石野田奈津代

ひだまり – 石野田奈津代

帰りたい 帰れない
穏やかな 遠い町へ

夢見た大都会
ビルの隙間の空
足早な人の流れ
慣れてきたけど
今頃庭に咲く 朝顔やおじぎ草
風が運ぶ潮の香り 恋しくて

人付き合い 仕事や恋
うまくやる人 見るたび
ため息が足を止める
思い出す 大きな空

帰りたい 帰りたい
穏やかな あなたがいる町
帰れない 帰らない
この街で 明日を夢見る

苦しいことばかりや
冷たい人ばかりじゃないけど
時々わからなくなる
ここにいる意味

ひとりで過ごす夜には
電話をかけそうになる
手を止めて星を探す
思い出す やさしい声

帰りたい 帰りたい
夜をこえ 海を渡って
帰れない 帰らない
今 ここが私の街

西風よ 伝えてよ 私は元気でいます

もう少し もう少し
この街で 輝けるように
がんばれる がんばれる
帰る場所 あなたがいるから
いつも心に

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