輪郭 – キタニタツヤ

その輪郭をそっとなぞる
君の小さな背に浮かぶ
少し骨ばったような稜線
僕は息を止めている

青く血脈の透けたやわ肌
君の過去を語っているようで
それを僕はなぞっていく
君は息を漏らしている

今日で幾度めの夜か
数えきれないほどを越えた
でもきっとここでさよならだよ

愛していたこと 忘れてしまえたならよかったな
君のその輪郭は この指先だけが知っているから
僕らいつしか かりそめではいられなくなってしまった
二人で傷つけた互いの首筋から
ひとしずくの赤をこぼした

窓に差した薄い明かりで
目を覚ました僕はひとりだった
この部屋で目を覚ますのはもう何度目のことだろうって
昼か夕かすらわからなくって
枕に残った君の残り香を

君の吸いさしの煙草に火をつける

愛していたこと 忘れてしまえたならよかったな
君のその輪郭は この指先だけが知っているから
僕らいつしか かりそめではいられなくなってしまった
君が僕を忘れて誰かを愛せたなら
こぼれ落ちたひとしずくの青で
この夜を染めて眠りたいから