春野寿美礼

前山にて – 春野寿美礼

山の音がする 山の匂いがする
あの日私の小さすぎた足跡
山の手ざわり 山の言葉
あの日私が夢中になったアリジゴク

この石段を昇り切れば小さな御堂があって
この石段を下り切れば待ってる人がいた

あと60年たったなら 私の身体も消え去って
あと60年たったなら あの梢だって軽々と飛び越えられる

山の朝露が 足元を濡らすよ
少しだけ気の早いツクツクホウシ
この山の朝を あなたにも見せたいよ
いつか二人で 二人きりで歩いてみたいよ

この石段を昇り切ればあの日の私がいる
この石段を下り切れば街へと続く道

あと60年たったなら 私の身体も消え去って
あと60年たったなら 見返りも求めず
あなたを愛せるかもしれない

(並ぶ杉の木. ひのきの小枝. セミのぬけがら. カミキリムシ.
石の野仏. 馴染みの地蔵. 赤い前かけ. おだやかな顔.
記憶をたどる. 低いえんがわ. 恐くて泣いた. 古い手洗い.
そして水アメ. 固いトウキビ. もぎたてキュウリ. 甘い水蜜.
そしてあの庭. かわいい野菊. 夕顔畑.大きさくらべ.
疲れて眠る. 午後の微睡み. あおぐ団扇と. 天井の顔.
絶えず聞こえる. せせらぎの音. 絶えず感じる. 前山の風.
前山の風. 前山の風)

前山の風が私を
涼しげに ああ 追いこしてゆく

あと60年過ぎるまで 私の身体が消えるまで
あと60年過ぎるまで 終われない歌はまだ 石段の途中

人気の新着歌詞

瞳をとじて – 春野寿美礼

朝目覚める度に 君の抜け殻が横にいるぬくもりを感じた いつもの背中が冷たい苦笑いをやめて 重いカーテンを開けよう眩しすぎる朝日 僕と毎日の追いかけっこだあの日 

時の流れに身をまかせ – 春野寿美礼

もしも あなたと 逢えずにいたらわたしは何を してたでしょうか平凡だけど 誰かを愛し普通の暮らし してたでしょうか時の流れに 身をまかせあなたの色に 染められ一

思秋期 – 春野寿美礼

足音もなく 行き過ぎた季節を ひとり見送ってはらはら涙あふれる 私十八無口だけれど あたたかい心を持った あのひとの別れの言葉 抱きしめ やがて十九に心ゆれる 

オリビアを聴きながら – 春野寿美礼

お気に入りの唄 一人聴いてみるのオリビアは淋しい心 なぐさめてくれるからジャスミン茶(ティー)は 眠り誘う薬私らしく一日を 終えたい こんな夜出逢った頃は こん

時の流れに身をまかせ ~パート2~ – 春野寿美礼

あなたのことは 忘れはしない今のわたしは 倖せだけれど若いあの頃 想いだすたび心の隅が 切なくなるの時の流れに 身をまかせあなたと同じ この空ちがった人生 歩い

未来へ – 春野寿美礼

ほら 足元を見てごらんこれがあなたの歩む道ほら 前を見てごらんあれがあなたの未来母がくれた たくさんの優しさ愛を抱(いだ)いて歩めと繰り返したあの時はまだ幼くて

卒業写真 – 春野寿美礼

悲しいことがあると 開く皮の表紙卒業写真のあの人は やさしい目をしてる町でみかけたとき 何も言えなかった卒業写真の面影が そのままだったから人ごみに流されて 変

もしも明日が – 春野寿美礼

もしも あしたが晴れならば愛する人よ あの場所でもしも あしたが雨ならば愛する人よ そばにいて今日の日よ さようなら夢で逢いましょうそして 心の窓辺に灯ともしま

少年時代 – 春野寿美礼

夏が過ぎ 風あざみ誰のあこがれにさまよう青空に残された 私の心は夏模様夢が覚め 夜の中永い冬が窓を閉じて呼びかけたままで夢はつまり 想い出のあとさき夏まつり 宵

愛に守られて – 春野寿美礼

悲しみより辛いこと 人生にはあるけれど傷ついても 泣き濡れても 若さだけで生きてた恋をしてもこの心 別れをまた急ぎだし友だちにもなれないまま いつも終り告げたけ

黄昏に傷ついて – 春野寿美礼

傷ついてもあなたのこと この胸から消しとれない出逢えた日の想い出を まき戻す涙よりも悲しいもの もしもあれば探すけれど愛が崩れ心さえも もう届かないいつの日か街

Adieu Marseille – 春野寿美礼

アデュー マルセイユ懐かしの街アデュー マルセイユ我が故郷お前を忘れる日など 一日も無いどれほど お前が懐かしいことか海から立ち昇る 地中海の潮の匂いと妖しく立

忘れられない – 春野寿美礼

あの唇が 忘れられない最後に ほほえみ死んでいった 青ざめた唇があの掌(てのひら)が 忘れられない最後に この手を握りしめた なめらかな掌が愛し愛され その愛ゆ

Cocktail-カクテル- – 春野寿美礼

グラスに口づけ してごらんよハートで感じて みてごらんよオオオ 体が熱くて踊り出すよ命が楽しく歌い出すよDrinking あなただけの 恋のテイスティーチャーリ

行かないで NE ME QUITTE PAS – 春野寿美礼

行かないで こんなにもあなただけを愛してる愛してる 心にもない言葉をふと気ままに 投げたこともあるけれどあなただけが すべてなの行かないで 行かないで行かないで

異邦人 – 春野寿美礼

子供たちが空に向かい 両手をひろげ鳥や雲や夢までもつかもうとしているその姿は きのうまでの何も知らない私あなたに この指が届くと 信じていた空と大地が ふれ合う

ハナミズキ – 春野寿美礼

空を押し上げて手を伸ばす君 五月のことどうか来てほしい水際まで来てほしいつぼみをあげよう庭のハナミズキ薄紅色の可愛い君のね果てない夢がちゃんと終わりますように君

Back to top button