花束の幸福論 – カノエラナ

僕は君に花束を渡した
君は「…ありがとう」と照れた後に
「花は死んだ後も綺麗で羨ましい」と言った
「言われてみればそれもそうだな」と
なんとなく口を合わせた後に
鼻歌をこぼしたら「下手くそ」だと笑われた

土の中種まいて恋植え付けよう
大事に育てて盗られないように

君の左目に真っ赤な薔薇が咲いた
それはとても綺麗で僕は嬉しくなった
枯れないように如雨露で水を撒く
役目は僕がやる

真っ赤な薔薇はすくすく育って
腕や脚にツルが絡み付いた
食い込んだ棘が君の身体を彩っていく
「痛くないの」と聞いてみたらさ
「痛いに決まってる」と言った
「痛ければ痛い程生きてる感じがするなぁ」

大地に根を張って恋締め付けよう
茎から葉っぱを優しく撫でよう

太陽に背を向け愛を語ろう
下手だって不評な鼻歌歌おう
土の中種まいて恋植え付けよう
大事に育てて盗られないように

僕の右目に真っ黒な薔薇が咲いた
これでお揃いだと君は嬉しそうだ
枯れないように如雨露で水を撒く
役目は任せたよ
君の左目に真っ赤な薔薇が咲いた
それはとても綺麗で僕は嬉しくなった
枯れないように如雨露で水を撒く
役目は僕がやる