四谷・大木戸・左門町 — 角川博

まるで傘でも 忘れるように
あいつを忘れた 俺だった
まるで明日も 会うように
旅に出かけて それっきり
あいつの匂いは Tシャツの
洗濯バサミの 跡だけだった
四谷 大木戸 左門町
啓子という名の 女がいたら
昔通った この店で
飲んでいたよと 言っとくれ

まるで夢でも 売ってるように
何にも出来ない 俺だった
二人暮らした アパートも
いつの間にやら 駐車場
近くのスーパー のぞいたら
想い出ぐらいは 売ってるだろうか
四谷 大木戸 左門町
啓子という名の 女がいたら
たったひとこと この俺が
淋しそうだと 言っとくれ

四谷 大木戸 左門町
啓子という名の 女がいたら
たったひとこと この俺が
淋しそうだと 言っとくれ