佐伯一郎

壷坂しぐれ – 佐伯一郎

妻は夫をいたわりつ、夫は妻に慕いつつ…

山の瀬あらう せみしぐれ
あれはお里の 呼んでる声か…
一寸先まで この世は闇夜
男 沢市 思案の渕に
命捨て身の 露ひとしずく
越えて壺坂 越えて壺坂 別離塚

粉雪 小雪 幾山河
耐えて来たのか この手を引いて
想えば切ない 運命が辛い
お里 許せよ 先立つ俺を
何時かこの世で めぐり逢えたら
俺はおまえを 俺はおまえを 離さない

夢ではないか 月あかり
なぜにお里が この眼に見える
夢なら覚めるな お里よ泣くな
男 沢市 命を賭けて
苦労七坂 峠を越えりゃ
夜が明けゆく 夜が明けゆく 夫婦道

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たった一寸 小さな駒に男五尺の いのちを乗せる浪速根性 どろんこ将棋暴れ飛車だぞ 勇み角意地を通して 泣かせた駒に詫びる三吉 誰が知る長屋暮らしの しがない身で

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命の酒 – 佐伯一郎

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