咲かない恋の 行く末を愛(いと)しむような 冬の空はらはら 恋しさ 降り積もるあなたと居れば 寒くはないわどうぞ隠してよ このままふたりあぁ あぁ 雪が 雪が舞う花には花の 咲く春が蝶には蝶の 飛ぶ朝がふたりの明日(あした)は いつ来るのこの世に果てが あるならいっそ越えて行きたいの 帳(とばり)の向こうあぁ あぁ 雪が 雪が舞う角巻(かくま)きひとつ 身を寄せ合って冬の花びらを 見上げるふたりあ
瀬戸内海の かたすみにぽつんと浮かぶ 島があるなにもないので 旅人をもてなすことが できなくて情けないので 村人がつけた名前が 情島なんにもないと ゆうけれどきてみりゃ そこは 夢の島とれたばかりの 小魚は煮てよし 焼いて たべてよし白い浜辺の お座敷で飲めば うたうよ さざなみがポストのような 灯台にかもめが運ぶ ラブレターそんな日暮れの 風景が汚されないで 残ってる情あふれる 情島忘れられない
赤いリボンじゃ 隠せない細い手首の まよい傷放っておけよと ソッポむく渋谷のマリヤは 十二・三歳(ジュウニサン)両親(オヤ)の面(ツラ)など 忘れたサツバを吐くよに 言い捨てる青いうなじの 幼な顔ケン坊十六歳(ジュウロク) 池袋あのコも孤独(ヒトリ) このコも孤独(ヒトリ)やさしさ迷子 東京迷子風の新宿 ビル颪(オロシ)寒さしのぎの 恋遊戯(ゴッコ)ゲーム・オーバー サヨナラじゃピアスも泣いてる 
今夜あなたに 嘘をつく好きな男(ひと)が 出来ました今日で終わりに しようねと何でもないよに 言いたいの夢をたくさん くれたからそっとさよなら あげたいのここは終点 吉祥寺あなたは渋谷に 帰るひとバイバイバイ・ララバイバイバイバイ・ララバイ行ったり来たりの 恋を眠らせて多分あなたは 分かってるそれが嘘だと 知っているだけど淋しく 微笑んで幸せ祈ると 言うでしょう愛は後悔 しないこと古い映画を 思い
ハイヒールのかかとが折れて歩けないああ この先へは進めない 歩けないはしゃぎ過ぎた子供がベソをかくようにああ なんて私 ついてない 運がない男と女はいつも悲しい手さぐりで心のやすらぎ求め合うけれど季節を見送る詩人のようにさよならをいう気もない 悲し過ぎてハイヒールを両手に下げて歩き出すああ この場所へはとまれない いたくないミュージカルの場面のようにおかしくてああ だけど私 歌えない 踊れない男と
飢えた狼みたいな 瞳(め)をしていたか知れない無垢なからだが 仕方なしに女に変わる頃…家庭(いえ)がどうとか 同情だとか噛みつきたいほど うざったくてホームレスのジーザス小父さん あなたに会えてよかった「生きてりゃいいさ 人間捨てたもんじゃないさ」と強(きつ)いタバコをくれたね通る人は 空きボトルでも蹴るように蔑(さげす)みながら過ぎたけれど段ボールにふたり寝転んで 見上げた星空ジーザス ジーザス
十五で覚えた ため息は二十歳のときに 捨てました悲しすぎると 泣けないと知った二十五 夜明け前大人になったら 汚れると子供の頃は 思ってた三十過ぎて 欲しいのは純愛だけに なりました夜桜蝶々 飛んでゆけあなたのもとへ 飛んでゆけ闇に咲いても 花は花罪なさだめも 恋は恋Ah Ah Ah ……泣かない女が 泣くときは愛するひとの 腕の中たった一つの 幸せで百の不幸も 消えてゆく大きな桜の その下であや
黄昏れて オレンジの 街に 雪が舞う掌に また掬えば なぜか温かい…母のない 子猫より もっと 傷痕(きず)深くひもじさに 飢えつづけた あれは誰かしら…別れた人のしたこと 死ぬまで赦(ゆる)せないけどふり向く価値もないほど 哀れな男(ひと)だわ恋なんか もう二度とそう 心に 誓ってみたくせに神様の プレゼント今、私はあなたに逢いに行く今、愛しい時間に逢いに行く友達が 携帯で 見せるツーショット親
聖橋に 灯がともりニコライの 鐘が鳴る秋の夕暮れ ためいき心だけが 走り出す 遠い約束色褪せぬままに 二年が過ぎたこの街で 暮らした日々をあのひとは 忘れたかしらただ 気に なるの……引越しの トラックが坂道を 降りて行く冬の木枯らし 吹いた日離れてから なお募る 胸の想いに悔いた夜もある 祈った朝もこの街の 想い出なんてもうすべて 捨てたのかしらただ 気に なるの…駅へ向かう 学生が 通り過ぎて
みぞれの 年の瀬に帰る故郷が あるひとはいいふるさと捨てて 過去も捨てた私を待つ人 どこにもないわ今さら 悔やんでも元に戻れる 訳でもないし私に似合う 倖せなんてそうね 身近な 温もりだけねどうすりゃいいの どうにかなるわそんな心の 裏表どうすりゃいいの どうにかなるわ妙に 哀しげな 冬の月東京の 片隅のここが振り出し あさがお荘も春には壊し ビルになればきっと私も 途方にくれる見果てぬ 夢だから
春には 桜が咲き小さな命が 顔を出す夏には 緑が深くなり人の笑顔が 光りだす不安になったら ここに来よう泣きたくなったら ここに来ようみんなで一緒に 歩きましょうみんなで一緒に 笑いましょうみんなで一緒に 歌いましょうこの井の頭公園で…秋には 色づく木々が暖かな景色を 作り出す冬には 小さな虫たちの静かな寝息が 聴こえます迷った時には ここに来よう疲れた時には ここに来ようみんなで一緒に 歩きまし
坂道の 喫茶店サイフォンの音と いつも友がいたひたむきに 語り合い時には傷つけ 涙流したりどこへ 忘れてきたの熱い その想い背中の翼に 気づかずにただ 明日へ 急いでいたみんな 駆け抜けて 思うのねあの日々が 青春と…アパートの 狭い部屋煙草とインクと 古本のにおいあの人の 追う夢を一緒に見るのが 愛と信じてたどこへ 忘れてきたの純な そのこころ未来(あす)のあてもなく 何もなくでも 瞳は 輝いて
しあわせは 笹鰈箸でその身を ほぐしつつ故郷の かあさんを 思い出す冬の夜恋破れ 泣いた夜これであなたも やさしさの塩加減 できたねとかあさんが 呟いた笹鰈 笹鰈かあさんの かあさんのかあさんの味しあわせは 笹鰈一夜気持を 干したあと泣かないで あのひとにさよならを 伝えたの女には 海のよな広い心が あるのよとあのときの かあさんのあの言葉 忘れない笹鰈 笹鰈かあさんの かあさんのかあさんの味笹鰈
眠れない 夜は窓辺に もたれながらやさしい 月明かりに想い出を 辿る瞳を とじれば あの日が見える木枯らしが めくります遠いアルバム春の風の道で 真夏の空の下で秋の野原で 冬の寒い駅であなたは あなたはいつもわらっていたささやかな 夢を今でも 追い続けて季節は いくつ過ぎてふり向けば 遥か誰も ひとりでは 生きてゆけない傷ついて 知りました人のぬくもり何も見えない夜 明日を信じたくて朝が来るまで 
誰かが 円舞曲を 踊っています幸せあふれた 二人です私は飲めない お酒を飲んで泣きたい気持を おさえます海鳴り 漁火 海辺のホテル一人に悲しい ワルツの調べ別れの手紙を 綴っています乱れた文字です ごめんなさいあれこれ理由を 並べてみても切ない心は 変わりません海鳴り 漁火 海辺のホテル一人に悲しい ワルツの調べ明日もこうして 泊まっています涙が枯れたら 帰ります知らない誰かと 踊ってみたり楽しく
時代遅れの純な愛が妙にキラリキラリ光る吐息ばかりくもる部屋でわたし 沈黙祈る心もなしに愛し熱くなってみても つらい胸の中で迷ううさぎ哀しみのうさぎそんな真夜中は頬杖つくばかり恋を信じる少女の青い目になって心が軽過ぎるやはり 軽過ぎる部屋の扉に鍵をかけてほんの二分たてばわかるなぜか少し不幸なのと心が波立つもしも何かに膝をついて願うような日々であれば出口さがすうさぎなんか考えもしない日付変わるころ素肌
五番街へ行ったならば マリーの家へ行きどんなくらし しているのか見て来てほしい五番街は古い町で 昔からの人がきっと住んで いると思うたずねてほしいマリーという娘と 遠い昔にくらし悲しい思いをさせた それだけが気がかり五番街でうわさをきいて もしも嫁に行って今がとてもしあわせなら 寄らずにほしい五番街へ行ったならば マリーの家へ行きどんなくらし しているのか見て来てほしい五番街で住んだ頃は 長い髪を
窓打つ木枯らし みぞれがまじるデジタル時計がカタリと変わるもしや あんたが帰って来たのかとベッドをおりたら出るくしゃみ変なくせだよ 男にふられたその後はなぜだかきまって風邪をひく真夜中 世の中 よまいごと上から読んでも下から読んでもヨノナカバカナノヨ蜜柑をむく指黄色く染まる忘れたマニキュア はがれて落ちるとても あんたにゃついていけないわと無理して笑えば出るくしゃみいやなくせだよ せいせいしている
そこにあるから 追いかけて行けば はかない 逃げ水のそれがしあわせ あるよでなくてだけど 夢見る 願かける花のように鳥のように世の中に 生まれたら いちずにあるがままの生き方が しあわせに近い指の間を さらさらといつの間にやら こぼれ落ち拾い集めた 欠片を見つめ恋の終わりを 知らされる花のように鳥のように晴れの日も 風の日も 人生そんなふうに思えたら しあわせに近い誰がわたしを 捨てるでしょういつ
線香花火チリチリと松葉模様描いてる金魚鉢ではポトリ紙の花咲く水の中で開く花外に出せばただの紙そうよ私はここで生きているだけあなたには二度と逢えないわお互いに不幸になるだけよさよなら さよならお酒でも飲みます針の音がシャーシャーと歌のすき間うずめてる古いレコードかけて酒をのむのよ辞書を開き 知らぬ文字さがしながら書く手紙頬に流れる涙ふきもしないであなたには二度と逢えないわお互いに不幸になるだけよさよ
肩につめたい 小雨が重い思いきれない 未練が重い鐘が鳴る鳴る 憐れむように馬鹿な女と 云うように京都から博多まで あなたを追って西へ流れて 行く女二度も三度も 恋したあげくやはりあなたと 心にきめた汽車が行く行く 瀬戸内ぞいに沈む気持を ふり捨てて京都から博多まで あなたを追って恋をたずねて 行く女京都育ちが 博多になれて可愛いなまりも いつしか消えたひとりしみじみ 不幸を感じついてないわと 云い
今は夏 そばにあなたの匂いしあわせな夢におぼれていたけれど夕立ちが 白い稲妻つれて悲しみ色の日ぐれにして行ったしびれた指 すべり落ちた珈琲カップ 砕け散って私はただ あなたの目を言葉もなく 見つめるだけさだめといういたずらにひきさかれそうな この愛今は冬 そばにあなたはいない石畳 白く粉雪が舞い踊るひきさかれ 愛はかけらになってそれでも胸で熱さをなくさない凍える手で ひろげて読む手紙の文字が赤く燃
十五は 胸を患って咳きこむたびに 血を吐いた十六 父の夢こわし軟派の道を こころざす十七 本を読むばかり愛することも 臆病で十八 家出の夢をみてこっそり手紙 書きつづけああ ああ ああ ああ…転がる石は どこへ行く転がる石は 坂まかせどうせ転げて行くのなら親の知らない 遠い場所怒りを持てば 胸破れ昂ぶりさえも 鎮めつつはしゃいで生きる 青春は俺にはないと 思ってた迷わぬけれど このままじゃ苔にまみ
夕やけに 鉄棒の影がのびオルガンの 七つの子遠く聞こえる留守番のいやな子が ブランコを鳥になれ 雲になれ強くこいでるガラス窓 光らせて 陽が沈む黒板の白い文字赤く色づく 赤く色づく砂場には いろいろの忘れ物ペシャンコのボールだけ砂にうもれる赤とんぼ 追いかける子のあとをコロコロと 柴犬が追って転がるただひとり 赤い靴 はいた子はさよならも 云わないで町をはなれる泣きながら ハーモニカ 吹く日ぐれ校
人間はひとりの方がいい人間はひとりの方がいいこの街は広過ぎる暗がりが見つからないもの想いに沈むにはにぎやか過ぎるあなたは今 人を愛したあとのやり場のない悲しみに身もだえする人間はひとりの方がいい失う悲しみを知らなくてすむから人間は愛さぬ方がいい裏切るせつなさに泣かなくてすむからこの川は汚れ過ぎなぐさめの歌などない涙の顔うつすには薄情すぎるあなたは今 人をなくしたあとの言葉のないさびしさにふるえてい
小肌を切って 熱燗二合それと この娘に 中トロサビ抜きで父と座った 鮨屋のカウンターちょっと 大人に なった気がしたあの日 あなたは 少し酔ってたたくさん食べなよ 好きなもの……そう言いながら 向けた笑顔は何故か 寂しく 哀しげだった父と母との 間のことはどうなってたか 知る由もないあの日が そう 最後です父とは会えない 娘になった……この春 わたし 結婚しますあの日の 鮨屋で 並んで座りたい母に
想い出さえも 吹き飛ばす本牧埠頭の 強い風泣きたくなると ここへ来て涙を海に 捨てたっけ本牧ららばい 海鳴りが子守歌本牧ららばい 哀しみが眠るまで…カモメが一羽 波の上私を 見るようで哀しすぎて 泣けない ああ…青春なんて どこにある飲み干した バドの空き缶をひねりつぶして つぶやいたアイツは どこにいるのやら本牧ららばい 波の音かぞえてる本牧ららばい 淋しさが眠らない…コンテナだらけの 倉庫裏想
電話するよと 言ったから死ぬまできっと 待ちわびる吸いかけ煙草 置き去りにあなたは 帰って来なかった女心が 痩せるのは想い出たべて 生きるから誰かに優しく されるよりあなたのために 泣いてたい嘘をついたら 叱られた子供の頃の 青い空とうちゃんかあちゃん ごめんねとかすかにつぶやく 寒い夜帰りたくない 暗い部屋ぬくもりさがす 夜もある誰かの胸で 眠っても口唇だけは 許さない
キザな女と 呼ばれても愛した人の ためならば母にもらった この指で命かけても おしくない砂漠のような 東京で貴方(あなた)一人の しもべとなって夜もねないで 女の真心私は私は つくすのよ決して私は 言葉では愛を知ろうと 思わない生まれながらの 純情とこの手であなたを 受けとめる砂漠のような 東京で貴方一人の しもべとなって花になるのよ 枯れはてるまで私は私は 決めたのよ砂漠のような 東京で貴方一人
泣きたいときは 空を見るよ涙 あふれてきても 落ちないように泣きたいときは 思い出すよ遠い ふるさとにいる 父や母をいつも 生きることが 下手だけどきっと 花を咲かす 時が来るから泣きたいときは 泣いてしまおういつか 見えてくるよ 青い空が…泣きたいときは 海に来るよ波の 打ち寄せる音 聴いていたい泣きたいときは 歩き出すよ風に 吹かれて 涙乾くようにいつも 生きることは 夢の途中きっと 花を咲か