下駄の鼻緒が 切れたとき白いハンカチ 八重歯で裂いてだまってすげて くれたヒトあゝ くれたヒトおねえさん~ はつ恋屋敷町そのあとぼくは オトナになりました三月一日 花ぐもりでした風邪で早引き した夕暮れ庭の紫陽花(あじさい) 切り花にして格子にさして 行った人あゝ 行ったヒトおねえさん~ 雨傘水たまりあのあと何故か 逢えなくなりました六月九日 梅雨(つゆ)さなかでした上り列車を 待つぼくに春にお嫁
母さんの好きな歌涙の味がする幼い日 子守唄明るくやさしい 声枯れた僕を育てる 苦労にそまり母さんの 好きな歌涙色して 悲しいなあ母さんの笑う顔淋しい影がある幼ない日 頼よせたきらきら輝やく 目が消えた僕を守って 力がつきて母さんの 笑う顔泣いている様で つらいんだ母さんの明日(あす)の夢必ず咲かせよう幼ない日 胸の中話した幸福(しあわせ) 叶えよう僕にすがって いついつ迄も母さんの 明日の夢きっと
同じ散るなら いさぎよく花と散りたい この命燃える炎に つつまれて我は男の 夢を見る主は謡う 主は踊る主は謡う 主は踊る幸若舞の 幸若舞の 敦盛を細いもとどり 前髪をほどく泪の ひとしずく鳴るは寄せ手の 陣太鼓我は男の 声を聞く主は謡う 主は踊る主は謡う 主は踊る桜吹雪の 桜吹雪の 本能寺たとえかなわぬ 戦(いくさ)とてのちに伝わる 名を惜しむ弓矢とる手は 細けれど我は男の 道を往く主は謡う 主は
逢いに来たかよ松原越しにヨー博多通いのアレサ夜船の 灯が見える灯が見える恋の夜船は夜の間にかえせヨー明けりゃ仇波アレサ浮名の 波が立つ波が立つ波も荒かろ玄海あたりヨーかえしともないアレサ未練の 船じゃもの船じゃもの
死ぬほど好きと 今はただ叫んでみたい あなた過ぎ去る人は もう白く冷たさだけが光る雪よ降れ降れ想い出連れて幸せ薄い私でも泣くことだけは辛い雪が そして過去が哀しみを 連れてくる愛していたと 今さらにこぼれて落ちる涙かすかな希望(のぞみ) 抱きしめた私も悪いけれど雪よ降れ降れ想い出連れてあなたのために生きてきた私に死ねと言うの雪が溶けて 春がすぐそこまで やってくる雪が溶けて 春がすぐそこまで やっ
さよならね さよならと別れ道まで来たけれどこの指がはなれない何故なら恋だもの灯りが見えるわ あの部屋にあなたを待ってる 影がうつるわ明日(あす)また逢えると 涙ぐむわたしいつまでも いつまでも忘れないわと眼を伏せてただ独り帰るのよ何故なら恋だもの泣き顔なおした 水たまり知ってる人にも 顔をそむけて切ない想いに 耐えているわたし哀しいいたずら 別れぎわあなたはこよりの 指輪をくれたはかない夢でも わ
渡された傘の柄(え)に 温もりが少し残る送られて外に出たら 今夜も雨模様泊まっておゆきの ひとことを聞きたい私の 気も知らず肩を押す~ 好きなひと振りむけば物陰で 白煙(しろけむり)タバコひとつ送られて足が重い 巷の灯が赤い今にも泣きたい この心耐えてる私の 気も知らず指を振る~ 好きなひとすれ違う人はみな 倖せな顔をしてる送られて独り帰る 夜道はまだ長いも一度お側に 廻れ右したがる私の 気も知ら
たそがれが あの窓におりて来てカーテンをむらさきに そめている坂道の あたりまで出迎えに行こうかと手を休め ふと思う彼と くらしているこの部屋でいつかは泣く日が 来るだろうかカタカタとサンダルを 踏みならしバスが着く時間見て 走り出す街の灯を 肩寄せてみていたらこの人は何だろうと 感じるの一年が 過ぎたのにまだ彼は誰にでも妹だと 話してる彼と くらしているこの部屋でいつかは泣く日が 来るだろうかポ
安物でいいからと 指環をねだり今朝も小さな いさかいをしたそんなものつまらない 見栄だと叱りぷいとどこかへ あなたは消えたもしもこのまま 帰って来なければそれはそれで 仕方ないでしょう寝転んで見渡した ガラス窓の隅にめずらしく青空が 小さく見える指環など本当は ほしくはないがなぜか一言 からんでみたのこんなにももつれ合う 結果になると誰があの時 考えたでしょうもしもこのまま 終わってしまうなら愛は
この千羽鶴は 千粒の涙……愛の願いも途絶えた今北の海に流しますさよならそえて 流します潮騒かすかにひびく 暗い夏の海で一人泣きその悲しみを一片(ひとひら)また一片(ひとひら)たたんで作った 千羽鶴つのる想いをこたえて泣き北の空に飛ばしますさよならそえて 飛ばしますあなたをお慕(した)いすればほほに紅がさして しまうのにそのほほ紅も一粒また一粒こぼれる涙に 消されます夕凪静まる浜で あなたの想い出を
昨日買った水差しを ベッドに置いて枕カバーもとりかえて湯かげんもみたわ鏡にむかって 香水ふりかけあなたをむかえる 夜のうす化粧時計の針ばかりを 見つめては息をひそめ あなたを待つのドアの外に足音が 聞こえるたびにすねた顔をつくるけど通りすぎてゆくワインにほんのり 染まったこの目であなたに抱かれる 夜のうす化粧今夜は乱れそうな 気がするの髪をとけば 紅さえにおう氷もとけたわ スープも冷めたわあなたに
細い眉を なお細くして好きよ好きよと すすり泣く麻衣子 麻衣子よ愛しい麻衣子いのちを賭けても かわることなくああ 抱きしめていたい白い肌を うす紅(くれない)に染めた今夜を 忘れない麻衣子 麻衣子よはじらう麻衣子おくれ毛かきあげ 鏡に向かうああ 離したくない人逢えばつらい 別れがつらい愛の名残りが からみつく麻衣子 麻衣子よきれいな麻衣子ふたりで暮らせる 夢をみながらああ いつまでも愛を
ふるえる胸を 君だけに触らせたいの 恋ごころ君の心がほしいのさ愛のささえがほしいのさ花には水が いるように僕は結ばれる 時を待つあふれる泪 君だけに飲ませてみたい 恋ごころ君の命がほしいのさ愛の力がほしいのさ鳥には羽根が いるように僕は結ばれる 時を待つ君の全てがほしいのさ愛の光がほしいのさ夜明けの陽の出 待つように僕は結ばれる 時を待つ
白いから 好きでした野菊の花が似合うから 好きでした見えるでしょうか あの頃がわかるでしょうか 今のあなたに覚えています 名付けていますあなたと過ごした青春を白い時代と 名付けています笑顔と涙の青春を白いから 好きでした野菊の花が誰よりも 好きでした白いから 消えました野菊の花は雨の日に 消えましたあるのでしょうか あの頃がないのでしょうか 今のあなたに覚えています 名付けていますあなたと震えた青
君だけが女ではないし僕だけが男ではないし なんて最近こんなこと 想うのです二人でも淋しさはあるし一人でも楽しみはあるし なんて近頃こんなこと 考えます君を抱きしめても 忍びこむこのすきま風は 何だろう愛だけがすべてではないし夢だけがすべてではないし なんて最近こんなこと 想うのです昨日など何のことなくて明日など黙っててもくるし なんて近頃こんなこと 考えます君を抱きしめても 忍びこむこのすきま風は
爪・ゆび・手のひら あなたの手疲れたからだを 寄せあってあなたの海を 聴きたいああ ことばで確かめる 愛よりもからだで確かめる 恋がすき爪・ゆび・手のひら 男の手どうぞ このまま 眠らせてだめ いや遊びよ あなたの手逃げても逃げても くりかえすあなたの波に 溺れたいああ やさしくつつまれる 愛よりもはげしく憎みあう 恋がすきだめ いや 遊びよ 男の手あなた背中で 眠らせてああ ことばで確かめる 愛
ラッキー・レディー・アンラッキーボーイどこにも よくある話ラッキー・レディー・アンラッキーボーイだけど はなれられないその時ぼくには 天使に見えたのさ真赤なくちびる きらめくまつげすべてをつつんで すべてを許してあたためてくれるお前のことをラッキー・レディー・アンラッキーボーイそれからあとは アンラッキーボーイ夜ふけの酒場で二人で酔いつぶれしらじら夜明けが来そうな町へもつれて出たのは 覚えているけ
生れた時から みなし子で親の顔さえ わからずに夜に生まれて 夜に育った 女の姿嫌なお客に せがまれて男の枕に されながらつくる笑顔も 生きるため顔もわからぬ 親ならばいっそ生まずに いてくれりゃ夜に生まれて 夜に育った 女じゃないさ強く生きても 逆もどり誰が私を こうさせた飲めぬお酒も 心のささえいっそこのまま 地の底でそっと静かに ねむりたい夜に生まれて 夜につかれた 女の姿夢に見ました しあわ
雨に濡れながら 立たずむ女(ひと)がいる傘の花が咲く 土曜の昼下がり約束した時間だけが 躰(からだ)をすり抜ける道行く人は 誰ひとりも見向きもしない恋はいつの日も 捧げるものだからじっと耐えるのが 務めと信じてる雨に打たれても まだ待つ人がいる人の数が減る 土曜の昼下がり約束した言葉だけを 幾度も噛みしめて追い越す人に こずかれても身動きしない恋はいつの日も はかないものだからじっと耐えるのが 務
あなたが帰る時 船を選ぶのなら私は名も知らぬ 港で待つわ冷たい霧雨に 躰を濡らし両手を すり合わせ 時間を待つわあなたの乗る船が 港に着いた時我身を ふりかえり 初めて泣くでしょうあなたが帰る時 汽車を選ぶのなら私は人気ない ホームで待つわ一番鳥が泣く 柱の影で心の準備して 時間を待つわあなたの乗る汽車が ホームに着いた時我身を ふりかえり 初めて泣くでしょう悲しい 待ち呆気 もうじき終るまっすぐ
道玄坂を 上(あ)がるたび忘れた恋が 下(お)りてくるひとつの傘に 寄り添って行(ゆ)き交(か)う人に まぎれゆくあの店も あの路地も 今はない想い出だけが 濡れている雨 雨 雨が降る 百軒店(ひゃっけんだな)に雨 雨 雨が降る 渋谷通り雨宇田川町の 路地裏で訳(わけ)さえ言わず 別れた日師走(しわす)の街は にぎわって流行(はや)りの歌が 流れてた愛しても 愛しても 愛だけじゃ生きられないと 知
めぐり逢っては いけないひとを好きになるのも 哀しい運命(さだめ)ほう ほう ほたる 秋蛍季節外れの 恋でいいあなたの胸に 灯(とも)りたいひとに言えない 寂しさ抱いて泣いて別れて また忍び逢うほう ほう ほたる 恋蛍(こいほたる)紅(あか)くひとすじ 紅(べに)の跡愛しい肌に 残させて草の褥(しとね)に ふたりで堕ちて堕ちて死ねたら しあわせなのにほう ほう ほたる 秋蛍せめて一日 あと一夜(ひ
母になれても 妻にはなれず小さな僕を 抱きしめて明日におびえる 細い腕円山 花町 母さんの涙がしみた 日陰町母の姿を 島田で隠し病気の僕を 家におき作り笑顔で 夜に咲く円山 花町 母さんの苦労がしみた 日陰町母と言う名の 喜びさがし静かに僕を