加川良

戦争しましょう – 加川良

もうずい分 昔のはなし
大東亜戦争のころ
日本空襲 花ざかり
大日本帝国 苦戦中

沈黙続けていた 一人の男
神国大和の国のため
もうがまんできんと馬にのり
全国各地をかけめぐる

空襲のがれた おもちゃ屋で
花火をたくさん 買い集め
花火の火薬をぬきとって
大きな爆弾 2個つくる

大日本帝国 すくう道
最早 これしかないんだと
大きな爆弾 2個かつぎ
太平洋を泳ぎだした

アメリカよ まだかまだかと
ふんどし1つに 刀を下げて
急がねば 急がねば 急がねばと
太平洋を泳いだのだ

思えば彼の目も足も
仲の良かった友達も
アメリカ B-29 の
えじきとなって 死んだのだ

ナポレオンを思い出し
不可能はないとがんばった
歯をくいしばり泳いだのだ
そのかいあってアメリカへ
アメリカ上陸 あいなった

ところが月日は 流れてた
日本敗戦 アメリカ勝利
今じゃ仲よくやっているという
おこった彼は 再び日本へ

国会議事堂 前にして
ギョロ目 出てこいとさけんだが
所は交通地獄の どまんなか
車にあてられ死んだという

これは大日本帝国の
勝利と正義 ひたすら信じ
真実一路に 歩みつづけた
勇敢な男の物語

日本国民 政府の皆様
あなたの夫や子供や親の死を
犬死にさせないためにも
今こそ 立ち上がる時です

今すぐ戦争の用意をしましょう
今すぐアメリカをせめましょう
戦闘開始いたしましょう
そして そして 勝ちましょう

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