都会じゃ田舎モンはちょと無口になる俺も昔拗ねたんでその辺はちょとわかる向こうだけ青空で良い感じの風が吹いて自分だけ土砂降りの雨ん中笑顔もへたっぴ 気遣いもへたっぴ一所懸命なのに極まりない不器用仕事も恋も手探りの闇でもがいてるお前の痛みはあの日の俺そのものふるさとの紅花(サフラン)の向こうの白い雲のような白楊(ぽぴゆら)の木陰で揺れる鞦韆(ふらここ)のようなヨセミテ公園の子鹿の瞳のようなお前の澄んだ
君が剥く梨(ありのみ)の香りの記憶二十世紀は遠ざかりゆく茅蜩(ヒグラシ)のかなかなかなと去りゆけば山の端に宵の明星忘れ色に舞う姫蛍桜の散るように一つ消え二つ灯してまた消えて誰もいなくなった音もせで思ひに燃ゆる蛍こそ鳴く虫よりもあはれなり夕去ればいつの間にやら機織女(きりぎりす)季節も恋も遠ざかりゆく暗幕を果物ナイフで裂く如く街の背に白い三日月胸の煙は消えもせず恋の名前を呼ぶ一つ消し二つ灯してまた消
お前はいくつも 大切な事を選べないで生まれて来た時代も国も 場所も名前もあげくは親さえも親がこうなので 顔も頭も余り期待はしないがいい血筋がああだから 才能の方もまずはあきらめろ強く明るく優しくたくましくそれが何より一番 それが何より駄目な親に 恵まれたのだからよりによってここへ来たのだからそれともお前は 全て承知の上でここを選んでくれたのだろうか落ち着きのない子だと 言われて育つだろう俺がそうだ
毎年あなたに 上手くだまされて驚いてばかりの APRIL FOOL泣いたり笑ったり すねたり怒ったりその度はじけていた APRIL FOOLどんなJOKEでもすまして笑わずに言えた人だったそのくせ大事なことは胡麻化し乍らでしか言えなかったかなしい程 不思議な人いつだって そうだった例えば 私に 愛を告げた時もそれから 別れを告げた時もAPRIL FOOL今にもあなたが 照れた笑顔で戻ってきそうな APRIL
この町で暮らす僕を 羨ましいと君が言うそれならこの町で一緒に暮らそうと僕が言った息を止めた君の向こうに白い雲が浮かんでた遠くで汽笛が聞こえて 君はこの町に来たああ ときめきが ふるさと沿いの道を潮風に吹かれながら ゆっくり歩いて来るああ いつの日か 愛を握りしめて君もふるさとと呼ぶ 青空の似合う町いつも夢見ていた 森を抜けて海へ続く小径を君と子供たちと 自転車で走ること金色に染まる海が見えるあの場
よく頑張ったねって言って欲しかっただけあなたが気づいてくれたら それだけでいいよく頑張ったねって褒めて欲しかっただけあなただけの為に きっと明日咲くから心に花の種を 抱いて人は生まれてきた誰の為に咲くのかは たぶん別の事としていつか咲くその日のために 今私が生きてることあなたに出会って 何故私が生まれてきたかが解った辛い辛い辛い辛い 心の闇を超えて耐えて耐えて耐えて耐えて 必ずいつか咲く花よく頑張
置き去りにした夢と昨夜街で出会ったそのとき綺麗な花が枯れてゆく時の悲しみが染みてくる匂いがした切ない記憶みたいにね置き去られた夢同士のドッペルゲンガーなんぞ毎日街のそこら中で起きていることさ老いぼれて落ちぶれた哀れな僕自身と僕とがたった今も すれ違ったばかりああ僕は幾つ君を傷つけてきたんだろうああ僕は幾つ君をがっかりさせたんだろう言い訳じゃないが僕には大切な夢だったのに君には嘘でしかなかったなんて
夢という名の 大きな帆の船は独りきりでは誰も 動かすことはできない今僕と君とが 出会うことから始まり信じあうことできっと 荒波を越えるだろうSAILING TOGETHERいま船出のときSAILING TOGETHER未来へ帆を上げよう君と僕で愛という名の 知恵とちからの風はぬくもりの中からきっと 吹いてくるだろう君は独りでなく 僕も独りではないつらいとき 淋しいとき暖めあえばいいSAILING TOGETHER
とてもちいさなこの町を僕は愛して暮らした疑う事もせずに信じるだけで精一杯だった君と出会って尚更深くこの町を愛した砂糖菓子みたいな家や草花や人やその言葉を流されてゆく僕の背中を 誰かが叩いた日に道標が大きな音を たてて倒れていった君を守って暮らしてゆけば 倖せだと解ってるすべてを裏切って出てゆく事をごめんね ごめんね ごめんね ごめんねもう決めたんだいつもの場所でいつもの様に多分君は待っている疑う事
漢口の春は 大使館の柳の青それから池の降る その花の白甘露園のコール・コーヒー越しにうちあけられた愛 それが春漢口の秋は 焼き栗のはじける香り読み終えた文庫本で うけとめた愛かぞえの二十二で嫁いでそのまま終戦を迎え だから秋天津からひきあげたあと七年たって彼女にとって初めてのそして最後の子供を産んだ夫は優しくて働き者だったから 誰もが彼女を幸福とよんだし確かに幸福なはずだったいくつかの春は 知らず
安いお弁当選んで買ってみても¥490でも味噌汁付かないたとえば牛丼大盛り頼んだら¥480でも味噌汁付かない帰りに格好付けてカモミール・ティーなんか飲んだら¥490でも味噌汁付かないホワイト学割は学生も家族も基本料は¥490でも味噌汁付かない次に生まれるなら 味噌汁になりたい主役を脇で支える味噌汁になりたいでも味噌汁はお代わり出来るけど私にお代わりなどいない私は味噌汁になれない競馬で儲けようと新聞買
寂し過ぎて 涙が出たりなにもかもに 疲れ果てたりそんな時は 誰にでもあるけれど掌にひろげた 私の小さな生命(いのち)はどんなに小さくても この世にたったひとつひとり ひとり 地球(ほし)を選んでひとり ひとり 生まれて生きてめぐり逢って 愛し合うその奇跡時空(とき)を超えた愛で 誰もが繋がっているよ生命と夢を のせた舟を「未来」と呼ぼうそう 泣きながら 歩く時も夢だけは 離さない許しあえる 信じあ
小さな物語を 愛しく抱きしめて君は美しい故郷で 生きてるそれはささやかな 祈りにも似ている川の清らかな 流れにも似ている多くを望みもせず 望みを捨てもせずめぐり来る明日を 穏やかに見ているそれは健やかな 子供にも似ているいつもきらめいた 瞳には青空ありがとう美しき人ありがとう美しき町それを平和と呼んでいいなら君を守ってあげたいさざめく鳥の声を 窓辺に散りばめて朝日のびやかに 枕辺に日だまり君のやわ
あはれ宙空に 月影冴え寂黙に染む 仄き片恋其は遥けき 愛し人へ実に幽けく 独奏ける小夜曲今宵 淡き星に言伝てむ寄る辺無き想ひを 聞こし召せ我が心は 永遠に変らじ其は遥けき 愛し人へ実に幽けく 独奏ける小夜曲
リラ冷えの朝に 旅立つ君へ今迄の愛を込めて 唄を贈ろう君の道程は 三叉路ばかり迷って傷ついた時 思い出してくれON THE WAY僕等はいつでも 道の途中ON THE WAY喜びも悲しみも 季節の様に巡り巡るさよなら 君に会えてよかったさよなら 君が好きでした誰かの言葉や 時代の嘘でその微笑みやこころを 曇らせぬよう君は君らしく 生き抜いてくれ僕は僕のとおりに 歩いてゆくからON THE WAY僕
たとえば青信号を渡る少年が事故に遭うことがあるあんなに頑張ってるのに酷い目に遭う人がいる辛い思いをしている人ばかりが辛い目に遭うようで みんな「不公平」という言葉をじっと呑み込んでる善人がついうっかり悪事に手を染めたり悪人が何故かふらり善いことをしたり笑っちゃうくらい 今を生きてる悲しいくらい 必死に生きてる切ないくらい 今を生きてる大嫌いな人も 大好きなきみもきみはあの時何故生き残ったのだろうと
火をおこせ 木をくべろ 今宵は十六夜初恋を偲びながら いざ酔い 酒を注げ夜空ふんわり雲が往く 火の粉が舞い上がるあれは土星か 木星か さて螢か幻か我等どの道 ひとり旅風も哀れの 風媒花ここをせんどの盛り上がり旅は道連れ世は情友よ 友よ 頼りなき友よ ずぼんが焦げておるぞふと黙るその一瞬を 虫の音が埋めてゆく照れ乍ら恋を語る おまえが愛しくなる時はゆく時はゆく 土足で胸こじあけて負けるもんか 負ける
回転木馬が廻る 君と僕とをのせて日曜日だけ僕の子供に戻る君の笑顔が弾むたがい違いに廻る 君と僕との木馬僕が上がる 君が下がる 君が進む 僕が遅れる昔 君のママと 深く愛し合いそして君が生まれた それだけは真実けれど愛だけでは どうにもならないことがあるんだ哀しいね 大人になれば君はすてきな笑顔で鳩に 手を差しのべているけど驚かしちゃいけないよ 空に帰ってしまうよ噴水のふちを歩く 君の危気な足取り赤
きみはその手に花をかかえて急な坂道(さか)をのぼる僕の手には 小さな水おけきみのあとにつづくきみのかあさんが眠っているささやかな石のまわり草をつみながら振り返ると泣き虫のきみがいた両手をあわせたかたわらで揺れてるれんげ草あなたの大事な人を僕にまかせてくださいきみがとても大切にしてた藤色のお手玉あれは昔きみのかあさんが作ってくれたものそして僕が大切にしてる日だまりのような人それもそっと きみのかあさ
白いキャンバスにひたすら 僕は自分を描いた並べた絵具と指先で 服を染め乍ら君は編物の向うで 僕を疑いもせずに優しい光の様にいつも微笑んでたあなたは 自分の信じたとおりに思い切り 自分を描いてください私はただその背中を見ているだけで幸せだから世界一の自画像 描き上げて下さいと言ったそんな君の美しさに 僕は気付きもしないであやうくかけがえのないものを 見失なおうとしてた何を描いたかではなく 如何にして
悲しい蒼さの 広い大空を小さな鳥が一羽 海を目指してる鳥を撃たないで 約束の町へひたむきに羽ばたく夢を消さないで誰もが時の流れに 傷つき疲れ あきらめそしていつしか生まれた時の 溢れる程の愛を見失うこの町がかつて 燃(も)え尽きた季節(とき)に私達は誓った 繰りかえすまじと生命を心を 奪い去ってゆくちからも言い訳も総て許せない私は祈る以外に 知恵も力も 持たないけれど短い花の生命を ささやかなこの
故郷 遠く離れひとりで 君を想う忘れ難き 優し微笑は色褪せずに いますか
抱きしめて あなたの手の ぬくもりの 記憶へその道を 辿り辿って あなたに会いたい抱きしめて もう一度だけその笑顔を 忘れないように月影に 揺れる思い深く深く 胸に刻んでもう二度と 悲しみに 泣かないと 誓ったその道を 巡り巡って 笑顔に 会いたい抱きしめて この笑顔を守り抜いて 曇らせぬように星影に 届く願いいつの日にか しあわせにもう二度と 悲しみに 泣かないと 誓ったその道を 巡り巡って 笑
忘れられない ひとがいる青春のきらめきの彼方にその人は 季節はずれの薔薇のように今も鮮やかに密やかに咲いてるたとえば あゝ 雨の中を濡れて歩いたそのひとの泣き顔の ストップモーションおそらく あゝ 一杯のスープ分け合うようなささやかなぬくもり 求め合う恋だった別れの理由を思い出せないあれ程 熱い恋も知らないその人が 仮に僕を忘れてもあの恋を忘れることはないだろうたとえば あゝ 雨の中で愛と憎しみが
ワイングラス片手に 酔った振りしてあなたオレンヂ色に溶ける夕陽 危気なシルエットあの人が留守だから いけない風が吹いてMUSKの香り イヤリング揺らり バニヤン樹に白い月僕の胸に頬を預けため息などついたりして遊び上手な あなたはもう僕との別れを考えているね我儘な人だから 気紛れに恋をするあなたにとって 一体僕は いくつ目のスペアキイ僕の背中を抱いた 体温が熱いねブレスレットに写るときめき バニヤン
父の手に背伸びして歩いた道叱られて泣きながら走った あの道留守番に耐えかねて母を待った道土産持つ祖母の胸に跳び込んだ あの道今更に懐かしい あの頃を今 遠い町でひとり想うまだ天使だった私を道は 憶えているかしらふるさと 離れて はないちもんめふるさと 恋しい はないちもんめ放課後に初恋を眼で追った道草野球 夕焼け ともだち あの道卒業の熱い胸冷ました道胸張って町へ出る時 ふり返った あの道今更に遠
死んだ珈琲 挾んだままで外の信号の変わる数をテーブルに映る 黄色で数えてついでに想い出も数えて忘れかけてた 君の癖がこんな時にふと目についたりして懐かしいものと 出会った気がして笑ったら君は怪訝な顔をするもう 明日は第三者信じるものさえも 違う異教徒になる一度は 同じものを信じた二人が奇妙にも 見知らぬ人になる日車のライトが 時折横切る前髪の奥の君の瞳には既に僕の 姿は消えて蝋燭の赤だけが揺れてる
父さんは指さして星座の名前を教えてくれた大きな心を持つように母さんは抱きしめて花の名前を教えてくれた優しい心を持つように忘れない どんなに遠く離れていても僕を育てた 碧い海緑豊かな 島影ふるさとわらべうた歌うときお下げ髪して 蓮華を摘んだ幼なじみを 思い出すあの人も あの友も祭囃子の あの音も夕焼け空も そこに在る忘れない どんなに遠く離れていても君を育てた 蒼い空澄んだ川のせせらぎふるさと忘れな
ひとしずくの雨が いつか海になるそんな風に愛を育ててゆけ地平線から朝日が昇るように君は しあわせになれ言葉少なに 君は大切な恋を語る君のその唇は つつましく紅に染まるどこか眩しそうに まばたいた黒い瞳は不安と喜びと とまどいの重なり合う色君に贈るのは 君の中の勇気いいかい答は いつも心の中にあるはばたく鳥が蒼空に消えてゆくそんな風に君は旅立ってゆく季節の花が静かに薫るように君は大人になる君はいくつ
なんという こともなく 行き過ぎて 行き戻り懐かしさ 抱え込み ドアを押す 喫茶店片隅の 昔のままの テーブルに 席をとる気がつけば 昔のままの 傷と染み 遠い日の影ここで 何人の 人を待ち 待たせたことかここで どれほどの 語らいを 重ねたことか不安と憧れ 期待と退屈 若さと混乱いろんな 名前の 小舟たちそのコーヒーに 浮かべていたよなんという こともなく 肩越しに 降りかかる華やいだ 笑い声