人は情けの 情けの川に浮かんだ 小舟よ ねえあなた仕合せは むこう岸ふたりで一緒に 漕ぎだしてぎっちら ぎっちら ぎっちらこ昭和も遠くに なりました泣いて笑って 笑って泣いて舵取り 今日まで ねえあなた手のひら しわよりも苦労の数が 懐かしいぎっちら
そばにいてよね今日はいてよねだって久しぶりだもの電話も掛けず心配させて憎い人ね悪い人ねあなた忍んで泣いてた夜は一度や二度じゃ数えきれないだから今夜わたしを 愛に飢えた子どものようにやさしく抱きしめて お願いお願いあなたそばにいてよね今日はいてよね初めてのわがままを明日のことは何も云わない罪な人ねいけない人ねあなたみえない人生なんてわたしはとても耐えきれないわ夜よ出来ることなら 時を止めてあなたこの
まるで傘でも 忘れるようにあいつを忘れた 俺だったまるで明日も 会うように旅に出かけて それっきりあいつの匂いは Tシャツの洗濯バサミの 跡だけだった四谷 大木戸 左門町啓子という名の 女がいたら昔通った この店で飲んでいたよと 言っとくれまるで夢でも 売ってるように何にも出来ない 俺だった二人暮らした アパートもいつの間にやら 駐車場近くのスーパー のぞいたら想い出ぐらいは 売ってるだろうか四谷
別れをつれて しのびよる雪見障子(ゆきみしょうじ)の 薄明りもすこしだいて だきしめて わたしのあなた爪をたてても 他人(たにん)にもどるさだめかなしい 夜明け川うわべの愛と しりながらもえた肌身に すきま風もすこしそばに そばにいて わたしのあなた恨みながらも 背中にすがる恋につめたい 夜明け川涙で綴(つづ)る 夢一夜(ゆめひとよ)いくら燃えても 露(つゆ)に散るもすこしここに ここにいて わた
みれん涙を 手桶で流す女ひとりの 仕舞い風呂湯舟の窓には 情夜灯(じょうやとう)あなただけしか 見せない肌をなんでのぞくか ガラス越しひとつ枕は 寝付かれなくて手酌(てじゃく)重ねる 燗冷(かんざ)まし障子を照らすは 情夜灯(じょうやとう)捨てるつもりの 想い出なのに浮かぶ影絵の にくらしさ愛を覚えた 女の肌が夢で燃えたか 夜明け前湯宿に名残りの 情夜灯(じょうやとう)汽車の時間は まだあるけれど
許してください私のわがままをつれない女と思うでしょう あなた別離の手紙を机に伏せながら二年の暮らしを想い出していますあーこのまま暮らしたらどちらもどちらも駄目になるだからあなたを忘れて私は生きて行く忘れてくださいふたりの出逢いなど私のしうちをうらむでしょう あなたもうすぐ春です 季節のかわり目は気がかりなんですあなたの深酒があーこの恋つづけたらあなたをあなたを傷つけるだから私はどこかにかくれて暮ら
人目ふれずに 散り急ぐ咲いて七日の 萩の花待てば涙が 後をひく追えばあなたを 苦しめる未練渦まく 未練渦まく なごり川川の流れと 人の世は合わせ鏡ね つかのまの燃えて悲しい この胸を抱いてください ひと夜でもせめて逢いたい せめて逢いたい なごり川いくらあなたに 焦がれても心通わす 舟もない月は満ちても 身は細る夜の長さに 泣けてくる肌が淋しい 肌が淋しい なごり川
瀬戸の大橋 渦巻く潮は想い激しい 恋の波あなたのほかに男は 男はいらないのいくら両手で すがってみてもつかみきれない 夢情話今日の暦が 明日に変わりゃ橋は二人を 遠くするあなたのほかに男は 男はいらないの恋の証の涙も 傷もみんな下さい この肌に地酒うれしい 下津井節にゆかた姿の さし向かいあなたのほかに男は 男はいらないの夜の命が
嘘でもいいの あなたの腕にいつも抱かれて 眠りたいのよあー あなただけお部屋に入れて素顔をみせたのはあー うしろ指さされた時も耐えてゆきますたとえ明日は 別れる身でも夢をみさせて それだけでいい嘘でもいいの 夕げのしたく似合う娘(こ)だと 云われたいのよあー あなたなら泣かされたって黙ってついていくわあー カーテンにふたりの影が 揺れる倖せやっとつかんだ この恋ひとつ何もいらない それだけでいいあ
細めにあけた 障子の窓から月の光が 忍び込む裸の肩に あなたが触れればはげしく闇に すだく虫の声夜に生まれて 朝には消えるあゝ わたし わたし 冬のかげろうあなたの胸に 微睡(まどろ)みながらそっとくちづけ かわしあう一つの部屋で あなたに寄り添い住むのはやはり 無理な夢ですか夜に生まれて 朝には消えるあゝ わたし わたし 冬のかげろうベッドの中に 寂しさ閉じこめ温(ぬく)めあっても 来る別れあな
七夕祭り 吹流し別れはすませた はずでしたそれなのに仙台…また誘われていつものホテル いつものお部屋あたしって あたしってほんとに ほんとに ほんとにほんとに ほんとに おばかさんあなたに二度と 会わないと何度も自分に 誓ったわそれなのに仙台…また欲しくなるやさしい言葉 やさしいキッスあたしって あたしってほんとに ほんとに ほんとにほんとに ほんとに おばかさん悲しい恋は あきらめてあなたを忘れ
逃げておくれよ あたしを連れてこの世の果ての 浄土(じょうど)までふたり浮草 高瀬川(たかせがわ)人目忍んだ 船宿に都忘れの しぐれ雨噛(か)んでおくれよ あたしの耳を紅葉(もみじ)の色に 染まるまで夢をほどけば 友禅(ゆうぜん)が床に乱れる 絹の波都忘れの しぐれ雨抱いておくれよ あたしの乳房(ちぶさ)命がやせて 折れるほど添えぬ運命が 無情(むじょう)ならあすはいらない 渡し舟都忘れの しぐれ
季節はずれの 蝉がなく熱いあなたの 腕の中好きだから好きだから 命をけずりあなたに抱かれて 世間にそむく愛が愛がせつない あゝ冬の蝉指でおさえる ほつれ毛に愛の残り香 からみつく長いこと長いこと 忘れていたわ女のよろこび 吐息の熱さ明日は明日はいらない あゝ冬の蝉もしもわたしが 死んだなら涙ながして くれますか愛されて愛されて きれいなままで千年万年 生きられたならそれもそれも倖せ あゝ冬の蝉
染めて下さい あなたの彩に生まれ変われる気がします愛の言葉は恥かしいそっと手枕 夢枕時よ止まって この指にあなたどこまで一夜舟童子みたいな あなたの寝顔いつもいい子でいてほしい涙ひとつぶ唇にそっと落としていいですか時よ ふたりを見逃してあなたどこまで一夜舟胸が休まるあなたの匂いずっとこのままそばにいてもっと綺麗になれるよにそっと素顔で歩くから時よ あしたへ行かないであなたどこまで一夜舟
清き流れの台川(だいがわ)に染めて散りゆく 深山(みやま)の紅葉(もみじ)添えぬ運命(さだめ)と 知りながら泣いてあなたに 身をなげた情(なさけ) みちのく 花巻(はなまき)の夜ひとり湯舟で 瀬の音を聞けばあなたの 呼ぶ声になる二つ枕に 頬よせてもえた一夜の 肌恋し恋のみちのく 花巻の夜夢で抱かれて 目覚めれば髪の乱れに あなたが匂う窓をあければ 月見橋しのび泣くよに 降るしぐれ雨のみちのく 花巻
ドラが響けば 桟橋あたり赤いランプが 波に散るくわえ煙草でタラップ踏めば波止場むすめよ むすめよ泣くな今宵船出だ 男の旅だわかれ惜しむな 未練じゃないか海のカモメと行く汐路一夜どまりの錨をあげりゃ月のしずくが甲板をぬらす今宵船出だ 男の旅だ命二つがあるなら一つおいて行きたい別れだよおいら船乗り波止場のからす恋ものぞみも波風まかせ今宵船出だ 男の旅だ
泣き虫ね私は 二年の想い出を飲めないお酒で消せるでしょうかもういやもういや夜更けの足音に耳をすまして待つなんてだから涙そっとかくれて又ふいて明日はこの部屋 出てゆく私疲れたの私は 小さな夢をみてあなたに迷惑かけたでしょうか寒いわ寒いわ 一人で膝を抱き胸であの歌くちずさむいつかふたりきっとあなたのアパートで暮らせるその日を信じていたの生きるのよ私はあなたと別れてもこの身に望みを抱けるでしょうかいいの
酒をつぎ あゝひとり飲むわびしき心 とめどなく情いで湯の しぐれの宿はあなたあなたが 呼んでるような胸にしみじみ 窓あかり思い出に あゝ降る雨は涙をかくす 傘もない川の流れの 流れの岸にあなたあなたの 面影ゆれる咲いて消えない 未練花湯上がりの あゝこの肌がおぼえています あの夜を情いで湯の しぐれの宿はあなたあなたの やさしさばかりせめて逢わせて 夢の中
ダークの背広に 渋めのネクタイいい人を 見つけたと皆に自慢を していたのそれなのに長崎 鐘が鳴るあの人探して 春雨通り私、今夜は泣いてます男の経験 あんまりないからあの人の やさしさを信じていたのよ おばかさんむらさきの雨降る 石畳二人で眺めた 長崎夜景私、今夜は飲んでます遊びじゃなかった 私の場合は結婚を かんがえて交際してたの 真剣にそれなのに長崎 泣かないでハーバー・ライトに カモメが翔んで
あなたの背広の ちぎれたボタン時々 くちびる 押しあてて男は誰でも 淋しがり屋ねとひとりつぶやく 淡い黄昏よ心で 死ぬほど 憎んでも死ぬほど 憎んでも馬鹿ね…馬鹿ね…身体が許してる…戻って来てよ あなたの女です別れたけど あなたの女です扉のあかりを 灯したままでうたた寝しながら 待ちましたあんなに つれない
口づけの 深さがちがうからあなたの 心変わりがわかるの男のひとは 知らないのね服を着る時の 女のさみしさを渋谷でね 渋谷でね 優しくしないで渋谷でね 渋谷でね 最後の夜なら心より体の方が 嘘つきね あなた…追いかけて 想い出汚すより何にも聞かず さよならしましょうあなたが くれるものはみんな例え哀しみも
命までもと あなたにささげた恋なのにいくらなんでも ひどいわお別れなんてあなたわたしの 何処がそんなにいけないの悲しくて 悲しくて 涙が止まらないわたしには女の しあわせ夢かしら髪も肩まで伸ばして 化粧も薄くしてみんなあなたに合わせて来たんじゃないのあなたわたしの 何処がそんなにいけないの可愛いと可愛いと 言われて燃えたのにわたしは女の しあわせ夢かしら嘘と言ってよ あの日の別れのあの言葉酔ったは
同じ歩幅で 歩いたはずがいつかはぐれた あなたから当てのないまま ひとり来た水仙岬泣いて明かした 女の目には海の夕陽が なお沁みるひとつ違えば 次から次へ積み木崩しね しあわせは愛のもろさを 知らされた水仙岬もっと尽くせば 続いた二人先に立つのは 愚痴ばかり胸の未練火 消さないかぎりきっと遅れる ひとり立ち花も叱るか 弱虫を水仙岬宿の湯舟で 残り香流し帰り支度を するつもり
はぐれ季節に 雪ひとひらが冬を凌んで 蝶になる幸せひとりじゃ さがせないどこであなたは 誰を待つ春はどこ… どこにある…みれん温(ぬく)める 片瀬舟明日に流れる 浮世の川に涙おとせば 波が泣く情けの岸辺に 棹させばきっとあなたに 会えますか春なのに… 咲かぬ恋…灯りください 片瀬舟こころ置き去り 運命(さだめ)にたえて揺れる女の もつれ糸いとしさ重ねて 指を折りいつかあなたと 旅まくら春はどこ… 
灯火(あかり)落とせば 見えないものを女ごころの 宵化粧別れ一夜の窓に降り出す 宿時雨情があるのか 箱根の雨はつらい二人に 貰い泣き肌が馴染んだ 愛され方に負けて浴衣の 袖を噛む漏れる吐息を隠すやさしい 宿時雨腕を枕に 箱根の夜は燃えて死にたい 叶うなら乱れ黒髪 ひと筋抜いてそっと貴方の 指に巻く名残り一夜の窓に夜通し 宿時雨どうせ降るなら 箱根の朝はいっそ遣らずの雨になれ
髪の乱れは 昨夜の名残りうしろ姿で ほつれを梳かす忍ぶ二人の こころ宿お別れします…あなたまるで涙を 集めたような窓の下には 未練川いくら逢瀬を 重ねてみても変わらなかった 二人の宿命(さだめ)たとえ短い 間でも幸せでした… あなたいのち捨てても 悔いない恋をなんで邪魔する 世間川二人迎えた 最後の夜明け別れ口紅(べに)さす 鏡がくもる帰り支度の こころ宿お先に出ます… あなた残る未練は 月日をか
前を向いたら行きどまり後ろ振り向きゃあとがない好きで迷っているんじゃないが何故か倖せ遠まわり雨のやまない町はない涙乾かぬひとはない空が晴れてもわびしいものは男心の水たまり咲かずじまいの恋いくつ忘れものした夢いくつ誰にわかって欲しくはないが問わず語りに夜が更ける
大阪 大阪 雨の北新地肩を抱く人もない 女がひとりお初天神 梅のひと枝に結んだおみくじ 濡れて 濡れてちぎれ古い屋台の 関東煮(かんとうだ)きをあの人と 頬張った 夜が遠去かる噂は 今日も 桜橋あの人 浮かれ上手な人よ大阪 大阪恋と夢が 川に映る街大阪 大阪 雨の戎橋(えびすばし)倖とすれ違う 女がひとり水かけ不動 煙る法善寺灯りの数だけ 恋が恋が揺れるアホな女は かわいい女あの人の声がまだ 耳の
時は静かに 過ぎて季節を 変えてゆくけどあなたと抱きあう この素肌はいつでも真夏ですひとつ…ふたつ… 闇の中に熱い吐息の花が咲く打ち上げて 打ち上げてああ…吐息花火みじかい恋なら 綺麗な方がいい一秒だけでも 長くあなたのそばにいたくて逢えない夜でも 逢いに来るいけない女ですみっつ…よっつ… 夜の底で揺れて吐息の花になる燃え尽きたい 燃え尽きたいああ…乱れ花火優しい男より 哀しい男がいいここのつ…と
私、やっぱり女です心のささえが ほしかった泣いてすがれば 伊勢佐木あたりネオンがにじむ横浜 横浜 夜の横浜アケミという女私、やっぱり女です遊びのつもりが 惚れていた酔えば恋しい 春雨通り噂がにげる長崎 長崎 夜の長崎ナオミという女私、やっぱり女です一度は結婚したかったぬいた指輪を 淀川あたり波間に放かす大阪 大阪 夜の大阪ヒロミという女