河合奈保子

  • メビウスのためいき – 河合奈保子

    いつになく酔ってた彼引き寄せた私の肩人の眼が気になるけどうれしかった あの日の夜だけどたぶんは クールなひと電話の向こう低めの声つぶやくように さよなら言って甘い言葉はない ためいきの連続だわ毎日がせつないだけこんなにも心の影見つめるの はじめてなの堂々めぐり 恋わずらい鏡の前の私の顔寝不足気味に まぶたが青く瞳うつろなだけ 混乱するのは 恋してる証拠もつれた心を ほどいてほしいのあー あなた罪よ…

  • 冷たいからヒーロー – 河合奈保子

    テニスコート 白いライン陽射しに きれいだわあなたの軽い フットワーク ボールを追う 瞳がふと虚(うつ)ろになるくらいあなた届かぬ 貴公子よ いくらでも 群がる女の子達をかわしひややかな あなたの目 冷たくするから 余計に神秘的クールな態度が 余計に気がかりだわ 私はただ 金網み越し少し 舌打ちする遠い存在 知らぬ間に ほんの昔 幼なじみいたずらばかりしたあの頃のこと 嘘みたい 時々は 気にしてる…

  • 言葉はいらない – 河合奈保子

    二人でいると何だかもどかしくて心の中の辞書を開いてはみるけれどあなたのことをどのくらい好きかなんてどんな言葉も今はみつからないの 星屑がこぼれる蒼い海でひとりにはなれないと感じていたの 計り知れない恋の病にかかってしまったと人は笑うけれど声にならない 想いの強さは世界中 誰より絶対に負けない あなたがたとえ黙りつづけても瞳でわかり合える あなたを抱きしめられる愛する気持ちは簡単に変えられない動きだ…

  • SENTIMENTAL SUGAR RAIN – 河合奈保子

    さよならじゃないのに 涙が出るの真夜中のバスを待つ濡れたベンチでキスした 幸せを捜しに 遠くへ行くのあなたにあふれている勇気を少し分けてほしい 愛された頃には我がまま言えても唇の熱さを今は告げられず Close my eyes Sugar Sugar Tear Rainsほろ苦いものね 優しさは淋しささえ夢と言った男(ひと)を愛したら No one I can love more like as …

  • 若草色のこころで – 河合奈保子

    (まっすぐまっすぐ あしたへつなげてく度に)若草色の景色が 窓辺をよぎって各駅停車 のどかなレールウェイ わだかまりなら 少しずつほぐれて人々の会話も ほほえましくて 小さな迷いを 風の中に飛ばすやぶれた恋なら すがりつきたくない かすめてゆく 若草の緑に明日からの私 たくしてゆくわ 膝のオレンジ 香りたつ春のいぶきに口に含むのが 惜しくて抱いている 愛していると 言えなかった恋は甘く熱さなかった…

  • Twilight Dream – 河合奈保子

    あなたのあとを たどる渚波がさわいでるだけ大きな背中 ふり向いた時に夕日輝いたの都会の風を 連れて来た人そのたびにまぶしくて私はいつも 何も言えないで愛を見送ったわ春から夏へと吹いてた季節風のような愛がなぜか よみがえるのです私に吹いてよ どうぞもう一度 四月の晴れた 日曜日です誰もいない黄昏あなたと二人 歩いてた女の姿 揺れるだけよ黒いコート 絹のスカーフ大人びたシガレット私は一人 何も言えない…

  • プリズム・ムーン – 河合奈保子

    あなたの指 ちょっと動いただけなのにピンクになるわたし言葉もとぎれたのさよならはまだ聞きたくないもどかしさの理由(わけ)を教えてどきどきするよな月です不思議な色した月です めまい…光は踊る秘密…それから先はないしょよ誘われたいから春です抱きしめられたら溶けます今夜はお願いあなただけのヒロインにしてプリズム・ムーン 私を変えて まつげは Blue 濡れて震えているみたい気づかれてるかしら強がりばかり…

  • リメンバー – 河合奈保子

    髪を切ったらあなたへの燃える想いが消せるでしょうか口づける鏡の冷たさあなたはいないわ… 二人で過ごしたあの夏がいまでは嘘のようだわ 初めて愛したひとだからあなたは素肌に消えないまま 心の破片(かけら)でもいいから私に置いてって……remember……夢で口づけてね…ah 渚の風さえ色を変え切なさつのらせるけど この髪触れればまだあなた優しく私にささやいてる 心の片隅にあなたも私を憶えてて……rem…

  • 涼しい影 – 河合奈保子

    涼しい影のようにあなた見覚えのある背中が立ち止まると振り向いた 嘘でしょう めぐり逢えるなんて風もそよぐのを忘れ木立ちだけがまぶしくて 月日がふいに なめらかな流れになる瞳だけ吸い込まれてTime is tender 想い出さえも透明にさせてくそっと二人 時間も言葉も動きも 風の中で止まる せつなさだけなら いとしさだけならこんなに心 ふるえないはず せつなさの糸と いとしさの糸が不思議にそっと …

  • まどろみスケッチ – 河合奈保子

    こもれ陽 ゆらめき風がひんやり 汗ぬぐううとうと まどろむテラス避暑地の午後 遠くテニスボール 打ちあう音が夢さそう メトロノームのよう 忘れたはずの あなたの面影ふいによぎってすぐ又消えてく心のすきま のぞいた 夢もよう グラスの氷が解けてカチリと音たてる読みかけ ミステリーひざに 広げたまま 今 砂浜を駆けだす私あなたの足に 追いつけなくて 忘れたはずの 小さな思い出ふいにくすぐりまつ毛をぬら…

Back to top button