なごり川 — 角川博

人目ふれずに 散り急ぐ
咲いて七日の 萩の花
待てば涙が 後をひく
追えばあなたを 苦しめる
未練渦まく 未練渦まく なごり川

川の流れと 人の世は
合わせ鏡ね つかのまの
燃えて悲しい この胸を
抱いてください ひと夜でも
せめて逢いたい せめて逢いたい なごり川

いくらあなたに 焦がれても
心通わす 舟もない
月は満ちても 身は細る
夜の長さに 泣けてくる
肌が淋しい 肌が淋しい なごり川