三陸風みなと — 山口ひろみ

駅を下りれば 海峡が
ここまで迫(せま)って 来るようで
ひとり立たずむ 湾(いりうみ)は
群れ翔ぶカモメに 息を呑む
三陸女川(おながわ) ここへ来た
あなたを忘れる 旅路です

いつか港に 夕闇が
海からかぶさり 始まって
旅の寂(さび)しさ つのります
遠くの町まで 来たものと
三陸断崖(きりぎし) 風の音
身を引く女の 胸の内

漁船(ふね)を出す人 送る人
港のしあわせ ここにある
そんな暮らしに ふと触れて
灯りがともるわ 私にも
三陸釜石 北へ行(ゆ)く
明日へ出直す 旅路です