月光の下で – わかないづみ

誰も居ない川辺
噎せ返る様な夏草の匂い
落ちていく月 受け止める様に
水面が揺れた

貴方の未来が光り輝くように
私の記憶さえも消え行くの いつか

川の向こう 貴方の影が逆光して見える
流れの無い それは過去を思い出す
無い物を強請る私を許してくれないか
大丈夫 それでも私は一人でも立って歩く

レンガ造りのビルも
嗅ぎ慣れたあの部屋の匂いも
私の声を響かせない様
壁が受け止めた

二人の過去が 清算されるように
二人の記憶さえも 消え行くの いつか

川の向こう 貴方の影がもう見えないよ
流れの無い それは過去を思い出す
私にはもう 残された時間も無い
それでも このまま私は 一人でも立って歩く