秋ひとみ

  • 季節めぐり – 秋ひとみ

    街に春が あふれはじめ若葉の色も はしゃいでいるわなのに私は ひとりだなんて人目をさけて 目をとじる花束かかえ うつむきながら小石をけって バスを待つふたりで歩いた 公園通りああ あの時 あの声 思い出すのよ季節はめぐって 忘れた人をつれてくる 春の陽ざし 拾いあつめ心の奥を あたためたいわなのに私を 見捨てたようにぽつんと花が 揺れている電車にゆられ 海辺の街でしぐさの似てる人を見たふたりで歩い…

  • アンカレッジ経由パリ行き – 秋ひとみ

    アンカレッジで 過ごしているとそんなあなたの 手紙がとどきとても待てない 逢いたいすぐに北回りジェットで 飛んで行くのよシャラララ 3万フィートの風にのりシャラララ 3万フィートの空をこえ朝陽の中で かがやく街へもうすぐあなた 逢えるのですね アンカレッジの つめたい風に朝の陽ざしが ふるえているわ声をだしても あなたはいないパリ行きのジェットで おいかけるのよシャラララ 3万フィートの風にのりシ…

  • 幸せルージュをつけなさい – 秋ひとみ

    交差点の真ん中で足を止めたって恋は「ぽんと」この肩をたたいてくれませんそれでも私はいつもそんな恋を待っている 「意気地なしのお嬢さん」恋は待ってちゃだめよ自分でみつけなさい幸せルージュつけて笑ってごらんなさい 恋は待ってちゃだめよ自分でみつけなさい鏡の中で今日も私の私が私に喋ります 朝の電車の隅っこでそっと捜しても恋は「ね ほら」吊り皮の指さえふれませんひとりで私は本の様な恋にあこがれる 「子供っ…

  • ふたり坂 – 秋ひとみ

    「君の家の前まで送るよ」そっと耳元で囁いて誰かが聞いているから睫が濡れるの 思わず知らず何時もなら駅の改札口であなたの姿を見送ってとぼとぼと歩いて帰るのひとり夕闇迫る この坂道をだけど今日は ふたり ふたり坂影もふたり ふたり坂遠まわりしたいほど幸福なのよ今日は ふたり ふたり坂揺れる ふたり ふたり坂黄昏のなか 続く坂道 「君の部屋が見えたら帰るよ」なんて意地悪ね わかるでしょ私もずっといたいの…

  • さよならによろしく – 秋ひとみ

    乾杯! さよならさん乾杯! 想い出くん乾杯! 私の恋 手づかみで カラカラと氷を入れて終わりそうな恋ひとつ ワイングラスに ゆらゆらと 想い出の 香りがして首筋のあたりにも 煙草のにおい乾杯! さよならさん乾杯! 想い出くん乾杯! 私の恋今 そこで あの人と別れ今 そこで 涙に出逢いひとりになったの 右の手で 片方のピアスを外し左手でめがしらを そっと押さえる 別れぎわ 渡されたマッチの裏にあの人…

  • キャンパスの想い出 – 秋ひとみ

    学生時代の 思い出はキャンパスのそばの 喫茶店仲良しふたりは いつもおしゃべりばかりひとり恋を知り ひとり恋をなくしいつかはなれてった 心だったわ女の友情なんて うわべのほほえみね涙の一つぶ 悲しみ一つで 変わってしまうのねその夜 書いた日記には涙がにじんでた ざんこくなことに 悲しみは好きな人も 同じにしたの仕方ないわねと あきらめはしたけれどひとり夢をみて ひとり夢をすてる恋の女神にも うらま…

  • サマー・メランコリー – 秋ひとみ

    あなたの視線に 気付いた時は海を見ていたの 彼とふたりでパラソルの下で 夏は止って忘れてた恋が ゆっくり動き出す声をかけないで 過ぎた夏はみんな幻姿見せないで 懐かしさはとても辛いわサマー・メランコリー 陽に灼けた肌はサマー・メランコリー もうあなたを忘れてる 彼から受けとる 冷えたジュースが飲みほせないまま 生ぬるくなる今だけ許して こんな感傷ひと泳ぎしたら 微笑んでみせるから思い出さないで 過…

  • 折鶴はとべません – 秋ひとみ

    私の心を 無理にたたんで恋という名の鶴を折った人あなたの指を忘れるために急いで逃げて来たのですラ……飛べません 明日が恐いから飛べません 愛がまぶしくて私は一枚の紙に戻りますあなたの想い出を包むだけの紙になるのです 私の心を 無理に広げて恋という名の鶴を裏返す楽しい夢がみえないように急いで逃げて来たのですラ…… 飛べません 明日が恐いから飛べません 愛がまぶしくて私は一枚の紙に戻りますあなたの想い…

  • 哀愁BOY – 秋ひとみ

    稲妻 それとも影法師私を捉えて離さない彼女がいると 打ち明けても遅すぎたのよ戸惑い隠して 忍び寄るあなたは 内気な 浮気者後めたさがそうさせたの隠れて会うなんて甘いささやき いつもの口癖も私だけのものだなんて 思いこんでたタバコを哀愁 くわえて哀愁手を振る哀愁 哀愁 哀愁後姿切なくて呼ぶのよ 哀愁BOY 砂浜 さざ波 ストライプ突然 私を抱きしめて思いがけないさよならなの泣きだす すきもないもしも…

  • シーサイド・ファラウェイ – 秋ひとみ

    銀色の星キラキラ まぶたにちりばめてドレスのすそをヒラヒラ 今夜限りの恋ね海も私も 泣いているわSea side Free way 忘れるわあなた Far-A-Way さよならねこの夜を この夏の 終りにして朝まで 燃えつきてゆきたいSea side Free way さよならねあなた Far-A-Way さよならねやさしい夏よ 朝焼けの海キラキラ 心に波うてばちぎれた雲がユラユラ 白い悲しみ運ぶ…

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