ひとり松江で — 真木柚布子

一夜泊まりの この旅は
人目を避ける 宍道湖あたり
好きよ好きです 添えないけれど
あなたとふたり 情けの宿で
何故かしみじみ 泣かされる
あゝ女ごころの やるせなさ

ここは京店 椿谷
湖のほとりで よせあう肩が
花を散らして あなたに縋る
儚い夢を 重ねたままで
みれん切なく ほつれ毛が
あゝうなじにからんで 乱れます

松江大橋 わかれ橋
ひとりで淋しく 渡って行くの
恋のかけ引き からくりならば
あなたなしでは もう明日はない
こんな思いに なればこそ
あゝ胸に抱きしめ 生きてゆく