遊佐浩二

水影 – 遊佐浩二

思うより速く
満ちてゆく雨音
気がつけば川が
そこから生まれる
絆の深さを記し

ひとつの雫が
はじまりだとしても
それぞれの果てに
筋(みち)は分かつのか
願いは思いを拒む

何処であろうと なにが待ち受けようと
行くべき先が 運命(さだめ)だと言うのなら
どこまでも 流れて 流れて

水面をたゆたう
雲を手に掬えば
映り込む影は
自分の半身(まぼろし)
孤独が波紋を投げる

何処であろうと 誰とめぐり逢おうと
成すべきことが 宿命(さだめ)だと言うのなら
どこまでも 流れて 流れて

時に激しく 時になだらかに

何処であろうと なにが待ち受けようと
誰とも違う 欠けた月を浮かべて

何処であろうと 何が待ち受けようと
行くべき先が 運命(さだめ)だと言うのなら
どこまでも このまま 流れよう
永遠に 流れて 流れて

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