すべてを見透かしたような 止り木からの微笑長い眠りから醒めて ゆめうつつの調べ 凍える身なり つれない惑星 途方に暮れる不意の始まり ひとりぼっちの旅 夢の中で見た夢の 僕らなら上手く踊れた砂の上の城から そろそろ出て行く頃か 気高い天井画に 惚れ惚れとしてる間にすれ違った人は あなただったのかも 手を伸ばしても 触れられないのは手を伸ばしても 届かぬ距離だから 夢の中で見た夢の 繋ぎ目を見失いひとりきりの
騒々しい虫の声と薄明かりの帰路肩を透かす風は 掬うように塵舞い上げ 積もり積もる時の中で草の薫り 煌めく粒を君の見てる前で くすねて旅を図る 知らずの庭で 眠れる星回り揺れる身体を 抱きしめる街へ 肌に触れた 冷たい気配の生まれた場所も 知らないままで雲に隠れた月の光さえも味方につけられるなら どこか煙たい車を追った街の騒ぎは思い出せない 窓を叩く風は捻れて かき立てた不安を置いて 次へ躊躇わず しなやかな
はっとした拍子に思わず手を滑らせる大丈夫と見過ごして気が付けばただ浮かれてた 飛び散った欠片をひとり集めていつのまにか切れた指の傷を舐める 遅れてくる孤独と痛みが「迂闊だったな」と嘲るようだ酔いも醒める 壊れたカップの代わりは見つかっても絆創膏濡らす度 開いた傷口が笑う後悔したってもう取り返せはしないけど忘れられやしないってこうあなたの傷がいたんでは お喋りな口も気づけば塞がって名残惜しさの形さえもぼやけ
折れた翼を畳んで旅に出て 久しくなるなあ見栄ばかり張っていた頃をなつかしいと思えるくらいには 木々が見下ろす角度で  僕のこと噂している顔を出すまばらの空が 揶揄うような微笑を浮かべた 埋まらない鼓動 必要な休息裏返しの羽をなおしてただ上昇 少しでも高く 深い森の合間から 見上げた世界には凛々しくまっすぐ 飛ぶ鳥がいたつらい冬もきっと しんと乗り越えていたんだな君にだけ見える景色があるんだろう 夜半の特異
碧い その水平の中で鱗 芽吹かせ 冷えた 底の底まで決して 泡を吐かずに コンクリートに気を取られて戻ろうとする あの日の僕にすがりそうになる それでも 飛び込むいびつな世界でも意味のない胸騒ぎも 忘れるくらいに見えるもののその先へ 痛み 感じない体を得る怖さ耐えられる? それでも 泳ぐ濁った世界でも古ぼけた青写真は モザイク画になって見えたもののその先へ 流線形の自分になるまで
ていねいな暮らし 細やかな装丁手に取るほかないじゃない 一つ一つ めくるページには向かうところがあるものよ 然るべき 別れなのだ残された黄昏をあげる
翼が生えたぼくたちの形見の羽根さえ遥か彼方 気づかぬうちに年老いて濁った眼では見えそうもない いつかのピーターパン追いかけてみたら鳥のように また 小さなタンク機関車の車輪がくれる花びらの薫りは手まねきしているぼくたちをセピアに塗って映しだす あの丘の頂上で 見渡せばなくした魔法 取り戻して君の笑顔も 天然色で 甦る 記憶のコラージュの波にさらわれて歪んで 元に戻って いつもの道を また 歩くよ 欅並木に涙が伝
素晴らしい夜に 止めどない拍手を 露を乗せた葉っぱがはね返すひかり雲間から月が顔を出した 同じ釜の飯を食うでもなく過ごしてきた人と同じものをうまいと言える うそかまことかわからない 大口を叩いて笑う湿り気さえも心地よく 夢でも見てるみたい 騒がしい会話をものともせず鼻の穴を闊歩する焦げた幸せの匂いだよ 風が擦れる音も 全部覚えてたいな うそもまことも交わって きょう懐古の種を蒔いた褪せた思い出も それはそれで
時代と時代のちょうど隙間で 新しい夢ができました 長い梅雨の入り口 ちょうど手前辺りでなんだかよくわからなくなったようだ 様変わりした僕らの庭でひとりきり行方もなく歩くのさえ 悪いことしてるみたいだった 時代と時代のちょうど隙間で 新しい夢ができましたつぎの時代が僕らを乗せて 回り始めてもあなたの前で 歌えますように愛しい歌を
波の向こう 蹴り上げて跳んだ君とゆこう この眼で見たいよ 昨夜見た映画を もう一度見ていた忘れてしまったまままた裸足の夏を迎える 先を急ぐ 彼には見えない僕とゆこう しなやかに ムーンライト 追い風が誘う スピード上がってく見慣れた君の 新しい横顔ありふれたプライベート・エアポートからはまだ想像もできない 距離をゆく 星が見えれば 僕らは進める分厚い雲が 割れる夜を待つ 電話越しの声と白んだ世界よ触れてはい