内田あかり

素顔 – 内田あかり

本当は海辺の貝のように
身体をとざしていたかった
あなたに誘われ気持が動き
男の真心しりました
あゝ女が素顔を見せるのは
あなたにすべてをあずけたからよ

たとえば谷間の百合のように
寄り添いひっそり咲きたいわ
あなたの手拍子わたしが小唄
小さな夜更けを過ごしましょう
あゝ女が素顔を見せるのは
やさしく抱かれて眠りたいのよ

だまって五月の雨のように
あなたの小窓に降りたいの
そろいの浴衣でお酒を飲んで
目と目でお話したいのよ
あゝ女が素顔を見せるのは
あなたにすべてをあずけたからよ

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ノラ – 内田あかり

やめて…下手な嘘 抱いて…今はただ雨にぬれたノラ 帰りついたあんた…いい女なら 割りきってあげるわ誰となく 惚れてないと駄目な 駄目な ひとなの――…好きよ…好

最愛の恋人(ひと) – 内田あかり

あなたがいなければ 一人で生きてたでしょう心に小さな 木枯らしを抱いて私の肩の上 あなたの手のぬくもりが言葉より伝えるの やさしさを愛するひとよ あなたに出逢え

つぶやき – 内田あかり

そっとはずした 腕枕星の数から 選んだ男(ひと)よ酔えばやんちゃで 子供みたいな可愛いずるさも 愛しくてシャララ 夢に シャララ とけてく甘い時間(とき)は つ

人形の家 – 内田あかり

顔もみたくないほどあなたに嫌われるなんてとても信じられない愛が消えたいまもほこりにまみれた人形みたい愛されて捨てられて忘れられた部屋のかたすみ私はあなたに命をあ

今夜だけ – 内田あかり

今夜だけ もう一度抱きしめられて 眠りたい明日(あした)の朝は見送らないわ 後ろ姿を夢追いかけて 旅立つあなた何歳(いくつ)になっても翼があるのね 男って…この

夜噺 – 内田あかり

遠くで汽笛聞こえるみたいもうすぐ夜明けね寒いの肩が 唐紙しめてもすこし眠りたいあゝ恋の鎖で あゝむすばれながらあゝ闇に舞い散る かすみ草愛され ウム… 愛して 

花のように鳥のように – 内田あかり

そこにあるから 追いかけて行けばはかない 逃げ水のそれがしあわせ あるよでなくてだけど夢見る 願かける花のように 鳥のように世の中に生れたら いちずにあるがまま

石狩挽歌 – 内田あかり

海猫(ごめ)が鳴くから ニシンが来ると赤い筒袖(つっぽ)の ヤン衆がさわぐ雪に埋(う)もれた 番屋(ばんや)の隅でわたしゃ夜通し 飯(めし)を炊くあれからニシン

私のために死ねますか – 内田あかり

(ナレーション)現世(うつせみ)の命絶えても永遠(とこしえ)にわれきみともに 愛かき抱くあなた こたえてくださいな愛して恋して 一緒になって死ぬまでしあわせ 誰

釜山港へ帰れ – 内田あかり

椿咲く春なのに あなたは帰らないたたずむ釜山港(プサンハン)に 涙の雨が降るあついその胸に 顔をうずめても一度倖せ かみしめたいのよトラワヨ プサンハンへ 逢い

大田ブルース – 内田あかり

別離(わかれ)のことばも 云えないままに二人をひきさく 太田(テジョン)発0時50分逢えるその日は 来るだろか堪(こら)えきれずに 泣けてくるあ……離しちゃいけ

挽歌 – 内田あかり

やはりあのひとは私を送りに来なかったにぎわう夕暮れ人ごみの中私はただバスを待つ悲しみだけを道案内に想い出色の洋服を着て辛くないと言えば嘘だわあのひとのことが気が

二人でお酒を – 内田あかり

うらみっこなしで 別れましょうねさらりと水に すべて流して心配しないで 独(ひと)りっきりは子供の頃から なれているのよそれでもたまに 淋しくなったら二人でお酒

雨の御堂筋 – 内田あかり

小ぬか雨降る 御堂筋こころ変りな 夜の雨あなた… あなたは何処よあなたをたずねて 南へ歩く本町あたりに あなたはいると風の知らせを 背中で聞いてこんな…女がひと

他人の関係 – 内田あかり

逢う時には いつでも他人の二人ゆうべはゆうべ そして今夜は今夜くすぐるような指でほくろの数も 一から数え直してそうよ はじめての顔でおたがいに又も燃えるの愛した

女の意地 – 内田あかり

こんなに別れが 苦しいものなら二度と恋など したくはないわ忘れられない あのひとだけど別れにゃならない 女の意地なの二度と会うまい 別れた人に会えば未練の 涙を

お手やわらかに – 内田あかり

私の負けよ お手やわらかに今夜は逃げないわ悪魔のような あなたの腕に抱かれるつもりなの少々くやしい気もするけどあなたには とうとう落された一年も二年もふったのに

お久しぶりね – 内田あかり

お久しぶりね あなたに会うなんてあれから何年経ったのかしら少しは私も 大人になったでしょうあなたはいい人 できたでしょうねお茶だけのつもりが時のたつのも忘れさせ

桃色吐息 – 内田あかり

咲かせて 咲かせて桃色吐息あなたに抱かれてこぼれる華になる海の色にそまるギリシャのワイン抱かれるたび 素肌夕焼けになるふたりして夜にこぎ出すけれどだれも愛の国を

つぐない – 内田あかり

窓に西陽が あたる部屋はいつもあなたの 匂いがするわひとり暮らせば 想い出すから壁の傷も 残したまま おいてゆくわ愛をつぐなえば 別れになるけどこんな女でも 忘

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