リマインドブルー – じん

滲んだ帰り道 斜陽に凪いだ歩道
徐に歩調を速めて

遅れない様に 惑わない様に
視線に染まって
また流されて 離れていく

見えなくなっていく

浮かんだ八月に 祭囃子の音
瑠璃色に 霞んだ坂道

忘れない様に 零さない様に
頼りない記憶が ずっと瞬いている

今になって 思い出すんだ
君の歌った 「大人が嫌いな歌」を

青い影 笑い声 切なさも全部
夏枯れたままで 心に遺った

淡い未来の色も まだ解らない
あの日から僕らは 大人ぶったままだ

蝉時雨、追い掛け 行き着いた「今日」も
思い思いの色を 探してた「昨日」も

通り過ぎて行くよ 夕焼け空と一緒に

変わらない様に 離さない様に
結んだ手が スッと解けて

終わった八月に 二つ、影の模様
覚束無い記憶に ずっと佇んでいる

潤んだ目も 乾かさないまま
君は笑った 「さよなら」って 寂しそうに

片蔭り 通り雨 言えなかった想いを
つまらない言葉で 心に隠した

西明かりの色が まだ蘇る
空回りの僕らは すれ違ったままだ

苦笑い、繰り返し 知りすぎた「今日」を
思い思いの術で 「明日」に託して

通り過ぎていくのかな 勘違いと一緒に

解夏 噴井の音色
アケビ 線路 炎陽

噎せ返る様な
色めいていく様な

まだ僕はきっと 大人ぶったままで
掠れない気持ちを 抱えたままで

青嵐の音が 大人しくなって
夕涼みの歌が 懐かしくなった

青い影 笑い声 「さよなら」の季節は
繰り返すうちに 遠い過去になって

届かない処へ 遥か遠のく
残された僕らは 変わらないから

急ぎ足の帰り道も 蜃気楼になって
眩しくって泣いてた あの日に戻って

遠回りをしよう 昨日の僕と一緒に

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