光川幸一

天城旅枕 – 光川幸一

伊豆の夜雨を 耳にして
胸に抱かれる 旅枕
別れられない この指先に
熱い唇 あてられて
姿 崩れる 天城の宿よ…

人に隠れる この罪を
続けながらの 旅枕
なんでひとりに なれるでしょうか
俺と死のうと いわれたら
いやといえない 天城の宿よ…

おんな一途の 恋ごころ
湯の香染めての 旅枕
山を濡らして やまない雨は
明日のわたしを 泣く雨か
朝よこないで 天城の宿よ…

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