春陽炎 — 香西かおり

桜吹雪が舞う頃 ふたり出会った この町
恋は不思議 いつのまにか あなた私のすべてに
男と女 好きになったら負けね
背中みつめているだけで幸せだった
見える景色すべてが バラ色で
ゆれて歩いた街並

風に銀杏が踊って 道も黄金に色づく
移る季節見れば少し 心がわりが恐いの
男と女 愛の言葉のかわりに
抱いて抱かれてふたりは確かめあった
窓の下は通りに影もなく
夜明けまどろむ小部屋で

氷雨まじりの夕暮れ ぬれてさみしい並木路
傘の群れに背中向けて 来ないあなたを待ってた
男と女 出会いと別れは運命
昨日しあわせ明日は はかない涙
恋は春の陽炎 あやしげに
消えてひとりの街角