坂本真綾

  • 一度きりでいい – 坂本真綾

    半信半疑なのは 今私の善悪が来世の偏差値に影響するとかしないとかやんわり脅されている 毎日 No,欲しくないのもういらないの ああNo,やりたくないのもうできないの これ以上 一度きりでいいわ私が生きるのは これで最後にさせて一度きりでいいなら本気出して生きてみる 死ぬほど 因果応報などと言って 誰もが冷ややかに落ちてく人影が見えても見えないふりできる減点を免れている 上手に No,何度やったって…

  • Anything you wanna be – 坂本真綾

    溶けだしたアイスが 手首をつたって滑り落ちていく急いで追いかけなきゃ ぜんぶ味わいたいの終わらせたくないの やりたいこと やりたくないことやるべきこと やらされてること上手に分類できないいつだって 何をするにも みんなより時間がかかって だからベイビー ベイビー ベイビーお願い私だけベイビー ベイビー ベイビー置いてって準備ができてないの自由の意味もわかってないのに 乗りかけたバスを見送って 私は…

  • まだ遠くにいる – 坂本真綾

    雨音に目を覚ます 夜明けにはまだひどく遠い <遠くに>昔聞いたことがある 世界が壊れる前の記憶 <記憶が> 獣たちの声 群れを呼ぶように高く 明日を待たずに走り出す 僕らは地上の子供たち生まれた時代を生きるだけ 答えがあるかはわからない 転がりながら 煽られながら 心がバラバラ砕けてでもまだ瞳が叫んでいるこらえきれない 隠しきれない 涙がぼろぼろこぼれて生きているんだ 生きてゆくんだ 命がきらきら…

  • 空中庭園 – 坂本真綾

    蔦の絡んだ扉を開けて 連れられるがまま覗き込んだら 木の実の赤が こっちを見てた 優しい水の音が流れ出す異世界かしら 疑いたくなるほどに 眩しすぎる あの日の空に今 今 色がついてく 思い出せる駆け回ったんだ 風と あれは空中庭園 記憶浮かぶ追いかけた光 その先はいずこ 地上ではなく 天空でもなくて どこでもない場所懐かしいけど 実在したか不確かなのは確か 思いたくもなる どうしてかしら 今頃思い…

  • 体温 – 坂本真綾

    油断してたのかもでも そもそも思わせ振りな生き物でも凍らせたはずの気配が揺らいで 揺らいで 指紋のように浮かび上がる悲しみがあった疑問だらけで埋め尽くされてるよ あれから あのとき あのままで曖昧に封じ込めた出来事平気なつもりでいたし 平気な振りしてた 分かり合える事なんかない分かり合いたい訳でもない僕は君じゃないし君は僕じゃ、君は、僕じゃない 体内に眠る物語を飼い慣らしながらね上手に息を吸っては…

  • タイムトラベラー – 坂本真綾

    夢を叶える前の僕に 会いに行けるすべがあったとして何を言えば救えるだろう傘を畳んだまま 立ち尽くしてる 望みを手にしたその時から失う未来に怯える日々が始まるなんて思いもしないで 僕は脆くなって 小さくなって手に残った一握の愛さえ震えながら 祈りながら強く抱いて 押し潰してしまうどうすればよかった答えがあるなら わずか100年先のことも 僕ら知るすべなく消えてくのにほんの短い時を生きて 何を知ってる…

  • 鏡の中で – 坂本真綾

    私は もともと 喋らない 鏡の 中であなたが 私を 覗く時 私も 見てるあなたは 私の 目を見て 夢や 悩み 語る 楽しみなこと 友達のこと 気になる人がいること褒められたこと 怒られたこと 私はただ聞いている鏡の中で 私は いつでも そこにいる 時計と ともにあなたに これから 起きること 私も 見てるあなたは 着替えて 出て行く 今日は 何を するの? 表は広い 風は冷たい このあと何が起きる…

  • ないものねだり – 坂本真綾

    君は持ち歩いてる ポケットの中にとても珍しくて世界にふたつとないものいつも見慣れてるからわかってないんだねピカピカに光っていても 嬉しくないみたい ああ どんな気がするだろう 僕が君なら雲を駆けるようかな ふわりふわりふわりふわり僕にないもの持ってる君が嫌いだそんな僕がもっときらいきらいきらい ねえ いらないなら もらってもいいかなあそれは僕にとって 特別なものだよ 僕は持ち歩いてる ポケットの中…

  • un_mute – 坂本真綾

    耳澄ませば風を揺らし夕立が駆けてくる音がする 耳閉じれば体じゅう絶え間なく脈を打つ音がするよ 何度も何度でもくり返して疲れたその心をらくにして 動きを止めることない万物の時の中どれくらい あとどれくらい 待てばいい聞こえない振りをしてる君のいる隠れ家の窓を開けてよ 半分でも 手をはなして塞いでる右耳と左耳の 知らないうちに春は訪れ 根雪溶かした遠雷響く空夏の終わりに世界は 音や煌めきに 満ちてる …

  • discord – 坂本真綾

    風向き 春めいて 着飾った 人の群れざわめき 空めいて ふざけあう 笑い声 雑音に 飛び込んで 溶け込んで一秒を 消費して 浪費して 抜け出したい ここから 螺旋の外側誰か 出口教えてよものたりない 何か間違ってる どこかが決して口にはできないもう わかんない 気持ちいい音を探してる調律された世界の 完璧な世界の私 何が不満なの 午前0時 重なった 針と月 <今なら 変われる?>隠していた扉が開か…

Back to top button