回転木馬が廻る 君と僕とをのせて日曜日だけ僕の子供に戻る君の笑顔が弾むたがい違いに廻る 君と僕との木馬僕が上がる 君が下がる 君が進む 僕が遅れる昔 君のママと 深く愛し合いそして君が生まれた それだけは真実けれど愛だけでは どうにもならないことがあるんだ哀しいね 大人になれば君はすてきな笑顔で鳩に 手を差しのべているけど驚かしちゃいけないよ 空に帰ってしまうよ噴水のふちを歩く 君の危気な足取り赤
きみはその手に花をかかえて急な坂道(さか)をのぼる僕の手には 小さな水おけきみのあとにつづくきみのかあさんが眠っているささやかな石のまわり草をつみながら振り返ると泣き虫のきみがいた両手をあわせたかたわらで揺れてるれんげ草あなたの大事な人を僕にまかせてくださいきみがとても大切にしてた藤色のお手玉あれは昔きみのかあさんが作ってくれたものそして僕が大切にしてる日だまりのような人それもそっと きみのかあさ
白いキャンバスにひたすら 僕は自分を描いた並べた絵具と指先で 服を染め乍ら君は編物の向うで 僕を疑いもせずに優しい光の様にいつも微笑んでたあなたは 自分の信じたとおりに思い切り 自分を描いてください私はただその背中を見ているだけで幸せだから世界一の自画像 描き上げて下さいと言ったそんな君の美しさに 僕は気付きもしないであやうくかけがえのないものを 見失なおうとしてた何を描いたかではなく 如何にして
悲しい蒼さの 広い大空を小さな鳥が一羽 海を目指してる鳥を撃たないで 約束の町へひたむきに羽ばたく夢を消さないで誰もが時の流れに 傷つき疲れ あきらめそしていつしか生まれた時の 溢れる程の愛を見失うこの町がかつて 燃(も)え尽きた季節(とき)に私達は誓った 繰りかえすまじと生命を心を 奪い去ってゆくちからも言い訳も総て許せない私は祈る以外に 知恵も力も 持たないけれど短い花の生命を ささやかなこの
故郷 遠く離れひとりで 君を想う忘れ難き 優し微笑は色褪せずに いますか
抱きしめて あなたの手の ぬくもりの 記憶へその道を 辿り辿って あなたに会いたい抱きしめて もう一度だけその笑顔を 忘れないように月影に 揺れる思い深く深く 胸に刻んでもう二度と 悲しみに 泣かないと 誓ったその道を 巡り巡って 笑顔に 会いたい抱きしめて この笑顔を守り抜いて 曇らせぬように星影に 届く願いいつの日にか しあわせにもう二度と 悲しみに 泣かないと 誓ったその道を 巡り巡って 笑
忘れられない ひとがいる青春のきらめきの彼方にその人は 季節はずれの薔薇のように今も鮮やかに密やかに咲いてるたとえば あゝ 雨の中を濡れて歩いたそのひとの泣き顔の ストップモーションおそらく あゝ 一杯のスープ分け合うようなささやかなぬくもり 求め合う恋だった別れの理由を思い出せないあれ程 熱い恋も知らないその人が 仮に僕を忘れてもあの恋を忘れることはないだろうたとえば あゝ 雨の中で愛と憎しみが
ワイングラス片手に 酔った振りしてあなたオレンヂ色に溶ける夕陽 危気なシルエットあの人が留守だから いけない風が吹いてMUSKの香り イヤリング揺らり バニヤン樹に白い月僕の胸に頬を預けため息などついたりして遊び上手な あなたはもう僕との別れを考えているね我儘な人だから 気紛れに恋をするあなたにとって 一体僕は いくつ目のスペアキイ僕の背中を抱いた 体温が熱いねブレスレットに写るときめき バニヤン
父の手に背伸びして歩いた道叱られて泣きながら走った あの道留守番に耐えかねて母を待った道土産持つ祖母の胸に跳び込んだ あの道今更に懐かしい あの頃を今 遠い町でひとり想うまだ天使だった私を道は 憶えているかしらふるさと 離れて はないちもんめふるさと 恋しい はないちもんめ放課後に初恋を眼で追った道草野球 夕焼け ともだち あの道卒業の熱い胸冷ました道胸張って町へ出る時 ふり返った あの道今更に遠
死んだ珈琲 挾んだままで外の信号の変わる数をテーブルに映る 黄色で数えてついでに想い出も数えて忘れかけてた 君の癖がこんな時にふと目についたりして懐かしいものと 出会った気がして笑ったら君は怪訝な顔をするもう 明日は第三者信じるものさえも 違う異教徒になる一度は 同じものを信じた二人が奇妙にも 見知らぬ人になる日車のライトが 時折横切る前髪の奥の君の瞳には既に僕の 姿は消えて蝋燭の赤だけが揺れてる
父さんは指さして星座の名前を教えてくれた大きな心を持つように母さんは抱きしめて花の名前を教えてくれた優しい心を持つように忘れない どんなに遠く離れていても僕を育てた 碧い海緑豊かな 島影ふるさとわらべうた歌うときお下げ髪して 蓮華を摘んだ幼なじみを 思い出すあの人も あの友も祭囃子の あの音も夕焼け空も そこに在る忘れない どんなに遠く離れていても君を育てた 蒼い空澄んだ川のせせらぎふるさと忘れな
ひとしずくの雨が いつか海になるそんな風に愛を育ててゆけ地平線から朝日が昇るように君は しあわせになれ言葉少なに 君は大切な恋を語る君のその唇は つつましく紅に染まるどこか眩しそうに まばたいた黒い瞳は不安と喜びと とまどいの重なり合う色君に贈るのは 君の中の勇気いいかい答は いつも心の中にあるはばたく鳥が蒼空に消えてゆくそんな風に君は旅立ってゆく季節の花が静かに薫るように君は大人になる君はいくつ
なんという こともなく 行き過ぎて 行き戻り懐かしさ 抱え込み ドアを押す 喫茶店片隅の 昔のままの テーブルに 席をとる気がつけば 昔のままの 傷と染み 遠い日の影ここで 何人の 人を待ち 待たせたことかここで どれほどの 語らいを 重ねたことか不安と憧れ 期待と退屈 若さと混乱いろんな 名前の 小舟たちそのコーヒーに 浮かべていたよなんという こともなく 肩越しに 降りかかる華やいだ 笑い声 
誰か僕のとても大切な あいつを知らないか生まれてから今迄ずっと あいつを捜してるふちの欠けたのや 傷だらけのや そんな奴じゃなく大きすぎない 小さすぎない 僕にふさわしい奴とても気紛れなあいつ近くにいても届かない「まんまるなしあわせ」と呼ばれてるあいつを知らないか誰も傷つけず 傷つけられずに 生きてはゆけないか悲しませずに 苦しませずに 生きてはゆけないか上手すぎずに 下手すぎもせず 生きてはゆけ
古い桜が咲かせる花は決して古い花ではないように古い時計が刻む時間は決して古い時間じゃない長い間僕の胸の中で時を刻む 古時計山を谷を河を越えて道無き道を生きた胸のときめき忘るる無かれ早鐘を打ったあの夏の日本当の花は実はこれから生命短し恋せよ乙女古い桜が咲かせる花は決して古い花ではないように古い時計が刻む時間は決して古い時間じゃない使い古しの古時計ちょいと疲れてきたけれどささやかな生命の営み抱きしめて
桜月夜の二年坂 薄紅色の風の中祇園あたりははなやいで 酔人達の歌の中藍の浴衣の君の手をひいて人混みさけながら枝垂れ桜を抱くように月に隠れて君を抱く見えるものより見えないものを求めつづけた二人なら明日もなければ過去もない今宵限りがふさわしい世に永遠のないように 儚き夢は風の中花見小路のきらめきも いにしえ人の歌の中紅い花緒の塗り下駄の音も消される東山せめて一夜の恋にだけ溺れていたい春の夜見えるものよ
あなたが故郷を愛すように私は愛されたい愛されたい私が故郷を愛すようにあなたを愛したい愛したいそこに生まれ育った私あなたと見つけ育てた愛あなたが故郷をしのぶようにあなたの面影をしのぶ私山や海がいつまでもあるようにあなたの愛もいつまでも私が故郷を忘れないよいにあなたを離さない離さない
恋と呼ばれる一過性の発情症候群に於けるその発病及び傾向と対策について考える年齢 性別 職業 ツベルクリン反応 郵便番号の如何を問わず 凡そ次のとおり開き直らねば何もできず ただ暗く爪をかみ目が点になってため息ばかりの A型他人のことなど考えられずに 大切な花畑平気で踏み荒らしてヒンシュクをかう B型今日と明日では自分同志で意見が分かれて熱し易く冷め易い AB型その内なんとかなるんじゃないかと思って
あなたの嫁ぐ朝 始発列車に乗って僕は青春から出来るだけ遠ざかる年上のあなたには初めから僕の手の届かない愛が居た200マイルも離れた 名も知らぬ駅で降りようそしてむかしあなたの為 作った歌 唄おう教会の鐘が鳴り響く頃お別れに一度だけあなたの名を呼ぼう花をちぎれない程 やさしい人に恋は無理よとあの日あなたは言った恋の上手な人たちは少し意地悪僕の胸を吹き抜けたあなたの吐息200マイルも離れた 名も知らぬ
空港の長い回廊を 君の肩さえ抱けずに途切れ途切れの言葉で 時はゆく 28番ゲート折りから風に吹かれて散る 虹の木の花びらがまるで遠くで雨の降る如く キラキラと光ってた「逢わなければ」と僕が 何気なく独白けば「逢えたから」と君は 小さな声でさえ切り乍らあふれる涙拭いもせずにそれでも眩しそうに笑ったそしてお互いが想い出とすれ違うのをみつめあっている足早に去る僕の背中に君の声「ALOHA MAHALO」
あなたの向うであの人があなたの片手を強く抱きしめているこのまま私が手を離さなければあなたの腕がちぎれてしまうそれが辛くて手を離すそんな愛し方しか出来ずに ごめんなさいForget me not 私の誕生日にあなたが種を植えた忘れな草Forget me not 今朝方ひとつめの小さな花が咲いたばかりあなたを私より愛する人はないそれだけは自信があるけれど私よりあなたに愛される人ならどこかにきっとあるか
洗濯物に囲まれて毎日を過ごします下宿屋の娘ですおつとめと心意気レンガ通り抜けてゆくきらめきの女学生憧れてため息をつく日だってありますわでも ひとつだけ信じてた チャンスは誰にでも平等に与えられるはずですもの下宿屋のシンデレラ 物干台のマドンナオーデコロンはシャボンの薫りがんばった人にはそれなりの幸せがいつかきっと扉を叩く空に白い雲お伽話じゃこの後王子様が現れてめでたしの結末を迎える訳ですがわたくし
白鷺が一羽 一輪の白菊の様に汚れた河のほとりで 空缶に埋もれ静かに 水をみつめてるかくれんぼを知らない子供が増えたって誰かが話してたひとり暮らしの老人達が増えたって誰かがつぶやいた僕がこんな風にお前を抱きしめている時に何処かで誰かが お腹を空かせて死んでゆくああ いつだって彼らを追いつめているのは僕だったそう そのくせに手を差しのべるふりするのも僕だったそれが時代の正体だと嘘を承知で笑える程に 大
ぬばたまの君が黒髪の 褥に貸せるこの腕の躰温も未ださめやらで 後朝の別離する侘びぬれど 恋は水無瀬川 君ならでみだるべくもなく振り向けば朝降る雪に 散りまどふ梅の白あはれ君に咲く愛は玻璃細工の花なりき手折りなば 割れるいとしさよその指を切る かなしさよ逢ひみての後の想ひこそ生命より深きものなれど現世の人は生まれ来て果つるまでただひとり足曳きの長き山道を君ひとりいかにか越ゆらむ振り向けば君が振る腕に
むかしあるひとに恋をしたとてもかなしい恋だったむかし そのひとが好きだった花は名もない花だった
あなたと歩いた黄浦江の散歩道(バンド)夜霧のガーデンブリッジふり向けばブロードウェイ・マンション淮山マ頭の汽笛はジャーディーン・マジソン南京路の新世界で観たプレミア・ショーの「風と共に去りぬ」そうキャセイホテルのバーがとても不思議だったジャズと軍歌の奇妙なハーモニー同じテーブルで世界中の不安と欲望が快楽のマティーニ飲み干した焼き栗の香りとライラックの花と四馬路(すまろ)の女達の香水で満たされた町ひ
喫茶店のTVでは夏の甲子園準決勝の熱気が店のクーラーと戦ってる君は男は皆野球好きねと笑い大観衆の声援聞くだけで私は暑さがつのるわ負けた人は現在(いま)これを観ているのかしらそれともまた来年を夢みているかしらとソーダ水多分君は知らない「この次」なんて言葉に期待しない男は案外多いって事をね「ホームラン」と突然TVが叫ぶまた誰かの夢がこわれる音がする僕はふと君との来年を思う故郷ゆきのチケット二枚握りしめ
夢を夢で終わらせたくないと 君はこの町を出るちぎれるほど振るその指先が 芒にとけた秋の日野分き吹く安曇野(あずみの)に君の後ろ姿まだ明け染めぬ空に名残り月僕の愛を一包み 君の知らぬ間にその小さな荷物に忍ばせたそれに気付く程疲れた時は 思い出して梓川君は味気無きその便箋に 恋を覚えたと綴る山を染めた白が山葵の花に 色を移した春の日立ち昇る陽炎に君の面影を映してすぐに消えた忍草乱れ染めうつろいゆく そ
はるかなる雲南夢の西双版納(シーサンバンナン)母なるメ公河に抱かれて伝説を語れよ 溶樹(ガジュマル)達想い出を告げよ 黄金の仏舎利(バゴダ)蒼く澄んだ湖よ妖精のように娘らが水を汲み乍らくちずさむ雲南 響け唄声国境を越えて広がれはるかなる雲南最后の楽園(パラダイス)父なる山々に隠された幻の別天地(オアシス)よ百万の蝶と小鳥が冬を越す谷間よ春のあけぼのをついて百万の蝶が花吹雪の様に舞い立つあこがれの雲
事件と生理は忘れた頃訪れる実は突然あの娘が嫁にゆくというそもそもあの娘は俺達の憧れで例え自分が死んでも一緒に死のうと思ってたそれを馬の骨に 掠め盗られるなんてかなりゆゆしき事態 許すまじ暴力順番守れと 社会正義の炎仲間は集い怒りうろたえた(Congratulations)その時誰かふとつぶやいた(Congratulations)一番大切な事がある(Congratulations)もしもあの娘がそれ