何故か消えないまぼろしの君が心の花ならばふるな都の夜の雨更けてわびしく懐しくにじむ涙に たえらりょか恋も命も泣きぬれて風に散りゆく夢ならばふるな都の夜の雨思いあきらめ一人抱く胸のいたみに たえらりょか何故か忘れぬ面影の君が心の星ならばふるな都の夜の雨涙かくして片恋を明日のゆくてに 耐えよもの
空をはるばる流れゆく雲にもにたる恋悲しのせしちかいもあの夢も風はいづこに消えるやら哀れ十九の春はゆく香る野の花つみながらたどる小路は愛の道幹にきざみし文字あとの残る嘆きを君知るや哀れ十九の春はゆく去りて帰らぬ若き日の清き乙女の思い出よ胸をぬらしてふる霧(きり)の晴れる明日(あした)のあるものを哀れ十九の春はゆく
夜の銀座は 七いろネオン誰にあげよか 唇をかりそめの恋 ああ 虹の恋ふと触れ合うた 指かなしどうせ売られた 花嫁人形胸で泣いても 笑い顔かりそめの恋 ああ 虹の恋まぼろしならぬ 君欲しや金の格子の 鳥籠抜けて飛ぶか心の 青空へかりそめの恋 ああ 虹の恋夜風よ吹くな やわ肌に
淋しくなれば モン・シェール想い出のランプに 灯をいれて過ぎし日の たのし夢くりかえす わたし貴方は いつかきっとこの胸にかえる逢いたくなれば モン・シェールあの空にまたたく 星を呼びなつかしい 面影のあとを追う わたし貴方は 今はどこでこの星を見てる泣きたくなれば モン・シェールマロニエの花咲く 街に来てあてのない 幸福(しあわせ)を待ちわびる わたし貴方は いつか逢ったこの街にかえる
なぜに燃えるか 女のこころどうせかなわぬ この胸におもかげばかり 影ばかり あゝうかぶまぶたの やるせなや やるせなや恋は火の鳥 生命(いのち)のかぎりとべよ君住む あの空へおもかげばかり 影ばかり あゝ抱いてこの世が 生きらりょか 生きらりょかひとり諦め かなしく消える星の運命(さだめ)か 身の果はおもかげばかり 影ばかり あゝ偲ぶ心の やるせなや やるせなや
夜の街角流れて消える唄は涙のブルースよ一人もえれば吐息も悲しあゝ更けて淋しくかえる影逢えぬ人ならあきらめましょうかくらいひとみに霧がふる思い積もればまぼろし悲しあゝなぜか今宵も浮かぶ影すゝり泣くのかネオンの色も涙よぶよなブルースよ一人かえればペーブも悲しあゝ夜の街角むせぶ影
忘りょとすれば なおさら恋しまぶたに浮ぶ 影いとし君よその手を 今一度私の胸はもえている もえている移り香消えぬ あの夜のたもと涙でだけば 夢悲し君よその手を 今一度私の胸はぬれている ぬれているすてねばならぬ 思い出なのに夜も日も浮ぶ まぼろしよ君よその手を 今一度私の胸はよんでいる よんでいる
きりの深い夜だったキタイスカヤの街かどで涙乍らに別れたラーニャ ラーニャいとしのラーニャ今宵いづこで 泣いているやら忘れられないその名よ ラーニャいとしのラーニャ夢と消えた恋だった赤いオゴニカ抱きしめて泣ける思いで別れたラーニャ ラーニャいとしのラーニャめぐりあう日は いつの事やらかわいひとみのその名よラーニャいとしのラーニャきりの深い夜だったセントポールの鐘(かね)の音が胸にきざんで別れたラーニ
ネオンの小路(こうじ)を流してくギターも切ない恋の唄あゝゆううつでたまんない夜だわようやく忘れたあの人を思い出させて泣かす気か冷たいガラスにほゝあてりゃ夜霧の白さに更ける街あゝゆううつでたまんない夜だわあてにもならない約束にすがる私の身になって探してみたとて星もない心のすき間と同じ空あゝゆううつでたまんない夜だわけしてくそばからうかぶのはみんな悲しいいやな事
可愛いイーシャン 珊瑚の耳輪ギヤマンコップに 金の酒海の祭りの ドラの音聞けば明日の別れが やるせない長崎長崎 夢の港が忘らりょか花のランタン 見果てぬ夢にエキゾチックな 恋の唄あれは胡弓か 愁いを秘めて唄う乙女の 求恋歌(きゅうれんか)長崎長崎 夢の港が忘らりょか海の夕月 眺(なが)めて踊るチャイナタウンの 紅(べに)の窓泣いているのか 前髪揺れて繻子(しゅす)の小靴も 乱れがち長崎長崎 夢の港
港の風が 涙の胸にしみるよ切なく やるせなくバイバイ バイバイ走り行く船を 鴎なぜ呼ぶあゝ 泣きながら思い出だけを 心に残し走り行くあの人 いつ帰るバイバイ バイバイ見送る波止場 切れたテープのあゝ悲しさよなんにも言わずに 波間に流す涙の花びら 胸の花バイバイ バイバイ泣くなよ鴎 どうせはかないあゝ恋ならば
諦めましょか 捨てましょか心のかげも 思い出もどうせ徒花(あだばな) 咲かぬ身なら散れ散れ夢よ 惜しみなくだまってかんだ 唇にあの夜の君よ なぜ浮かぶどうせ逢うなら 哀しい願い散れ散れ夢よ 惜しみなくひとりで書いて ひとり消すまぼろしゆえに なお淋しどうせ叶わぬ わが恋ならば散れ散れ夢よ 惜しみなく
振り向けば 振りかえる忘られぬ人よ 別れの辛さはぐれ鳥 旅の鳥泣かずに おくれどうせ涯ない 旅路なら今別れ いつ逢えるあてもない人よ はかないえにし流れ雲 ちぎれ雲泣かずに おくれどうせ涙の 運命(さだめ)なら声かぎり 呼べばとて帰り来ぬ人よ 別れはかなし日暮れ星 一つ星泣かずに おくれどうせ二度ない 夢ならば
離さないで今一度何も言わず抱きしめて海に青い霧が降るゆらゆらとゆれながら三本マストいる港つらいけれどただ一人泣いて待ってるわ望むままになるのなら別れないで暮したい暗い船の灯がともるゆらゆらと頬寄せて三本マストいる港さよならまた来てねじっと待ってるわ忘れないで 消さないで強い胸にいつまでも海のむせび寄せてくるゆらゆらと霧の中三本マストいる港思い出して変らずに一人待ってるわ
青い海には 白い船港の丘には 赤い屋根君と来た日の 思い出がそのまゝ目に浮かぶ 懐しさあゝだけど だけど私は独りぼっちなのよ赤い屋根には 風見鶏誰かを待つように 沖見てる君と来た日の 思い出にそのまゝ何もかも 同じなのあゝだけど だけど私は独りぼっちなのよ
空のかなたに涙ぐみ青いスバルよ何なげく見はてぬ夢の切なさか叶わぬ恋のため息か窓にもたれて恋になくあわれ我身とあの星か別れのあの日白樺にきざんだ夢が忘られぬ月よ輝けはるかなる山の海辺のあの丘に今宵も夢で逢いにゆく私は恋の片羽鳥
吉井川からわき立つ霧はなぜに心を濡らすやら泣いてくれるな 波止場の千鳥赤いネオンが ああ今日の夢呼ぶ西大寺裸灯りのあの灯の陰でちらと見染めた 愛(いと)しい人忘れられよか 会陽(けいよ)の夜を恋のごしんぎ ああ誰が呼ぶやら西大寺人をとるこも かみつく人もみんな可愛い 街の花誰を待つやら 平安橋の橋のたもとで ああ歌うブルース西大寺
まぶたとじれば まぶたに浮かぶ思い出恋し 影いとし命かぎりに 呼べばとて君は答えず ああ雨が降る祈る 三百六十五日別れた人よ なぜ逢えぬ鐘が鳴る鳴る ニコライ堂ひとり泣けとか ああ雨が降るたもと重たい 花嫁衣裳泣き泣き着れば なお悲しぬれた瞳に まぼろしの君はいずこか ああ雨が降る