ヨルシカ

  • パドドゥ – ヨルシカ

    優しい風の音が頬撫でる雲間鮮やか、揺れ花菖蒲この場所を僕らは覚えてる立ちくらみ、不格好風に流されて腰を下ろす原夏草は肌に擦れるまま思い出の中に貴方はいる 優しい風の音が頬撫でる土用の縁側、言葉足らず雲の下へ続く田舎道夏木立、不格好風に流されて足を運ぶままあの頃指差して進むまま 「さぁさぁもっと踊っていようよ腕を引かれるまま、情け無い顔のままで一生踊って暮らしていようよもう考えないでいいよ」 優しい…

  • 第一夜 – ヨルシカ

    貴方だけを憶えている雲の影が流れて往く言葉だけが溢れている想い出は夏風、揺られながら 朝目が覚めて歯を磨く散歩の前に朝ご飯窓の向こうにふくれ雲それを手帳に書き留めて歌う木立を眺めます通りすがりの風が運んだ花の香りに少しだけ春かと思いました 貴方だけを憶えている雲の影が流れて往く言葉だけが溢れている想い出は夏風、揺られながら 昼は何処かで夢うつつふらり立ち寄る商店街氷菓を一つ買って行く頬張る貴方が浮…

  • さよならモルテン – ヨルシカ

    借りた本を片手に持って川沿いの歩道を行く読み終わりまであと2ページその先が知りたくない 鳥に乗って旅する少年どこまでも北へ行く相棒はガチョウのモルテンそんな小説を読む さよならモルテンいつも僕らは飛ぼうとしていた腕を開いて、高く跳ねた何も起こらない癖に さよならモルテン君は転がりながら笑った土の匂いが少し香る胸が詰まりそうになる夏が来ていた 悲しみって資産を持って夏前の道を行く読み終わりまであと2…

  • 都落ち – ヨルシカ

    花咲くや 赤ら引く頬にさざなみ寄るは海貴方は水際一人微笑むだけ今、思い出に僕は都落ち 鼻歌、綺麗だね明日には往くんだぜ海猫が鳴いたね鳥でも泣くんだね 心なし乾いたら別れの時間だぜ夏風揉まれて貴方に浅い影 さらり花咲くや あから引く頬にさざなみ、夜は海貴方は水際一人手を振るだけ今、思い出に僕は都落ち 朝焼け、綺麗だね舟はもう発つんだぜ海猫が鳴いたね貴方も泣くんだね 人里離れて鳴る音は向かい波飛ぶ鳥は…

  • 451 – ヨルシカ

    あの太陽を見てた深く燃えてる見れば胸の辺りが少し燃えてる道を行く誰かが声を上げた「見ろよ、変な男」と笑いながら 指の先で触れた紙が一つ遂に燃えた さぁ引火して 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして 燃やして喜びを愛してさぁ昇華して 踊って 踊って 踊って 踊って 踊って 踊って ほら、集まる人の顔が見える俺の蒔いた炎の意図を探してる見ろよ、変な奴らだそんなに声を荒げてたかが炎一つに熱を上げてる …

  • いさな – ヨルシカ

    あなたの胸びれ窓辺を泳いで柔らかに溶けた琥珀のよう あなたの鼻先背びれと口髭静かなまなこはまるで夜の 話して 鳴いて僕ら波を掻いてた陸に想い馳せるように 瞼を落として 蓋してすぐは覚めないほど眠って呼吸を吹かしてさぁ深く泳いで 泳いで眠りの浅いその波間を白く微睡みながら あなたのさえずりソファの木漏れ日柔らかに揺れた海辺のよう 笑って 泣いて僕ら波を待ってるじきに思い出せるように 波間を旅して 潜…

  • アルジャーノン – ヨルシカ

    貴方はどうして僕に心をくれたんでしょう貴方はどうして僕に目を描いたんだ空より大きく 雲を流す風を呑み込んで僕のまなこはまた夢を見ていた 裸足のままで 貴方はゆっくりと変わっていく とても小さく少しずつ膨らむパンを眺めるように貴方はゆっくりと走っていく長い迷路の先も恐れないままで 貴方はどうして僕に名前をくれたんでしょう貴方はどうして僕に手を作ったんだ海より大きく 砂を流す波も呑み込んで小さな両手は…

  • 夏の肖像 – ヨルシカ

    だからもっと踊るようにほろりほろり落ちるようにさよならは花咲くようにそれは夏の木漏れ日のよう 寂しい雨上がり、花を見つけてぽっかり空いたような貴方の心少しだけ歩こうか 風の吹く間に草のそよげば何となく誰かを待つ 忘れるたびに増やすことが悲しいのでしょう だからもっと踊るようにほろりほろり落ちるようにさよならは花咲くようにそれは それはだからもっと踊るようにあぁ僕らずっと一つじゃないの涙拭けば雨のよ…

  • 月光浴 – ヨルシカ

    貴方の足が月を蹴った白い砂が夜灯みたいだ貴方は気付いているんだろうか 波の向こうに何かあったそれが何かわからなかった少し寂しい 足して、足して、溢れて足して、足している分だけ過ぎて 夜の海を二人歩いた月の束が氷雨みたいだ貴方は気付いているんだろうか 岩の隙間に何かあったそれが何かわからなかった少し苦しい 足して、足して重ねて足して、足している分だけ過ぎて 月の中を生きる日々を月日と誰かが言った月の…

  • 雪国 – ヨルシカ

    国境の長いトンネルを抜けると雪国は底冷えの夜の静けさを白く帯びている雪景の古い街並みを横目に雪国は貴方との春の思い出がただ蔓延っている 僕の躊躇いが月に被さってまるで海の底ねぼうと座って水面に映った僕らを見ている 食卓と長い小節を跨いで雪国は花韮の花の静けさをただ嗅ぎ取っている 貴方の涙風に舞い散ってまるで春の中ねぼうと座ってスープに映った僕らを見ている 僕らの憂いが日々日々積もってまるで雪の国ね…

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