平野愛子

君待てども – 平野愛子

君待てども 君待てども
まだ来ぬ宵 わびしき宵
窓辺の花 一つの花
蒼白きバラ
いとしその面影 香り今は失せぬ
諦めましょう 諦めましょう
わたしはひとり

君待てども 君待てども
まだ来ぬ宵 朧(おぼろ)の宵
そよふく風 冷たき風
そゞろ 身に沁む
待つ人の影なく 花片(はなびら)は舞い来る
諦めましょう 諦めましょう
わたしはひとり

君待てども 君待てども
まだ来ぬ宵 嘆きの宵
そぼ降る雨 つれなき雨
涙にうるむ
待つひとの音なく 刻む雨の雫
諦めましょう 諦めましょう
わたしはひとり

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恋にやつれて 泣かされて弾けばギターの トレモロも咽(むせ)び泣くよな 花の雨今度逢うのは いつの夜逢うた嬉しさ すぐ消えて淋しい別れの いま続くほせど冷たき 

泣かないで – 平野愛子

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港が見える丘 – 平野愛子

あなたと二人で来た丘は港が見える丘色褪せた桜唯一つ寂しく咲いていた船の汽笛咽(むせ)び泣けばチラリホラリと花片(はなびら)あなたと私に降りかかる春の午後でしたあ

あなたは知らない – 平野愛子

沈む夕陽も 紅(くれない)の想いを残す あかね雲私の心は 風になり後を追うのを あなたは知らない街も牧場も 照らす陽の心を花が 知らぬよに日暮れてテラスに しぼ

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