島崎ひとみ
海を見ていた午後 – 島崎ひとみ
あなたを思い出す この店に来るたび
坂を上って きょうもひとり来てしまった
山手のドルフィンは 静かなレストラン
晴れた午後には 遠く三浦岬も見える
ソーダ水の中を 貨物船がとおる
小さなアワも恋のように消えていった
あのとき目の前で 思い切り泣けたら
今頃二人 ここで海を見ていたはず
窓にほほをよせて カモメを追いかける
そんなあなたが 今も見える テーブルごしに
紙ナプキンには インクがにじむから
忘れないでって やっと書いた遠いあの日
あなたを思い出す この店に来るたび
坂を上って きょうもひとり来てしまった
山手のドルフィンは 静かなレストラン
晴れた午後には 遠く三浦岬も見える
ソーダ水の中を 貨物船がとおる
小さなアワも恋のように消えていった
あのとき目の前で 思い切り泣けたら
今頃二人 ここで海を見ていたはず
窓にほほをよせて カモメを追いかける
そんなあなたが 今も見える テーブルごしに
紙ナプキンには インクがにじむから
忘れないでって やっと書いた遠いあの日
冷たい風がまだ幼い春を連れてくる何も言わずにはじまっていく新しい季節ぬくもり残る あなたのカケラ長い夜の中で孤独と優しさ寄せ合い二人でみた夢も人波が飲み込んでい
長い暗闇をぬけて やっと触れたココロここに 感じる 瞳を閉じてくだらない強がりばかり ぶつけ合ってきたね今は 遠い はしゃぎ合えた日々伝えたい伝わらないあなたが
あの日あの偶然二人を走らせた一人じゃない現実さえ見えないくらいそう わかってた時が経って全てがあの頃とは変わったことゆっくりと溶けていく離れてた時間懐かしいぬく
突然目が覚めた 窓をたたく雨音染みついていた生ぬるい 影どこまで戻れば違う「今」をよんだの滲んでいく 月あかり耳にまだ残るあの日 消えた 足音淡い 闇に 溶ける
そっと置いた言葉で 罅が入るやっと在る ガラスの空間出会った頃の二人はどこに消えたの?泡みたいに‥‥どこかで逃げていたこと二人 優しさのカタチすれ違い 真横を通
今日で終わろうね 二人重ねた日々さえもずっとそばにいると 約束した夜も些細なことで ケンカしたのはピリオドをつけないあなたがだした 私へのサイン離れてくあなたを
生ぬるい夢の中 二人 歩いてるあてもない静寂の中傷だらけの手を縛って重ねた誓いは 互いを飲み込んでもたれあい絡まりながら夜の闇に逸れていくこのコエは届いています
彼女に言えない 秘密の中で私とあなたの 罪が生まれる友達のフリは たぶんできるわ嘘の匂う嘘で うまくかき消すずっとずっとこのままでいれたらいいねって言うけど素直
雲がつつんだ ざわめく街で感じたあなたに似た気配が 時間を止めたちくっと疼きだす引き出しにしまったまだ柔らかい二人の淡い日々ひとりじゃ広すぎるこの孤独足が竦む未