ムクドリ慕情 – きただにひろし

「ネオンの灯る大都会
軒下に生きるムクドリの
健気で切ない 恋模様
嗚呼 その想い いつの日か
聴いてください ムクドリ慕情」

並木道 闇に舞う ムクドリのように
この街に寄り添い あなたを想う

くじけるな がんばれよ
見上げた空に ネオンが滲[にじ]む

沸き立つ想い 囀れど
あなたは今夜も 振り向かない
それでも朝は 訪れる
嗚呼 響けよ ムクドリ慕情

「ムクドリよ おまえもひとりぼっちなのかい?
こんなところにいちゃあ いけないよ
さあ 群れの中へお帰り」

雨音に 溶けてゆく 嘆きの雫
一筋の涙に 気づかないのね

立ち上がれ がんばれよ
力の限り 空へ羽ばたけ

溢れる言葉 言えなくて
あなたの背中に 指でなぞる
信じているの 明日はきっと
嗚呼 届けよ ムクドリ慕情

「寂しいわ 虚しいわ
つれない背中を眺める度に
いっそ遠くへ行きたくなるの
だけど 私は
どこへもゆけない 留鳥(とどめどり)
ひとりで生きてはゆけない ムクドリだもの

チュチュチュン、チュチュチュン
私の声は 届いていますか?
チュチュチュン、チュチュチュン
あなたのもとへ 飛んでゆきたい

それでも つがいになれぬのならば
明日の宿り木 探しにゆきます
雨上がりと共に 去ってゆきます

たとえ未練を断てずとも
それが女の花道だから…」

愛しき人よ さようなら
ベッドシーツに 残る想い
新しい恋を 見つけます
嗚呼 響けよ ムクドリ慕情

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