柊の花 – さだまさし

宵闇の手探りの中でこそ
仄かに匂う柊の花
見せかけの棘にそっと隠した
その麗しくゆかしき花

その花の名前を呟くとき
美しさとは何かを思う
誰も居ない末の秋に咲いて
冬とすれ違いに行く花

愚かしい過ちの数々を
一つ一つ胸に並べている
あなたはそれでもこんな私を
許してくれるだろうか

終列車が鉄橋を渡る音
秋風の気紛れなカデンツァ
明日は木枯らしが吹くらしいと
遠い窓の灯りが言う

辛い夜を過ごすあなたに
いつか本当のさいわいを
届けることが出来ますように
私に許されますように

宵闇の手探りの中でこそ
仄かに匂う柊の花