MOROHA

黙闘 – MOROHA

始発列車に揺れる人々
吊革握る手の平の模様
改札抜けてくあなたの表情
鞄の中 手作りの弁当
ガキにも敬語 タクシーの運ちゃん
お釣りは両手 スーパーのおばちゃん
丹精込めた一杯のラーメン
工事現場 頬をすり抜ける風
町工場 作業着 図面引く定規
いつも通り 定時出社の土曜日
残業の灯りが都会の夜景
食卓照らす今夜はカレー
それぞれ織り成す暮らしの中
それぞれの想いで迎える朝
手を振る母さん いってらっしゃい

日々 黙々と送る黙闘
目を閉じて祈りの一瞬と
目を開けて闘いの一生を
君への黙闘として捧げよう

仲間が待ってる いつものクラブ
ラッパーは今宵もマイクを握る
ダンサーは踊る そして汗を千切る
少年はギターを抱えて
愛し愛しのあの子の事をうたう
老夫婦が目を細め笑う
ズレた手拍子 街に響く
確かに息をしている
答えはない 正解などないと
悟りめいた事は言えなくて
答えは何処だ?温もりは何処だ?と
もがいて足掻いてのたうち回る俺らは
落とした涙も連れて行く
同じ形の拳 探しに行く
弔いは生きる ただそれだけ
弔いは生きる 届け

日々 黙々と送る黙闘
目を閉じて祈りの一瞬と
目を開けて闘いの一生を
君への黙闘として捧げよう

泣いてるように見えるかい?
違うよ 俺らは奮い立ってるんだ
泣いてるように見えるかい?
違うよ 俺らは固く誓っているんだ
数えた羊が雨に濡れる
湿った空気が西から北上
それでも今日は 今日こそは
晴れを信じて傘は持たない
一歩一歩踏みしめる畦道
闘う人 凛とした顔
日々を全うする事の力強さ
今更だけど感じている
仕事を必死でやろうと思った
どんな場面も人と人だ
そう思えば悪くないかな
笑顔で言った いらっしゃいませ
女を大事にしようと思った
ラブソングばかりうたえやしないが
いってらっしゃいで向かうステージ
気付けば全て愛のうただった
街と人間はリズムとメロディ
それは言葉に出来ない位に
ただいま おかえり おやすみ
ただいま おかえり おやすみ

日々 黙々と送る黙闘
目を閉じて祈りの一瞬と
目を開けて闘いの一生を
君への黙闘として捧げよう

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