長保有紀

木曽路の雨 – 長保有紀

話し上手で 聞き上手
別れ上手な 男(ひと)でした
薄(うす)くれないの 恋椿(こいつばき)
春を待たずに なぜ散り急ぐ
木曽路は 雨 雨
私を泣かす 涙雨

あなた忘れの 旅に来て
あなたばかりを 想い出す
夕暮れ近い 石畳(いしだたみ)
窓の格子(こうし)に 灯(あか)りがともる
木曽路は 雨 雨
馬籠(まごめ)の宿(しゅく)は こぬか雨

ひとり淋しく 見上げれば
男滝(おだき)女滝(めだき)の 水しぶき
薄日(うすび)が胸に 差す頃に
越えて行きたい 十曲峠(じっきょくとうげ)
木曽路は 雨 雨
心をぬらす しのび雨

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花言葉 – 長保有紀

淋しくなんか もうないわあなたに出逢った あの日から…好きよ好き好き あなたが好きよ夢じゃないのね 抱きしめて今夜の私は 紅いバラ「燃える心」が 花言葉逢いたい

龍飛崎 – 長保有紀

私の心に棲(す)みついたあなたとさよなら する旅路青森駅から 外ヶ浜海岸づたいに たどる道ヒュルル ヒュルヒュル 頬を打つここは龍飛崎 風岬三百六十二段行く階段

おしろい天使 – 長保有紀

両親の都合で 生まれおち家の都合で 身を売られおきまり通りの 色街ぐらし泣いてばかりじゃ つらいだけ倖せしなけりゃ 嘘だけよ損さどん底天使 おしろい天使天国 天

火縁 – 長保有紀

あなたとわたしの 縁(えにし)をひねり炭にくべれば 炎と燃えるそうよふたりは 火の縁燃えて燃えて窓に降りつむ 雪より白い灰になるまで 愛したい出逢った時から そ

谷瀬の吊り橋 – 長保有紀

すがりついても この橋を渡りたかった 渡れなかった谷瀬の吊り橋 ゆらゆらゆれてあなたと私に かかる橋諦めきれず もう一度ここへ来ました 来ました 熊野川五条駅か

夢おぼろ – 長保有紀

枕のあかりに身をさらしくれない色に染める肌罪の匂いおびえても抱かれてしまえば おんなです逢えばせつなくて 恋が苦しくておんなが哀しい 愛にながされてもれる吐息に

雪つばめ – 長保有紀

冬の木枯(こが)らし 恋枯(が)らし落ち葉みたいに 散った恋惚れた男の あの背中ふり返らずに 消えてった…飛んでみせます 雪つばめ凍(こご)える命に 火をつけて

うわさ雨 – 長保有紀

夜雨小雨の 降る街で私を泣かす うわさ雨してはいけない 恋だったムリに終わった 恋だったあなた あなた心がきしむ うずく砕け散る無くて七癖(ななくせ) 尽くす癖

隠れ雪 – 長保有紀

罪の重さか ぼたん雪二人の行く手を とおせんぼ噂やつれの つらい恋夜にまぎれて 忍び発(だ)ち…たとえ地の果て どこまでも雪よ降れ降れ 二人を隠せ眠るあなたに 

止り木暮らし – 長保有紀

酒場の二階の 四畳半仔猫と一緒に 暮らしてる狡(ずる)い女に なれなくていつも幸せ 遠まわり咲いて淋しい おんな花いつか馴(なじ)んだ 止り木暮らし本気で惚れて

根無し草 – 長保有紀

風の通りが いい家(うち)で庭には柘榴(ざくろ)を 植えましょう見てもいいでしょ 夢ぐらい無理に笑えば お酒がしみる拗ねて泣いたり 愚痴ったり生きて行くのよ 根

嘘の花 – 長保有紀

あんなに愛した 人なのに今では他人の 遠い人咲いて散るのが 運命(さだめ)なら泣いて笑って あきらめましょか…女 哀しい 嘘の花失くした恋なら なおさらに優しさ

遠州恋しぐれ – 長保有紀

富士は赤富士 太田の川に船は浮きもの 流れもの女ごころに 火をつけて消しもしないで 行った男(ひと)千に一つの 帰りを待てば今日も遠州 遠州 遠州恋しぐれ秋葉(

泉州恋しぐれ – 長保有紀

惚れた私にゃ 気のないあんた岸和田イチの 男振りだんじり祭じゃ 屋根の上踊ってさばく 大工方(だいくがた)ヒヤヒヤで ワクワク ドキドキや泉州(せんしゅう)おん

さすらい夜曲 – 長保有紀

流れ流れて この町で送るこの世の 春いくつ酒よおまえに 聞かそうかさすらい男の 旅唄を 硬派一途の この俺が惚れたあの子は 他人(ひと)の花あとは言うまい 語る

女ごころ – 長保有紀

ともる灯りの あたたかさ浮かぶ面影 裏通り男意気地(いきじ)を ぶらさげながら肩で別れを 告げた人あきらめきれない 今もまだ女ごころは ひとすじに赤い傘さし 雨

うきよ川 – 長保有紀

生きるつらさも 嬉しさも乗せて流れる 浮き世川過ぎたむかしを 振り向けばにじむ涙の ひとしずくどこへ流れる この私夢を下さい もう一度たとえどんなに 愛しても恋

望郷松山 – 長保有紀

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