MOROHA

  • 花向 – MOROHA

    見上げた夜空 獅子座 乙女座君と肩並べて眺めてたその横顔に照らされてあっけなく俺の心は暴かれてしまったどこまで好きになっていいものかなんて考え出した頃にはもう遅かったときめきはすぐにため息に変わりこの想いは調律なんて出来ない「もう帰らなきゃ」 って呟く夜9時黙り込んだ二人歩き出し見慣れた街並みに近づくと同時に繋いだ手のひら そっと離す君溢れる想いの分だけ迷う別れ際の数秒 何を伝えよう?でも薬指に光…

  • 六文銭 – MOROHA

    あなたがいた だから名曲 「もう惨めな想いはしたくないんだ」そう嘆き俯いた日のこと優しいあなたは俺の手を握りしめたりなどしなかった代わりに床に散らばったペンを拾い集めては強く固く握らせた「やるんでしょ? やらなくちゃでしょ?知ってるよ 私は知ってるからね」そう言って ひとりぼっちにしてくれたその健気さを その愛しさを痛みを 怒りを 光を綴ったその夜 俺はラッパーになれた「華がないなぁ」って言われて…

  • 命の不始末 – MOROHA

    「君は君らしく」なんて言われるまでもなく俺は俺にしかなれずクズでカス 罪と罰 積み重ねた全てが崩れ去るまさに命の不始末俺が不幸にしたんだと思います浴びる罵声こそ相応しく思います許されることを 望むことすらも烏滸がましく謝罪の言葉さえ持て余す油断するとまたすぐに悲劇ぶるそんな資格が俺にあるはずもなく下らない人生 切りきざんで叩き売る品のない商売 小汚い生涯この期に及んで未だにこびりついてる愚かな性欲…

  • 新約「償い」 – MOROHA

    時は令和 世田谷下北沢練習にしばらく来てなかったボーカルの雄介がスタジオのドア あけるなり放った言葉「俺、今日でバンドやめる、みんなごめん」水を打ったように静まり返ったリハスタメンバーはひたすら彼を引き留めただがそれを遮って 「もう決めたんだ」そう呟いたきり彼はただ俯くだけだった沈黙とため息が幾重にも重なった諦めと苛立ちがそれに絡まった煮えたぎる腑 堪えきれずメンバーが彼を罵った「裏切り者」償い …

  • ネクター – MOROHA

    最初の一杯まではハッピーなのに杯を重ねるごとにヒステリー琥珀色してる美しい瓶 ウィスキーアルコール度数41「どうして?」こんなにも綺麗な液体が人を濁らせ壊してしまうのだろう?穏やかな爺ちゃんを化け物に変える慎ましい暮らしに 爆竹が哭く赤黒い顔から浴びせる罵声「われ!わんだれ!文句あるなら出ていけ!」母親はひたすらに子供の盾声ころし降らした 小さな雨でも 翌朝 午前5時 窓の外聞こえる 牛乳瓶が運ば…

  • 主題歌 – MOROHA

    鏡よ鏡、この世で一番きれいなものは… 楽しかったZOOM飲み会が終わって一人ずつみんないなくなって最後に自分の顔だけが残ってその顔に「調子どう?」なんて聞いてみる調子良いのか 悪いのか よくわかんないよだってライブしてないし ラップしてないしそりゃそうだよな って呟いた部屋に耳をつんざくような静寂が残った行き場ない込み上がる思いを託したアカペラのフリースタイル目の前には真っ暗闇の未来が…

  • 0G – MOROHA

    世界を覗ける小さな窓スマホは正に現代の魔法情報収集 暇ならゲーム本当にいつもお世話になってますけどな ライブでカメラ向けてくる連中生憎ですが今はノーセンキューインスタ映えしない顔面じゃコメントゼロ 諦めろ加工も補正も無駄な抵抗悲しい事 言わすなよちくしょーそれでも見せるぜ 三十路の意地を記録じゃなくて記憶に刻もう最高画質 保証するレンズみんな持ってるピカピカの眼球閉じるも自由 逸らすも自由睨み付け…

  • スコールアンドレスポンス – MOROHA

    家賃で給料 殆ど出てく終わったドラクエのレベルあげる無料のエロ動画ばっか見てるピリオドみたく丸まったティッシュ運も博才もまるでないくせにしょっちゅうパチ屋でうろちょろしてる景品で貰う鼻セレブ勿体無くて使えずとってあるカップ焼きそばの湯切りしくじってシンクの中に麺をぶちまける捨てるか迷った挙句 結局半べそかきながら水で洗うこんな生活がひっくり返る一発逆転の凄えミラクルそんなのはなく 恐らくこのまま …

  • チャンプロード – MOROHA

    16時 現地にて集合重たいフロアのドア開けると嵐の前の静けさの会場心地の良い 緊張感まずは音響 照明さんに挨拶何卒よろしくお願いします切り札のみ並ぶセットリストと決意を共に固めたらリハチェック マイクテストから既に予感させるベストアクト最初で最後 最強の今日1秒だって気を抜くなよライブ開始の合図まで数分ここいるお客 全員 連れてく向かう行きつけの奇跡の夜いつも通りにいつも以上を狙う 天下獲る 絶対…

  • いくつものいつもの – MOROHA

    ママの味はミルキー パパの味はウイスキー食卓の上にのった誕生日ケーキチョコペンの先っちょが僕の名前を綴った甘いインクが胸をくすぐったこたつの中では陣取り合戦四人の家族の足が入り組んだ交差点ぶつかって押し合って姉ちゃんと喧嘩たっけふくれっ面して ごめんね 思い出いつもの味付けをいつもの茶碗でいくつもの「いつもの」が暮らしを刻んでるなんて事ないような記憶特別じゃなくても 余白が家族「お前の家はずっとこ…

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