真木柚布子

  • マンボ大阪パラダイス – 真木柚布子

    待っていりゃ来るわ 電車ならば待ってても来ない それが恋よ何度も泣いて傷ついて やっと逢えた人や夢のような幸せ 失くしたくないマンボ大阪パラダイス離れないどこまでも ついてゆくマンボ大阪パラダイス好きや ホンマ 好きや 尽くしすぎたなら 捨てられると分かっているけれど やめられへんあんたのために生きてゆく 恋は命懸けやだから言わんといてや さよならだけはマンボ大阪パラダイスもう誰も見えないの あん…

  • 空に刺さった三日月 – 真木柚布子

    馬鹿みたいだよね 涙みせるのは みっともないね過ぎる交差点 笑う人の波 しゃがみ泣くあの娘……ほっといておくれ 擦(す)りよるタクシー うんざりなのよ誰かを乗せたら 見向きもしないさ アイツと同じだね……ああ「死にたいよ」なんてただの意気地なしあんた一人じゃない 今夜泣きたいのはあんた一人じゃない 今夜消えたいのは空に刺さった三日月が シンシンとなぐさめる 馬鹿みたいだから 全部置いてきた アイツ…

  • 幾松物語 – 真木柚布子

    口説く男は 山ほど居るが膝には乗せない 雄猫も浮かれ京都の お座敷だけど呑んだ振りして 捨てる酒桂小五郎に芸者幾松 芸者幾松 エ~操立て 新選組の 目を逃れ物乞い姿で 身を隠す三条河原の 橋の下惚れた男の ためならばなんで惜しかろ この命人目忍んで 幾松が今夜も運ぶ 握り飯 「桂はん お身体気つけておくれやすもしも もしも 桂はんが死んだら私(うち)もこの世に居てしまへんえ。」 酔ってうたた寝 大…

  • 紅傘の雪 – 真木柚布子

    降り積もる 雪の重さに 耐えかねて二十四本の 骨さえも 砕けて落ちる 蛇の目傘しがみつく しがみつく しがみつく 女の性の愚かさよ行かないで 行かないで 男のずるさ 知りながら燃えて恋しや 紅傘の雪 雪下駄の 赤きつま掛け 雪をけり急ぐ花緒の 泣く声は どこまで続く いばら道絡みつく 絡みつく 絡みつく けだしの裾のもどかしさ行かせてよ 行かせてよ 一寸先も見えぬまま吹雪悲しや 紅傘の雪 しがみつ…

  • 満天の夢 – 真木柚布子

    降りそそぐ 満天の星に 誓う二人の 寄り添う影さざ波の 囁きに胸が ときめいて 夢見た 夏の夜どうぞ 私の思いを 叶えてください流れる星よ 幸せなあの日に 戻してほしい 夢の世界へ夜空見上げて あなた探すの 金色に 輝く星にも 一つ一つの 未来がある砂浜を 涙して今日も 思い出に たたずむ 秋の夜もしも あの時あなたを 信じていたなら流れる星よ 悲しみを運んで 姿を消して 闇の世界へ明日を夢見て …

  • 藍染の高尾 – 真木柚布子

    隠した心は 捨てたはず今更素顔に なれようか夢だけ置いて 行きなんし嘘で終われば 良(よ)いものを聞けば涙が あふれ出て一人の女に 戻ります 紺屋(こうや)のその手が 藍色に染めゆくものなら 今すぐと覚悟は誰も 止められぬ煙管(きせる)差し出す 指先は厚い化粧の その下でうっすら染屋の 色になる 待たせたお人に 尽します全てを委ねた 藍染の高尾を待って くれなんし今のうちから 少しずつ嘘も言葉も …

  • 時には花のように – 真木柚布子

    時には 桜のように 夢を運んで 舞いましょう時には バラのように 高鳴る胸の ときめきを愛しい人に 捧げましょう移り行く 季節はいつも 変わりなく雨風に 打たれる 時もあるけれど涙はいつか 枯れるもの それが人生 それが人生 時には すみれのように 陰でやさしく 支えましょう時には 百合のように あなたにそっと 寄り添って疲れた心 癒しましょう移り行く 季節はいつも 変わりなく足早に 時代は 流れ…

  • 大和路 – 真木柚布子

    「空蝉(うつせみ)のあはれ写(うつ)せし水桶(みずおけ)は揺(ゆ)るる恋唄(こいうた)とほく響きて」 山(やま)の辺(べ)の道 空青く緑の苔むす 秋篠寺(あきしのでら)あなた忘れの 旅なのについてくるのね 想い出が故郷(ふるさと)じゃないのに 大和路は哀しい時に 来たくなる さえずる鳥も 野の花も茶店ののれんも 暖かい揺れる川面に 浮かぶ顔そっと消します 手を入れて故郷(ふるさと)じゃないのに 大…

  • 春が咲く – 真木柚布子

    えにしの糸で結ばれた二人は野に咲く夫婦(めおと)花寒い北風むかい風心の春は まだ遠い…あなたと越える山や谷きっときっと(きっときっと) きっときっと(きっときっと)きっと咲きます 春が咲く 我儘(わがまま)ばかり言うけれどいつでも優(やさ)しい その笑顔尽(つく)し足(た)りない 私でも心はいつも あなただけ…男の道は 険(けわ)しいがきっときっと(きっときっと) きっときっと(きっときっと)きっ…

  • 足羽川雨情 – 真木柚布子

    お酒覚えた この頃は思い出ばかり めぐりくる桜舞い散る 浜町(はままち)あたり愛におぼれた 二人だけれど仰ぐ白山(はくさん) せつない夜は追ってゆきたい どこまでも枕さびしい 足羽川 今日も来ました 九十九橋(つくもばし)流れる川面 しのび雨山を彩る 紫陽花(あじさい)しぐれ抱いて抱かれて 芯まで燃えて合わぬ身の丈(たけ) ふたりの恋は甘い言葉が 今もなお女泣かせる 足羽川 思いたどって 愛宕坂(…

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