こぼれ花 — 石原裕次郎

紅(あか)い 野薔薇が ただひとつ
荒野(あれの)の隅に 咲いている
ものみな枯れた 山かげに
風に震えて 咲いている

ちょうど 昨年(きょねん)の いま頃か
泣くなと言えば なお泣いた
あの娘の帯に バラひとつ
咲いていたのを 憶いだす

寒い夕陽が 落ちたとて
荒野の薔薇よ 散るじゃない
お前も俺も こぼれ花
おなじさだめの こぼれ花

紅い 野薔薇が ただひとつ
荒野の隅に 咲いている
ものみな枯れた 山かげに
風に震えて 咲いている