秦基博

  • 2022 – 秦基博

    熱に浮かされた街馬鹿騒ぎした祝祭の後 外苑西通りをゆく巨大な恐竜の化石を横目に 何もかもが 狂った あの時から本当も 嘘も 同じ顔して笑う 明日 君に会えたら どんな話をしようか出来るだけ 他愛ない話題がいいせめて 僕らだけは 信じ合えますようにひそかに願いながら レガシー もはや 問題はいかに濁さず 立ち去れるかさ 首都高 湾岸線 走る汚れた海の水面 煌めく 後悔さえも いつしか 忘れるから繰り…

  • Dolce – 秦基博

    素知らぬふりのまま テーブルの下で そっと 絡めてきた指が思ったより熱くて 彼女のことが 少し わかった気がした 洒脱な店の 窓辺の席の 薄明かりに照らされた野薔薇は一輪だけ 艶やかに濡れてて ゴクリと唾を飲んだ まだ 花びらの奥は ベールに包まれたままでただ 蜜蜂は廻る 甘い香りの周りを 溢れそうなMilk&Honey澄み切った衝動に あらがえない 螺旋の中僕らが愛より先に知る味 本能の言いなり…

  • Life is Art ! – 秦基博

    ピカソが散らした青陽射し 真似る ゴッホの黄色恋した ダリのマゼンタ萌え立つ モネのエメラルド こんなに世界が 鮮やかに映るのははにかむ 君の笑顔に会えたから La La La La Life is Art ! 僕らの色でどんな名画より 今だけは輝いてる『ラ・ラ・ランド』みたいに 踊り出す色彩この二人の絵に タイトルをつけるのなら「愛」だな 綻ぶ 花のメヌエット月の光 注ぐ ソナタそよ吹く 風のワ…

  • 太陽のロザリオ – 秦基博

    もう嫌になるよ 生きるのが下手でさ叫び出しそうになる心に 無理矢理 蓋してHurry Up! Hurry Up!そう急かされても さして変わらないよそして 明ける 冷たい夜よ誰かくれよ おやすみのキスを 窓枠が落とした 影絵はロザリオ即席の十字架をみつめて 両手 結んでみる神だ 愛だって すがるだけじゃ 救われやしないと言うけど 今の僕を見てよ祈りたくなる気持ちもわかると思うよ 選んできたのが 他…

  • イカロス – 秦基博

    境界線空に伸びる白線引き裂かれた永遠 分断 太陽へ向かうイカロスの羽燃えて溶けた 二人の未来 「愛だ」って 疑いもしないでどこまででも飛べると信じてた もし 今日とは違う結末が僕らにあったとして選ぶなんて出来たのかな あなたの夢をまだ見るんだ 消えそうで 消えそうで思い描いてみるけれど うまくいかなくて消えないで 消えないで目覚めた今が夢だったら よかったのに 焼けただれた胸の奥の 傷跡に残る 温…

  • Paint Like a Child – 秦基博

    まだ何も知らない あどけない空に書き殴った 果てなどない 油彩画 叩きつける風に 削れてった輪郭くすむ青を いつ受け入れたんだろう 灰色の檻を蹴破って Paint Like a Childずっと 自由だったよ解き放つ 時代今を壊した先にあるもの はみ出すことにも 気づかないほどにただ夢中で その刹那を重ねる 地を這う鎖を断ち切って Paint Like a Childもっと 自由になれるよどこまで…

  • 残影 – 秦基博

    あきらめられたなら いっそ 楽になれるのにどうして この手を伸ばすの 傷ついても 絶望は スコールみたいに 予告なく 降り注ぎ在ったはずの未来も奪われ 叫んだ空 追いかけてる 夏に散った花火を ずっと ひとり そう まだ 光は 原色のままでまばゆさに 心を焦がしているあの夏から止まない雨が どれだけ 孤独な今を突き刺しても変わりはしない いくつもの 眠れない夜を 越えるのだとしてもそれでも きっと…

  • サイダー – 秦基博

    誰かのようになりたいな誰かのようにはなれないな届かない 届かない 届かない 届かない ライオンのような強いキバもカナリヤのような綺麗な声もないけれど ないけれど ないけれど ないけれどこの僕にも 僕にしかないものがあるはずさ 地図もなく歩いていく 回り道に けものみち夏はまだ終わらないぜ 僕のままで サイダー シュワシュワ 泡のように いのちが 毎秒 はじける知らないことなら まだ たくさん 溢れ…

  • Trick me – 秦基博

    ラブソングなんて聴きたくない 今は 虚しく響く どの曲もビートに揺られなくても 愛に踊らされてるよ 時計の針は 23時 突然の「会いたい」の四文字ごときに尻尾振ってる自分が嫌 でも もう駆け出してたよ 適当にグラスに注いだビールみたいなふたりまた こっちばっか 溢れそうになってるんだもん目と目が合っているのにここにはいないみたい好きになってもいいの Trick, Trick me babe どうせ…

  • さよならくちびる – 秦基博

    体温の上昇が 伝わっている気がして目蓋を開けるのを躊躇した 二秒後の私たち これが最後だとわかって無理して ふたりとも ほほえんだ この棘は抜けないままでいいずっと 忘れないでいるから さよならくちびる私は 今 誰に 別れを告げるの 君を見つめながらさよならくちびる私は 今 はじめて ここにある痛みが 愛だと知ったよ 灰色の後悔が 世界を塗り潰しても君だけ 鮮やかに 映るんだ この歌はどこへも届か…

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