中条きよし

  • バー瓦欺灯 – 中条きよし

    ジンをロックで ライム絞って失くした恋に 乾杯しよう窓を横切る 船灯り港 坂道 バー瓦斯灯(ガスライト)あの頃は よかったなんて言えばすべてが 負け惜しみだねベイサイド・ブルース 時代の風に逆らってベイサイド・ブルース 生きて来たけどただのやせがまん それが男だとカッコつけたって思い通りには 行かないもんだよ嘆きはしない 夜が更ければ 昔馴染みがグラス重ねて バイブレーション噂話に 花が咲く霧笛 …

  • カサブランカ浪漫 – 中条きよし

    雨に濡れてる 白いカサブランカ気高く清らな 君と重なる二人は 愛し愛されて幸せな日々 夢見てた冬の木枯らし 吹き荒れた夜でも肌寄せ合って 夜明けに溶けた 月の明かりに まつ毛の影揺れて涙のしずく 頬に散らばるふたりで 暮らすアパートに季節の悪戯(いたずら)秋の風片方だけの 真珠のピアスは君の忘れ物 仕舞ってあるよ いつかは 君と寄り添って静かに海辺で 暮らしたいそれも叶わぬ 今は遠い夢さほろ苦さだ…

  • 愛のカルテ – 中条きよし

    あなたの哀しみも 傷口のいたみも私にはわかるの 愛しているから別れも… 裏切りも…人生に溶けてゆく 苦い薬よねえあなた もう一度胸の音を聞かせて今夜書きかえるあゝ 愛のカルテ 背中の淋しさも 別れの数さえ私にはわかるの 愛しているから涙も… 熱い血も…人生のある限り 枯れはしないのねえあなた もう一度私の手を取って今夜書きかえるあゝ 愛のカルテ ねえあなた もう一度胸の音を聞かせて今夜書きかえるあ…

  • 北の灯り – 中条きよし

    雨のすきまに 面影を追えば虚しい レンガ道二度目の旅の 約束を果たせぬままに そのままにあゝどこへ行こうと おまえだけあゝ誰に逢おうと おまえだけさがす睫毛の淋しさを知っているよな 北灯り おまえ失くした 風穴にこうも虚しい 風が吹く写真を胸の ポケットに連れて一人で 来たけれどあゝどこへ行こうと おまえだけあゝ誰に逢おうと おまえだけ酔わなきゃ眠れぬ夜ばかり二泊(ふたつ)重ねた 北ホテル あゝど…

  • 迷子の男たち – 中条きよし

    誰もこの世に 生まれたからにはいつでも幸せ 求めて生きてる変わりつづける 時代(とき)の中で未来(あす)をさがして 男たちがふらりふらふら夜の街とろりとろとろ酒を飲む過去(むかし)は良かったと 思い出を語る迷子の迷子の男たち そうさ前なら 人の心にはやさしくいたわる 言葉があったよ甘い時代を 引きずって蜜を探して 男たちがふらりふらふら夜の街ほろりほろほろ酒を飲む泣いて笑って 寂(さび)しさ分け合…

  • 忘れ草 – 中条きよし

    消えるはずがない 淋しさ消せるはずがない 昨日心にふりつもる雪過去という名のボタン雪この世にどうして咲こうとするのか宿命(さだめ)知り乍(なが)ら……おれもおまえも どうせ二人は冬の忘れ草 みえるはずがない 行く末ともるはずがない あかり春でも凍りつく道つらいこの世のけもの道他人(ひと)にかくれて咲こうとするのか宿命(さだめ)知り乍(なが)ら……おれもおまえも どうせ二人は冬の忘れ草 とけるはずが…

  • 理由 – 中条きよし

    あのひとと別れた理由(わけ)は何んでもないの夜明けに帰って来た彼の背広についてた口紅が許せなかっただけのことマージャンしてたと言いわけも投げ出すように冷たくて熱いコーヒー いれながらもうおしまいねと 泣きました あのひとと別れた理由(わけ)は何んでもないの夜中にかかって来た電話あのひと出してと親しげな若い女の笑い声誰よと責めても答えない煙草輪にする横顔に男ごころを見たようでもうこれきりねと 泣きま…

  • 夢さぐり 愛さぐり – 中条きよし

    恋は破れて 傷つくものと知っても くりかえす愛のかたちを 教えてよ落ちてく前に夢さぐり 愛さぐり誰に抱かれて眠ればいいの夢さぐり 愛さぐり身体が熱い夜は 熱い夜はひとりじゃ 切ないよ泣いた数ほど 未練はあるがあなたが 気にかかる逢えばなおさら 辛いのに恋しさ 募る夢さぐり 愛さぐり誰を愛して 生きればいいの夢さぐり 愛さぐり涙に濡れる夜は 濡れる夜はあなたが憎らしい夢さぐり 愛さぐり噂たずねて さ…

  • 風が泣くとき – 中条きよし

    風に誘われ 男は歌うよ闇に凍えて身を切る 木枯らしに乗せてひとときだけ帰る 想い出の歌は寂しい男の 流し歌 風と一緒に 男は走るよきいてくれるな俺たち 行く先は闇さはぐれたもの同志 ぬくもりを逃げてつめたい日陰を 生きて行く 風に吹かれて 男はわらうよ知らず知らずにこころを かわかせたままで恋も夢も過去も 口笛で捨てた気がつきゃ独りの はぐれ道 風に押されて 男は旅立つ死んでたまるかおまえに 会う…

  • あの日の嘘のつぐないに – 中条きよし

    北窓ひとつの 小さな部屋で淋しく暮らして いたんだねほんのり うす口紅(べに) 爪噛むくせも変わっちゃいないよ あの頃とああ ああ おまえって泣かす女だね許してくれとは 言えないが陽だまりみたいな 幸せをあの日の嘘の つぐないに 男の気ままで 放浪(さすらい)ぐらし小樽に三年 萩二年ゆきずりの花を 散らせるたびに心のどこかで 探してたああ ああ おまえって俺のふるさとさ分かってくれたら 泣かないで…

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