東京迷子 — あさみちゆき

赤いリボンじゃ 隠せない
細い手首の まよい傷
放っておけよと ソッポむく
渋谷のマリヤは 十二・三歳(ジュウニサン)

両親(オヤ)の面(ツラ)など 忘れたサ
ツバを吐くよに 言い捨てる
青いうなじの 幼な顔
ケン坊十六歳(ジュウロク) 池袋

あのコも孤独(ヒトリ) このコも孤独(ヒトリ)
やさしさ迷子 東京迷子

風の新宿 ビル颪(オロシ)
寒さしのぎの 恋遊戯(ゴッコ)
ゲーム・オーバー サヨナラじゃ
ピアスも泣いてる あゝ今日子

夢を見るのは もう止(ヤ)めた!
ナイフみたいな 冷(サ)めた目で
街の灯りに とけて行く
ユウサク十七歳(ジュウシチ) 六本木

あのコも孤独(ヒトリ) このコも孤独(ヒトリ)
涙を抱いた 東京迷子

あのコも孤独(ヒトリ) このコも孤独(ヒトリ)
この指とまれ 東京迷子