大江千里

  • 彼女によろしく – 大江千里

    彼女のことをよろしくとなさけなく笑えばいいのかひげもそらずにうつろいだこのぼくを話せばいいのか 悲しみは何故 どちらが多く背負って生きてゆければいい 情熱を消さないでわからずに愛しすぎないでそれだけの気がかりをひきずるようなぼくが悲しいだけ 今も 他の誰にもわからないきみの良さ ぼくなら見つける割れた歩道に耳を寄せ変わっていくきみを見送る 悲しみは何故 どちらが多く背負って生きてゆけばいい 情熱を…

  • 六甲GIRL – 大江千里

    六甲 GIRL しかめた眉でボンネットを手でたたいた六甲 GIRL 短く切った前髪を少し揺らした六甲 GIRL 遅刻しすぎるぼく 責めたてるように 残りの金曜全部映画を観ようと言ったそんな最初のプランは暮れの街にもみ消されそうさ 来年の頭すぐに逢えなくなってしまうからさらって行きたかったのさあんな星に手が届くカーブへ 口ではうまく言ってもやり場のない苛立ちをきっと気づいていることぼくはわかってた …

  • million kiss – 大江千里

    弱気で 照れてちゃだめさきみのために ぼくは待ってるわけじゃないよ出逢った すぐそのあとで別の誰に 心動いたってしょうがないさ いつだって 突然 恋は始まる思いがけない 出会いは いつも奇跡引き起こすよ きみの耳に きみの髪に100年前も同じくせと 同じ場所でYes, we catch million kiss ほどけた Gパンのすそつまみながら きみは人目を気にしてるその目を くもらせないで誰の…

  • ロマンス – 大江千里

    ロマンス 出逢う前よりも倍以上淋しくなる恋なんだ 左手の日やけのうまい言い訳も海へ抜けるトンネルでなんとなくごまかされそうフロントミラーの少し向きかえて100まで数えたら 気づかないふりもできる ロマンス 運命を変える波の音が聞こえたらロマンス 出逢う前よりも倍以上淋しくなる恋なんだ 君が今までに出逢った中では最低の男になるよ負け惜しみなんかじゃない ロマンス 前のトラックの積み荷が傾くたびにロマ…

  • バンドをつくろう – 大江千里

    この前に逢ったよりもやせたみたいだね彼氏とはうまくいってる口では言うけど今年はどんなところでX’masをするの彼氏も呼んでみんなで楽しくやろう 通りの雪が眼鏡に映る頃きっと見えない何かが見えるはず バンドをつくろう時間をつくろう集まれば 何か始めようイブまでに 昔のように ガレージを整頓してスネアを張り替えて古いラジカセを出して曜日をきめよう 街のムードに悲しくなった夜痛むくらいに想い…

  • コスモポリタン – 大江千里

    もう肩の荷を降ろして瞳の奥を見てあなたが愛した母国をぼくは宿してるの 黒い髪と忘れそうな日本語が悲しいくらいあなたに似合っている コスモポリタンぼくのしてきたことは何この手がとどきそうなあなたに言葉も捜せずに 子供はジープをたたき行き先を問うけどあなたは答えはしない先をいそぐばかり ひざに泳ぐ虫をはらえずにあてを捜す贅沢をうらやむように コスモポリタンアジア中の汗がしみこむ力のない大地をぼくはこれ…

  • 愛するということ – 大江千里

    さけそうで はりさけそうでその胸をひきちぎるほど強く強くぼくが抱きしめる霧雨に沈める頬を照らすようなあまりにきみはぼくの何をそっと抱きしめる これじゃ言葉も泪も悲しすぎる 自由なんていらない平和なんていらないきみがそばにいればいいきみが全てになればいい つまらなく ひきずるような優しさが残酷になるぼくはきみをきっと許さない胸元に確かめるように耳をあてこの手に残るシャツの香りそっと抱きしめる きみは…

  • 手垢のついたステイショナリー – 大江千里

    きみの特徴を一言で言うと気難し屋のガールフレンドつまらぬことに必死すぎてもぼくにはわかるガールフレンド くしゃくしゃのえり ケシゴムの粉きみはもういない 手垢のついた画用紙にきみが残したメモリーズ しょっぱすぎたねくだらないわけで大切なきみを失った若さが今もせつないよ あれからぼくも働き始めきみの噂もきかない 二人で行ったアトリエもない バーゲンが近い今の彼女はきみに似ている 気の強いとこが 手垢…

  • 御免ライダー – 大江千里

    誰にもできないさ どこにもいないさ俺は今日もとんがって 流星になってさあローリンローリン通りをかけて行くのさ コレはいいマシンさ 探してもないさ俺はコレにまたがって 流星になって フェラーリより速く より美しくただローリンローリン通りをかけぬけたいのさしゃかりきになって また朝になって 俺ははやぶさのライダー 怖いもの知らずのライダー スピードを 誰にも言えないさ 誰も聞かないさなぜ走るのかって …

  • Rain – 大江千里

    言葉にできず凍えたままで人前ではやさしく生きていたしわよせで こんなふうに雑に雨の夜にきみを抱きしめてた 道路わきのビラと壊れた常夜燈街角ではそう だれもが急いでたきみじゃない悪いのは自分の激しさをかくせないぼくのほうさ Lady きみは雨にけむるすいた駅を少し走った どしゃぶりでもかまわないとずぶぬれでもかまわないとしぶきあげるきみが消えてく路地裏では朝が早いから今のうちにきみをつかまえ行かない…

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