わせるひとり今宵も 裏町の暗い酒場で 酌む酒よ胸の痛みに しみじみと沁みる思いの やるせなやなまじ情が 仇となる恋の涙か 夜の雨つきぬ歎きに しみじみと更けて巷の しのび泣き
春の息吹に 目覚めた大地水あふれ 川になり 音になり草木を飾り 地を走る季節を刻(きざ)む 歌が聞こえる全ての生命(いのち) 夢の大地よ地球を護る 無限の力太陽(ひ)が昇る 海も陸(ち)も 豊かなり年輪(とし)を重ねて 止めどなく自然の愛は 耐えて応える全ての生命 夢の大地よ大事(こと)が起きれば 戦(おのの)くばかり天(そら)も地も 逆らうは 愚かなり生きる者々(ものもの) ひたすらに自分(おの
流れの岸の 白百合も風にそよげば 影さびしあの日の恋の 語らいを思い出させる 千曲(ちくま)川あゝ 哀愁の 水の音心に秘めて 呼びかける君のおもかげ なぜ遠いあの日の恋を まぼろしにひとり佇(たたず)む 千曲川あゝ 哀愁の 茜雲(あかねぐも)涙で見れば 夕空の山のけむりも 眼にしみるあの日の恋の 思い出が残る白樺 千曲川あゝ 哀愁の 胸痛し